ぽっちゃり猫ちゃんは愛嬌があって、とってもかわいいです。まん丸の顔にたぷたぷボディ、見ているだけで癒されますね。
だけど肥満はいけません。今回は猫ちゃんのダイエットに注目して、痩せるための食事管理方法について解説したいと思います。
猫ちゃんの肥満度チェックのやり方、ダイエットが必要な猫ちゃんの食事量や食事の与え方、効果的に運動させる方法も紹介します。
猫の肥満は飼い主の責任
猫ちゃんの肥満の原因は「食べ過ぎ」と「運動不足」です。
子猫時代はよく遊び、エネルギー消費も激しいです。ですが、7歳頃のシニアに近づくにつれて、激しく遊ぶことはなくなります。
同時に代謝も落ちてくるので、食べたいだけ食べるような食生活では肥満になってしまいます。また、避妊去勢手術をするとホルモンバランスの影響で太りやすくなります。
猫ちゃんは自分で食事管理をすることができません。また、運動不足にならないように生活環境を整えることができません。猫ちゃんの肥満は飼い主さんの責任ということをよく覚えておきましょう。
猫は肥満になりやすい
猫ちゃんは生まれながらのスプリンター。獲物に飛びかかる瞬発力に優れていて、とても筋肉質です。
肥満とは無縁なようにも思えますが、ここぞというときに力を発揮するために常に省エネモードで生活しています。現在では狩りをしなくても食べものにありつけるため、食べ過ぎたり、運動量が足りないとすぐに太ってしまうのです。
猫の肥満は万病のもと
人間と同じように、猫の肥満も病気のリスクをあげてしまいます。糖尿病や心臓病、脂肪肝のほかにも、関節炎や皮膚炎などの原因になります。猫ちゃんに健康で長生きしてもらいたいのなら、肥満にさせてはいけません。
猫の肥満度をチェックする方法
猫の肥満とは、適正体重よりも重く、体脂肪がつきすぎている状態のことをいいます。
猫の適正体重といっても、猫ちゃんの体重は猫種や性別、体格によっても大きく異なるので「○kgを超えたら肥満」という基準値はありません。
体重だけでは肥満度がわかりにくいため、「BCS」という指標が用いられています。
BCSとはボディコンディショニングスコアの略で、猫ちゃんの外見や体を触ったときの感触で肥満度をチェックする方法のこと。猫ちゃんの肥満度を5段階で評価し、BCS3が理想体型とされています。
ポイントになるのは、腰のくびれ・ろっ骨・お腹。愛猫ちゃんの体型をチェックして、「やや肥満」「肥満」に2つ以上当てはまると要注意です。
引用:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」より |
1.真上から腰のくびれをチェック
猫ちゃんを立たせて真上から体型を見たときに、ウエスト部分のくびれをチェックします。
・標準体型
腰のくびれがわずかに見られる
・やや肥満
腰のくびれがわかりにくく横にふくらんでいる
・肥満
腰のくびれがなく樽のように見える
2.ろっ骨を触ってチェック
猫ちゃんがリラックスしているときに、両手で前足の付け根あたりを触ってみます。どの程度ろっ骨が感じられるかで肥満度をチェックします。
・標準体型
ろっ骨に触れて、浮き出ているほどではない
・やや肥満
少し脂肪がついているけど、ろっ骨には触れる
・肥満
脂肪に覆われていて、ろっ骨に触れない
3.お腹のふくらみをチェック
猫ちゃんが立っているとき、真横から見てお腹のふくらみを見てみましょう。
・標準体型
お腹と床がほぼ平行
・やや肥満
下腹部が膨らんでいて、歩くと少し揺れる
・肥満
わき腹から全体にかけて膨らんでいて、歩くと大きく揺れる
猫のダイエットを始めよう
BCSで猫ちゃんの肥満度が気になったら、健康のためにもダイエットをしてみましょう。
ですが、体の小さな猫ちゃんにとって急激なダイエットはとっても危険。食事を抜いたり、極度に減らすのはNGです。嫌がる猫ちゃんを無理やり外に連れ出すのも賛成できません。1年以上かけて、根気よくダイエットをするのが基本です。
猫ちゃんのダイエットに欠かせないのは「食事量の管理」と「適切な運動」。どちらも飼い主さんの根気が必要になります。
本格的にダイエットが必要なほどの肥満だったり、ダイエットが必要かどうかわからないといった場合には必ず獣医師に相談するようにしてくださいね。
猫のダイエット方法1【食事量を管理する】
肥満が気になるネコちゃんがダイエットするなら、まずは食事量の見直しから始めてみましょう。ただ食事量を減らせばいいということではなく、適切に食事管理をすることが大切です。
適切な量のキャットフードを与える
キャットフードは欲しがるままに与えるのではなく、猫ちゃんの体重や活動量に合わせて適切な量を与える必要があります。
