災害時に自宅を離れるときは、猫ちゃんを連れて避難する「同行避難」が原則です。
避難所には猫ちゃん用の備えはなく、キャットフードや猫砂が救援物資として届けられるとは限りません。なので、飼い主さんが猫ちゃんの避難グッズを準備して持っていかなければならないのです。
猫ちゃんの避難グッズには何が必要なのでしょうか? いざというときに慌てないために、猫ちゃんを連れて避難するときの持ち物チェックリストと注意すべきポイントをまとめました。
これを読んで、すぐに猫ちゃん用の避難グッズを用意しましょう!
猫を連れて避難すべきタイミング
猫ちゃんがいっしょの猫連れ避難者は「災害弱者」ということを覚えておきましょう。
人間だけの避難よりも時間もかかるため、空振りを恐れずに警戒レベルが2~3のうちに避難しましょう。避難勧告や避難指示が出てからでは、すでに避難ができない状況になっているかもしれないからです。
※出典:内閣府ホームページ「避難勧告等に関するガイドラインの改定(平成31年3月29日)」より
避難所に猫を連れて行ける?
環境省では、ペットといっしょに行政指定の避難所へ行く「同行避難」を推奨しています。避難所にも猫ちゃんを連れて行くことができます。
最寄りの小中学校が避難所に指定されていることが多いと思いますが、行政指定の避難所でないところではペットの受け入れを断られるケースもあります。最寄りの避難所のペットの受け入れ可否について、確認しておくようにするといいですね。
避難所までの移動方法は?
猫ちゃんを連れて避難するときは、「徒歩」で移動します。道路の状況にもよりますが、車やペットカートではスムーズに避難できないことも考えられます。
また、猫ちゃんは必ず「キャリーバッグ」に入れます。脱走の危険があるので、抱っこでの避難は避けましょう。他の荷物もあるため、両手が空くリュックタイプのキャリーバッグが便利です。
飛び出しを防ぐために、ハーネスとリードをつけるようにしましょう。
避難所で猫ちゃんはどう過ごす?
避難所では、猫ちゃんはケージかキャリーバッグに入って過ごします。猫ちゃんと同じ部屋で過ごす「同伴避難」「同室避難」なのか、猫ちゃんを別室に隔離する「別室避難」かは避難所ごとに異なります。
「同伴避難」「同室避難」の場合、同じ部屋に他の避難者もいるので、猫ちゃんのニオイや抜け毛、鳴き声対策が必要です。ケージやキャリーバッグにタオルをかけて猫ちゃんが安心できる空間を作りましょう。
「別室避難」の場合、屋外や別室にペット専用のスペースを設けられ、そこにケージを置くように指示されます。飼い主さんがペット専用スペースに行ってお世話をします。
避難所にはたくさんの人がいて、猫好きの人も猫嫌いの人もアレルギーの人もいます。周囲の人への配慮を忘れずに、マナーを守って過ごすようにしましょう。
猫を連れて避難するときに必要なグッズ
災害が発生したときは、救助の手が届くまで3日間は自力で生き延びなければなりません。まずは人間の救援物資が優先されるので、猫ちゃんのフード類は1週間分×頭数分は用意しておいたほうがいいでしょう。
そのほか猫砂などのグッズをまとめ、リュックなどの非常持ち出し袋にいれて玄関近くに置いておきます。
避難時に運び出せるのは女性は10kgくらい、男性は15㎏くらいといわれています。必要最低限のグッズを厳選し、実際に持てるかどうか確認しておきましょう。
参考画像:2022年4月13日付け「読売新聞(朝刊)」防災ニッポン
猫連れ避難に必須の持ち物
まず絶対に持っていきたいのはフードと水です。フードや水には消費期限があるので、「ローリングストック方式」で常に消費期限内のものが常備されているようにしておきましょう。
●ドライフード
少量パックのものがあると便利です。1食分ごとにビニール袋に入れて保存してもOK。
●療法食・薬
療法食は手に入らないことが多いので、多めにストックしておいたほうがよいです。
●水
水は必ず軟水を。500mlのペットボトルを3本くらい用意しておきます。
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●食器類
折りたたみ式の食器が便利。紙皿にラップを巻いたもので代用しても。
●キャリーバッグ
キャリーバッグを普段から猫ちゃんの居場所にしておきます。非常時に猫ちゃんを確保できるように、洗濯ネットも近くに準備しておきましょう。
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●トイレ容器・ペットシーツ
簡易的なポータブルトイレがあると便利です。
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●猫砂
