「猫には鈴を付けるもんでしょ?」
そんなイメージ、ありますよね。国民的アニメに出てくる猫ちゃんたちも、みんな首輪に鈴を付けています。
でも、なぜ猫首輪には鈴が付いているのでしょう? あんまり深く考えたことはなかったかもしれません……。
今回は猫に鈴を付ける理由と役割、メリットやデメリットについてお話しします。
猫に鈴を付ける理由と役割
猫ちゃんがリンリン♪と音を鳴らしながら歩く姿はとってもカワイイですね。
実はカワイイだけじゃなくて、合理的な理由と役割があるんです。
猫に鈴をつけるのは猫のためじゃない!?
「猫の首に鈴を付ける」と言葉があります。実はこれ、「猫ちゃんには鈴を付けよう」という意味ではないんです。
ネズミたちが天敵ではある猫の居場所を知るために、猫の首に鈴をつけようと画策するイソップ物語がもとになっています。
猫ちゃんは足音を忍ばせ、獲物にそっと近づく名ハンターです。だから、鈴は猫ちゃんが近づいてきたことを知るために大切な役割を果たすんですね。「猫の鈴」はネズミのためだったんです。
※実際はネズミたちは怖くてそんなことできないので、転じて「すばらしいアイデアでも実行できなければ意味がない」という意味で使われています。
猫の鈴でネズミを追い払う!?
昔、蔵や倉庫に住みついたネズミを駆除するために猫を飼うということがありました(今でもウィスキーキャットが有名ですね)。
ですがネズミは病気を媒介することが知られています。飼い猫がネズミを捕まえるのは怖い……。そこで猫の首に鈴を付けて、鈴の音を聞いただけでネズミが逃げ出すようにする、という役割もあるようです。
このような理由から、「猫に鈴」のイメージが定着していったようですね。
猫首輪に鈴を付けるメリット
現代の一般家庭では、ネズミがわんさか出るようなケースは少ないように思います。
完全室内飼いの猫ちゃんが多いなか、猫首輪に鈴を付けるメリットはなんでしょうか? 猫ちゃんの習性から考えてみましょう。
◆猫の居場所を把握できる
猫ちゃんは名ハンター。獲物に自分の存在を知られないように、足音を立てずに歩く習性があります。
イソップ物語のネズミたちのように、猫ちゃんに鈴が付いていればどこにいるか把握しやすいです。「足元にいる猫に気づかずに巻き込んで転んでしまった」「うっかり猫を踏んでしまいそうになった」……という猫あるあるな家庭内事故を防ぐメリットがあります。
◆閉じ込め事故防止
猫ちゃんってちょっとした隙間からスルリと出て行ってしまいますよね。いないいないと探し回ったらビックリするような場所でまったり……なんて、これまた猫あるあるな事件ですね。
猫首輪の鈴にはクローゼット・押し入れ・お風呂場・トイレ・洗濯機・タンスなどへの閉じ込め事故を防ぐメリットもあります。
◆脱走・迷子時に見つけやすい
猫首輪は脱走してしまったとき、迷子になってしまったときに「飼い猫」の証になります。迷子札を付けていれば、より安心ですね。
完全室内飼いの猫ちゃんが外へ出てしまったとき、割と近くで固まっていることが多いです。そんなとき、猫首輪に鈴が付いていれば、鈴の音で物陰に隠れている猫ちゃんを見つけられるかもしれません。
万が一、迷い猫ポスターを作るような事態になっても、首輪や鈴の特徴を添えることで、発見の可能性が高まります。
猫首輪と鈴にはそんなメリットもあるんです。
猫首輪に鈴を付けるデメリット
では、逆に猫首輪に鈴を付けるデメリットは何でしょうか? これも猫ちゃんの習性から考えてみましょう。
◆鈴の音がうるさい
猫ちゃんは人間よりもはるかに耳が良く、25~75,000Hzの広い範囲の音を聴くことができます。特に高音域の音に対する感度がものすごいのです。
また、小さな音も逃しません。地面の下を歩くネズミの足音でも聞き取れると言われています。
確かに缶詰を開けると、猫ちゃんはすっ飛んできますよね。耳が良すぎるため、首に鈴がついてるとかなりうるさいはずです。迷惑がっているかもしれませんね。
◆ストレスを感じてしまう
猫ちゃんは「待ち伏せ型」の狩りをしていました。体臭も少なく足音をさせずに歩く習性があるように、自分の居場所を知られるのをとても嫌うんです。
動くたびに鈴が鳴ると、自分の居場所をアピールすることになってしまいます。思うように狩りができなくなるため、ストレスに感じてしまう猫ちゃんもいます。
◆猫首輪が重たくなる
鈴の大きさや素材によっては、猫首輪がとても重くなってしまいます。猫ちゃんの首はとても細いので、負担がかかりやすいです。首輪が重すぎると、首輪ハゲや首コリ、血行不良など、猫ちゃんの負担になってしまうデメリットがあります。
猫首輪に鈴を付けたほうがいい?選び方や慣らし方は?