成猫に必要な1日のカロリーは「80kcal×体重(kg)」の計算式で求めることができます。運動量の少ない子は「70kcal×体重(kg)」の計算式で求めてみましょう。
次にキャットフードのパッケージに記載の100gあたりのカロリー数から、愛猫ちゃんに必要な量を割り出します。目分量で与えるのではなく、必要な分だけ計量して与えるようにします。
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食事の量を減らす
適切な食事量にも関わらず肥満傾向にあるなら、与えるフードの量を5~10%ほど減らしてみましょう。くれぐれも急激に食事量を減らしてはいけません。1週間で体重が1~3%減るくらいのペースが最適です。猫ちゃんの体重をこまめに測りながら、食事量を微調整しましょう。
食事の回数を増やす
空腹が続くと脂肪を蓄えがちになってしまいます。空腹感を抑えるために、食事の回数を増やし、1日分の食事量を3~4回に分けて与えてみましょう。 飼い主さんの留守中は自動給餌器を利用したり、フードが飛び出る知育玩具を使うのもオススメです。
おやつも適量を
おやつをあげても構いませんが、なるべく低カロリーのものを選びましょう。おやつの適量は1日に必要な総カロリーの20%以内。おやつをあげるときは、おやつのカロリー分だけ食事量を減らすようにします。
早食いをやめさせる
猫ちゃんは本能的に早食いをする生き物です。ですが、早食いでは満腹感を感じにくいため、常にごはんを欲しがります。おねだりに負けておやつをあげていたのでは、肥満になってしまいます。
ダイエット成功のためには、あえて食べにくい形状のフードボウルにするなど、猫ちゃんが早食いできないような工夫が必要です。
SNSではペットボトルを使ったダイエットが話題です。ペットボトルにフードが出るくらいの穴をあけ、そのなかにフードを入れて猫ちゃんに与えます。前足で転がさないとフードが出ないので、少しずつごはんを食べることができます。猫ちゃんの狩猟本能も刺激されそうですね。
ダイエット用キャットフードを与える
ダイエット用の低カロリーなキャットフードに少しずつ切り替えるのも効果的です。また、ドライフードよりもウェットフードのほうがカロリーが低いので、ウェットフードを併用するのもオススメです。
猫のダイエット方法2【運動をする】
猫ちゃんのダイエットを成功させるには運動も欠かせません。食事管理で摂取カロリーを減らしつつ、運動量を増やして消費カロリーを増やす必要があります。
猫ちゃんはわんちゃんとは違って、外を散歩したり、ドッグランで走ったりすることはありません。猫ちゃんの運動量を増やすには、ちょっとした工夫が必要です。
本能を刺激するような遊び
いろんなタイプの猫じゃらしを揃えて、意識的に遊びに誘うようにしましょう。飼い主さんの猫じゃらしテクニックも磨かなければなりません。電動のおもちゃや知育おもちゃ、トンネルなどの遊び道具も揃えてあげるといいですね。
キャットタワーで食事をする
猫ちゃんはキャットタワーが大好きです。運動になるだけでなく、身を守れる安心な場所にもなります。シンプルなものでOKなので、キャットタワーを置いてあげるようにしてください。
遊びにあんまり乗ってこない猫ちゃんには、キャットタワーで食事をしてもらうのも効果的です。高いところにフードボウルを置いて、無理なく運動量を増やしましょう。
まとめ
ぽぽねこの猫首輪や猫服にはLサイズもご用意していますが、ときどきLサイズでも入らないというメッセージをいただくことがあります。
体格が大きめの猫種の子や長毛猫ちゃんを想定したサイズなのですが、どうやら肥満の猫ちゃんのようなのです。なんとなくですが、肥満に悩む猫ちゃんは増えているように思います。
ぽっちゃり猫ちゃんはとってもかわいいですが、病気のリスクがあります。健康で長生きしてもらうにはダイエットをしなければなりません。
猫ちゃんのダイエットでいちばん大切なのは、適切な食事量を守ること。キャットフードを目分量で与える、欲しがるだけ与えるのは肥満のもとです。
それでもぽっちゃり気味なら、食事量を5~10%ほど減らします。くれぐれも急激なダイエットは禁止。1年以上かけてダイエットするつもりで、根気よくダイエットに挑戦しましょう。
猫ちゃんの肥満は飼い主さんの責任です。猫ちゃんの健康のためにも、食事の管理方法と運動方法を見直してみてくださいね。
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