できるだけ軽い素材ものを。使用済みの猫砂を少し混ぜておくと猫ちゃんが安心します。
●ハーネス・リード
避難所での生活は猫ちゃんもストレスを感じやすいです。脱走のリスクもあるため、食事やトイレ、運動をさせるときはハーネスとリードを使いましょう。避難所には猫ちゃんが苦手な人もいるので、周囲の人への配慮も忘れずに。
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●猫の健康手帳
愛猫ちゃんの写真、マイクロチップのID、お世話マニュアル、ワクチン接種歴、持病、既往歴、性格、かかりつけの動物病院、緊急連絡先などをまとめておきます。
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できれば持っていきたい物
必要最低限の避難グッズに加え、できれば持っていきたい持ち物です。
●ケージ・簡易ケージ
避難所にケージの用意はありません。自由にトイレや運動ができるように、ケージもできれば持っていきたいグッズです。折りたたみ式の簡易ケージを用意しておきましょう。
●ウェットフード
1食分のレトルトパウチが便利。水分補給も同時にできるのであると安心。
●おやつ
食いつきが不安なときに。ペースト状のおやつなら水分補給にもなります。
●タオル
毛布や目隠し代わりに。猫ちゃんのニオイ付きのものを。
●ブラシ
抜け毛対策、スキンシップのために用意しておきましょう。
●おもちゃ
ストレス解消のために。お気に入りのおもちゃがあるといいですね。
●新聞紙
保温や掃除などに使えます。猫砂の代用品にも。
●段ボール
トイレやベッド、ケージの代用品に。
●その他、あると便利なもの
ウェットティッシュ、ラップ、ガムテープ、ビニール袋、消臭スプレー、カッター、粘着クリーナーなどもあると便利です。
いますぐにできる防災対策
避難グッズ以外にも、普段から注意しておきたいことがあります。いざというときに慌てないために、しっかりと確認しておきましょう。
●不妊去勢手術
避難所には他の猫ちゃんもたくさんいます。オス猫のスプレー行為やケンカ、発情期の鳴き声などはトラブルのもとになります。望まない妊娠や病気を防ぐこともできるので、生後6か月を迎えたら不妊去勢手術を検討しましょう。
●マイクロチップ装着
被災時にパニックになって脱走したり、避難所へのから脱走したり、愛猫が行方不明になってしまうことは避けたいですね。マイクロチップをつけていれば、保護されたときに連絡がもらえます。マイクロチップは必ず装着しておきましょう。
●首輪に慣らす
災害時の混乱で愛猫が迷子になってしまうかもしれません。普段から猫首輪に慣らしておき、迷子札や迷子シールをつけておくようにしましょう。
●ハーネスとリードに慣らす
避難所は広いので、猫ちゃんの脱走リスクが高まります。お世話時に脱走してしまわないように、ハーネスとリードをつけておくと安心です。ハーネスとリードを嫌がる子も多いので、普段から慣らすようにし、ごはんやトイレ、運動ができるようにしておきましょう。
●寄生虫予防・ワクチン接種
避難所にはほかの猫ちゃんもいるので、感染症の危険があります。また、寄生虫予防やワクチン接種をしていないと、避難所に入れなかったり、預かりボランティアの利用ができなかったりするので、忘れずに対策しておきましょう。
●健康診断
特に持病がなくても、年に1回は健康チェックを受けておくようにしましょう。災害時に猫ちゃんが体調を崩したとき、普段の健康データがわかると診断の役に立ちます。持病のある子は、かかりつけ医に緊急時の連絡先を聞いておくようにしましょう。
まとめ
猫ちゃんを連れての避難は、人間だけの避難よりも持ち物が多くなりますし、避難所へ行くのにも時間がかかります。
猫連れの避難は「災害弱者」ということを忘れずに、はやめの行動で命を守りましょう。
避難の際には、猫ちゃんの頭数分だけキャリーバッグやケージ、フードや水、猫砂などの避難グッズが必要になります。持ち出せるグッズの量には限界があるため、必要最低限のものをリュックなどにまとめておくようにしてくださいね。
日頃から首輪やハーネス、リードに慣らしておくことも防災対策です。避難生活に必要なことを、普段の生活のなかに少しづつ取り入れるようにしておくと、いざというときに慌てなくてすみます。
猫連れ避難をした飼い主さんの体験談はブログなどで読むことができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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