よかれと思って鈴を付けても、猫ちゃんが嫌がってしまうと、ちょっとかわいそうに思ってしまいますね。
「猫首輪の鈴」にはストレスを感じる猫ちゃんもいるというデメリットがありますが、猫ちゃんの安全を守るというメリットもあります。
猫ちゃんに鈴を付けるなら、なるべく負担をかけない鈴を選び、ゆっくりと慣らしてあげることが大切です。
猫首輪に付ける鈴の選び方
どんな鈴を選べば猫ちゃんのストレスや負担になりにくいのか、具体的な例をご紹介します。
◆鈴を取り外せる猫首輪を購入する
猫首輪は「鈴付き」で売られていることが多いです。とってもカワイイのですが、猫ちゃんに拒否されてしまったらお蔵入りになってしまいます。
猫首輪を購入するときは、鈴を取り外せるタイプのものや、鈴を後付けできるタイプのものを選ぶのがおすすめです。
◆猫が嫌がらない音の鈴を選ぶ
猫ちゃんによって、鈴の音の好き嫌いはさまざまです。鈴の音にも、大きい音の鈴・高い音の鈴・低い音の鈴・短く鳴る鈴などいろいろあります。もし、猫ちゃんが鈴の音を嫌がるようなら、違う音色の鈴を試してみましょう。
◆負担の少ない猫首輪を選ぶ
首輪自体を嫌がる猫ちゃんもいるので、なるべく軽くて、やわらかく、上質な布製の猫首輪を選ぶようにしましょう。被毛や皮膚に負担をかけないことはもちろんですが、「鈴を付けても重さが気にならない」ことがポイントです。
鈴の音に慣れてもらう方法
猫首輪に鈴を付けてみて、嫌がらないようならそのまま様子を見てください。しばらくすると気になりだす子もいるので、危険がないように注意してくださいね。
反対に鈴の音をひどく嫌がる子もいます。鈴の音にパニックになってしまったり、外そうとするようなら、すぐに鈴を外してください。しばらくしてから、もういちどトライしてみましょう。最初は鈴の音を嫌がっても、時間をかければ慣れる子が多いようです。
鈴の音に慣れてもらうコツ
鈴の音に慣れてもらうコツは、「猫首輪に鈴を付けたまま遊ぶこと」です。鈴を付けたまま遊んで、遊び終わったら一旦外します。しばらくしたら、また鈴をつけて遊ぶのを繰り返してみます。
少しずつ時間をのばしながら、何日間か続けていくうちに、鈴の音が気にならなくなるはずです。「この音は怖くないぞ」と猫ちゃんに学んでもらいましょう。
いくつか違う音色の鈴を試してみるのもアリです。
まとめ
猫首輪に鈴を付けるメリットは、猫ちゃんの居場所がわかることで、踏んづけてしまったり、閉じ込めてしまうという家庭内事故を防げるということです。
しかし、猫ちゃんにとって鈴の音は嫌なものかもしれません。
できれば子猫の頃から、猫首輪と鈴に慣らしたほうが良いです。ですが、保護猫の里親になる人も増えていることから、成猫になって初めて猫首輪や鈴を着ける猫ちゃんもいます。
ちょっと苦労してしまうかもしれませんが、末永く一緒に暮らすなら、猫首輪に鈴を付けるメリットのほうを重視してもいいと思っています。
でも、どうしても猫ちゃんが嫌がるようなら決して無理をさせてはいけません。鈴以外の方法で、家庭内事故を防ぐ方法を考えてみましょうね。
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