猫は肉食なのか?お肉とお魚のどちらが良いのか獣医師が詳しく解説

猫は肉食なのか?お肉とお魚のどちらが良いのか獣医師が詳しく解説

猫は魚好きというイメージがあると思います。アニメでもそんなシーンがありますし、歌の歌詞にもなっていたりします。筆者自身、飼い猫に焼き魚を持ち去られた経験があります。

猫は肉食動物と言われていますが、肉と魚どちらが猫にとって良いのでしょうか?今回は猫の食性について解説したいと思います。

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猫は完全肉食動物です

猫は完全肉食動物です

動物の食性は大きく「肉食」「草食」「雑食」に分かれます。肉食はライオンやオオカミなどで、肉を主食とします。草食はウシやヤギなどで、草を主食とします。雑食はヒトやブタなどで、様々な食事を食べる動物です。

猫は完全肉食動物です。肉や魚などのタンパク質を好みます。体の構造も肉食に対応するように進化し、肉を切り裂くことができる鋭い歯や、消化した肉から出る老廃物を長時間体に貯めないための短い腸などが特徴です。

しかし、タンパク質以外の物を決して食べないわけではなく、炭水化物や草なども食べることがあります。昔は、ご飯に鰹節をかけた「ねこまんま」を猫に食べさせていた時代もあります。

動物にとって必要な栄養素を5大栄養素と呼びます。5大栄養素は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ビタミン類」「ミネラル」です。

野生のライオンなどを想像してみてください。彼らは狩りによって動物を捕食します。ライオンも完全肉食動物ですが、食べた動物の内臓にある草や穀物などから、炭水化物など不足している栄養素を摂取していると考えられています。

キャットフードを見てみると、タンパク質以外にも様々な栄養素が含まれています。猫が健康的に過ごすために研究を重ねていった結果、今のキャットフードの栄養バランスがよいと考えられています。

猫は魚好き?

猫は魚好き?

猫は魚が大好きなイメージがあるかもしれませんが、実は日本ならではの食性です。

猫の祖先はリビアヤマネコと考えられており、砂漠で生活していました。彼らは砂漠の生き物を食べて生きていたため、元々は魚を食べる動物ではないと考えられています。

日本の猫の祖先は、平安時代ごろに大陸からやってきたと考えられています。日本は島国であり、漁業が盛んでした。またその頃の日本は、仏教の教えにより肉を食べることを禁じられており、魚からタンパク質をとっていました。そのため、猫も魚を与えられることが多く、魚からタンパク質をとっていました。子猫は離乳期に母猫から与えられた物を好む傾向があり、母猫が魚を食べていた場合、子猫も魚を好むようになります。このような背景があり、日本の猫は魚が好きというイメージが定着したようです。

肉と魚どちらがいいの?

肉と魚どちらがいいの?

答えはどちらでもOKです。キャットフードを見てもらうと、魚味のものもあればチキン味などがあります。特に何味と書いていないフードの原材料を見ると、チキンなどのお肉を使用しています。猫が好む味のフードを選んであげるのが良いでしょう。フードの食べが悪くなったりしたら、味変をしてみるとよく食べるようになることもあります。療法食にはチキン味やツナ味など、同じタイプの療法食でも味をいくつか用意してあるものもあります。疾患には影響しないように栄養素を調整してあるため、どちらの味を使用しても問題ありません。味に飽きやすいため、味変をしてしっかり食べられるように配慮されています。

肉と魚であげてはいけないものは?

肉と魚であげてはいけないものは?

手作り食に興味があったり、ちょっとだけフード以外の物をあげたいと考えている方も少なくはないと思います。基本的にキャットフードのみで活動できますが、肉や魚をあげる場合は次のことに注意してください。

生の肉や魚

生の肉や魚は寄生虫の問題が出てきます。生肉に含まれるトキソプラズマや、生魚に含まれるアニサキスなどが主な例です。元々生肉を食べていたのだから、生の肉や魚は問題ないのでは、と考える方もいるかもしれません。野生で生活している場合、ほとんどの動物が何らかの寄生虫の寄生を受けています。中にはヒトにも寄生するものもあります。

エビ、カニ、タコ、イカ、アワビなど

猫が生のエビ、カニ、タコ、イカを食べると、これらの体内に含まれる酵素の作用で、ビタミンB1欠乏症になります。この酵素は加熱するとなくなりますが、猫はエビなどを食べると消化不良を起こしやすいため、あえてあげる必要はないと思います。

アワビ、サザエ、トコブシなどの貝類には毒成分が含まれており、日光に当たると毒成分の影響で血管に炎症が起こり、炎症や痒みが起こります。特に毛の薄い耳で症状が出やすく、耳に脱毛や炎症、壊死が起こります。腫瘍化することもあります。「猫がアワビを食べると耳が落ちる」と昔から言われていましたが、それは毒成分により耳が壊死するからです。

鶏の骨付き

鶏肉を茹でて与える方もいると思います。鶏の骨が付いた状態で与える人はいないと思いますが、鶏の骨は噛み砕くと縦に裂けます。裂けた骨は鋭いため、飲み込むと食道や胃を傷つけてしまいます。最悪の場合、消化管に穴が開く「穿孔」が起こります。

味付きの物

人間が食べるように味が付いたものは、猫にとっては味が濃い物になります。喜んで食べるかもしれませんが、将来的に腎疾患や尿石症、糖尿病など様々な疾患の要因になりかねません。味付きの物を洗ってから調理する方もいるかもしれませんが、添加物などがしみ込んでいる可能性があります。絶対に与えないようにしましょう。

まとめ

まとめ

猫は魚好きなイメージですが、肉でも魚でも好んで食べるフードを選んであげましょう。手作り食やおすそ分けをされる場合は、生の物や猫に影響のあるものは避け、できれば専門家の意見を仰ぎながら与えましょう。


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    著者プロフィール


    後藤マチ子
    獣医師 後藤マチ子
    めのうアニマルクリニック院長。猫好きが高じ、愛知県額田郡幸田町に犬猫分離型動物病院「めのうアニマルクリニック」を開院。「犬にも猫にも優しい病院」をコンセプトとして診療するとともに、保護猫の譲渡活動にも注力している。


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