災害時の備えとして「猫用ハーネス」を用意する飼い主さんが増えています。
ハーネスというとわんちゃんのお散歩用というイメージがありますが、脱走や迷子を防ぐために猫ちゃんにもハーネスが必要なときがあるんです。
だけどハーネスに慣れていないと嫌がって暴れたり、固まって動かなくなったり。そのうちハーネスを見るだけで逃げるようになってしまうことも……。
今回は猫用ハーネスをいざというときに役立ててもらうために、「猫にハーネスを見せると嫌がって逃げてしまう」というお悩みの対処法をご紹介したいと思います。
猫がハーネスを嫌がって逃げる理由
猫ちゃんがハーネスを嫌がって逃げる理由はいくつか考えられます。まずは猫ちゃんの気持ちを理解してみましょう。
猫の習性
猫ちゃんは狩りをして生きてきた生き物なので、全身が高感度のセンサーのような働きをしています。そのため、身体に異物が付いたり、毛並みが乱れることをとても嫌がります。ハーネスは「大きな異物」なので、嫌がって逃げる猫ちゃんが多いようです。
ハーネスそのものが怖い
猫ちゃんにとってハーネスは「身体の自由を奪う怖いもの」です。最初にハーネスを付けたとき、サイズが小さすぎて窮屈だった、動きづらい作りのハーネスだったなどの理由から、ハーネスそのものを怖がって逃げてしまうことがあります。
ハーネスの着せ方が下手
着せ方が複雑なハーネスだと、猫ちゃんは長時間にわたって身体を拘束されるだけでなく、無理な体勢をさせられたことで「嫌なことが起きるもの」と認識します。ハーネスに対して警戒心を持つことで、ハーネスを見るだけで逃げるようになってしまいます。
猫にハーネスを見せると逃げるときの対処法
猫ちゃんは危機察知能力が非常に高く、嫌だな、怖いなと思ったものほどよく覚えているそうです。
なので「ハーネスを付けると嫌なことが起きる、ハーネスは怖いもの」と猫ちゃんが認識してしまえば、ハーネスを見せただけで逃げるようになってしまいます。
そんなハーネスの「トラウマ」を克服するにはちょっと時間がかかります。猫ちゃんの信頼を取り戻すためにも、ゆっくりと時間をかけて慣らしていくようにしましょう。
まずはハーネスの存在に慣れてもらう
猫ちゃんの通り道にさりげなくハーネスを置きます。まずはハーネスのニオイや存在に慣れてもらいたいので、無理に着せる必要はありません。
ハーネスをおもちゃ代わりにして遊んでみるのも効果的です。なかなか警戒心がとれないようなら、猫ちゃんが使っている毛布などでくるんで、猫ちゃんのニオイをつけてみましょう。
ハーネスの近くでごはんやおやつを食べる
ハーネスを嬉しいものだと認識してもらうために、ハーネスの近くでごはんやおやつを食べさせます。
最初は近くに置いておくだけ、慣れてきたらハーネスを持っておやつをあげてみましょう。おやつをあげながらハーネスを身体に近づけ、少しずつ慣れさせます。ハーネスが身体に触れても嫌がらないようになるまで根気よく続けましょう。
ハーネスを付けてみる
「ハーネスを付けると嬉しいことがある」と猫ちゃんに思ってもらうことがコツです。
ハーネスを付けたらおやつをあげ、すぐに外しましょう。最初は腕を通すだけでもOKです。少しずつハーネスを付けている時間を伸ばせるようにトレーニングします。
抱っこして外に出てみる
猫用ハーネスを付けると固まって歩けなくなる子も多いです。違和感なく食事やトイレ、お昼寝ができるようになるまでは、室内でトレーニングをします。
ハーネスに慣れてきたら抱っこで外に出てみましょう。怯えた様子でなければ、リードを付けて地面に降ろしてみます。
外でハーネストレーニングをするときは、なるべく人や車通りが少ない静かな場所を選び、他の猫ちゃんとの接触に気をつけるようにしましょう。
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猫用ハーネスで散歩するときの注意点
猫ちゃんは縄張りの外に出ることを嫌う生き物です。「狭い家のなかだけではかわいそう」と思われるかもしれませんが、逆に外に出ることがストレスになってしまいます。また、脱走や感染症のリスクもあります。
だけど猫ちゃんの性格によっては、外に出て散歩することがストレス発散になる場合もあります。それから、災害時の避難訓練もしておきたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
そんなときは、あくまでも猫ちゃんファーストで。猫ちゃんの負担にならないように、散歩にも挑戦してみましょう。
無理にリードを引っ張らない
猫ちゃんのハーネスは脱走防止のために付けるものです。わんちゃんと違って牽引やしつけのために付けるものではありません。
猫ちゃんは慣れない外に出て緊張しています。固まって動かないからといって、無理にリードを引っ張ってしまうのはNGです。猫ちゃんのペースに合わせて、少しずつ慣らしていくようにしましょう。
ハーネスからの抜け出しに注意
猫ちゃんは身体がやわらかいので、忍者のようにハーネスから抜け出してしまうことがあります。ハーネスを購入するときは、猫ちゃんのサイズをきちんと測ってピッタリサイズのものを選ぶのが抜けないコツです。
サイズ調整ができるハーネスなら、しっかりと猫ちゃんの身体にあわせて調整しておきましょう。人間の指1~2本ぶんくらいのゆとりがちょうどよいです。
また、脱走・迷子対策をしておくことも大切です。猫首輪+迷子札、それからマイクロチップを忘れずに装着しておきましょう。
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ワクチン接種・ノミダニ予防も忘れずに
他の猫ちゃんと接触するかもしれないので、ワクチン接種とノミダニ予防は必須です。それから、避妊去勢手術を受けておいたほうが、他の猫ちゃんとのトラブルや望まない妊娠を防ぐことができます。
年にいちどの健康診断のついでに、ワクチン接種やノミダニ予防についても相談しましょう。
まとめ
猫用ハーネスは通院などの外出時だけでなく、災害時にも役立つ脱走防止アイテムです。いざというとき、猫ちゃんと追いかけっこをしている余裕はありませんよね。
猫ちゃんにハーネスを見せると逃げてしまうという場合はトレーニングをしてみましょう。
まずは見せるだけ、においを嗅ぐだけ。ハーネスで遊んだり、ハーネスを手に持っておやつをあげたりして、怖くないよ、ということを教えましょう。
ハーネスが猫ちゃんの体に触れても嫌がらないようなら、ハーネスを付けてみます。このときもハーネスを付けられたらおやつをあげて、「ハーネスを付ける=嬉しいことがある」と認識してもらうようにします。
また、猫ちゃんが違和感なく過ごせるように、ピッタリサイズで着心地のいいハーネスを選ぶことも大切です。猫ちゃんとのコミュニケーションを楽しみながら、ハーネストレーニングにも挑戦してみてくださいね。
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