猫ちゃんはわんちゃんのように散歩はしません。
でも、猫ちゃんの飼い主さんにとって「猫用ハーネス」はマストアイテムになりつつあります。
例えば災害で避難するとき、動物病院やトリミングサロンへ行くときなど、猫用ハーネスがとても役に立つんです。
でも、付け方が正しくないと、猫ちゃんを締めつけてしまったり、脱走してしまう危険があります。今回はいろんな猫用ハーネスの特徴と使い方、抜けない付け方について詳しく解説します。
猫用ハーネスはどんなときに必要?
猫用ハーネスのニーズが高まっていますが、どんな用途で使われているのでしょうか? 猫の飼い主さん1,800人に「猫用ハーネスを購入した目的」を聞いてみました。
※猫ちゃんの飼い主さん1800名を対象にしたインターネット調査(2020年1月に実施)
いちばん多かった回答は「災害・非常時の防災グッズ」で、半数以上の飼い主さんが防災グッズとして猫用ハーネスを購入していることがわかります。
「散歩用」に次いで多かったのが、「動物病院やトリミングサロンに行くときのため」という結果になりました。
「散歩のためじゃない」というのはちょっと意外でしょうか?
災害のときに猫用ハーネスが役に立つ
水害や地震などの災害が相次ぎ、「ペットの防災」への関心が高まっています。
万が一のとき、猫ちゃんといっしょに同伴避難できる避難所はまだまだ少ないです。猫ちゃんも食事やトイレ、運動は必要なので、ずっとキャリーバッグに入っててもらうわけにもいきません。
そんなとき、ハーネスとリードがあれば、脱走の不安なくお世話をすることができます。普段からハーネスを付けての食事やトイレに慣れさせておくことも防災になります。
動物病院へ行くときも猫用ハーネスが便利
動物病院やトリミングなど、猫ちゃんを連れて外出しなきゃいけないときってありますよね。キャリーバッグにしっかり入ってもらったのに、ふとした瞬間に猫ちゃんが飛び出してしまう事故も考えられます。
キャリーバッグだけでは不安……というとき、備えとしてハーネスとリードを付けておくと安心です。
猫用ハーネスの種類
猫用ハーネスは大きく分けて、「紐型」と「ベスト型」の2タイプがあります。
ハーネスは首輪よりも首や呼吸器への負担が少なく、頭の小さな猫ちゃんでも抜けにくいのがメリットです。猫ちゃんの脱走対策には「ハーネス」がおすすめです。
手軽に使える紐型の猫用ハーネス
「紐型」はハーネスの部分が紐でできているので、からだに触れる面積が小さく、動きやすいのがメリットです。コンパクトなので、持ち運びも便利です。
ただ、紐がからだに食い込むような感覚があるので、猫ちゃんによっては嫌がってしまうこともあります。付け方が複雑なタイプもあるため、猫用ハーネスが初めての猫ちゃん、飼い主さんには難易度が高いというデメリットがあります。
猫ちゃんをしっかりホールドするベスト型
「ベスト型」の猫用ハーネスは、紐型の猫用ハーネスよりも締め付け感が少なく、猫ちゃんの体をしっかりとホールドできることが最大のメリットです。
一方で紐型の猫用ハーネスよりも体に触れる面積が大きいので、猫ちゃんが慣れるまでに時間がかかってしまうというデメリットも……。
でも、猫ちゃんへの負担の少なさ、抜けにくさを考えると、ベスト型の猫用ハーネスをおすすめしたいです。
猫のハーネスの上手な付け方
複雑な仕組みのハーネスでなければ、付け方はそんなに難しくありません。前足を通して、マジックテープやバックルなどをとめるだけでOKです。
でも、正しく付けていないと、猫ちゃんの身体がすぽっと抜けてしまうことがあります。あっという間に脱走してしまう危険もあるので、上手な付け方を覚えておきましょう。
抜けないコツは2つ。猫ちゃんのサイズを測ってジャストサイズのハーネスを使うことと、人間の指1~2本ぶんくらいのゆとりを持たせて付けることです。無理のないように、正しい付け方の練習をしてみましょう。
◆紐型ハーネスの付け方
紐型の猫用ハーネスは、おもにH型と8の字型があります。H型は首と胴をダブルロックする仕組みで、8の字型は胴部分でロックする仕組みになっています。前後を間違えないように注意しましょう。
- アジャスターをゆるめておきます
- バックルを外します
- 手前の輪を首に通してバックルを留めます(8の字型は胴で固定)
- 後ろの輪を前足の付け根に通してバックルを留めます
- サイズを調整してフィットさせます(人間の指が1~2本入るくらい)
- リングにリードをつけます
◆ベスト型ハーネスの付け方
ベスト型ハーネスはシンプルな仕組みで、サイズの微調整もしやすいです。付け方も楽々です。
- 前足をハーネスに通します
- 背中のバックルやマジックテープを留めます
- サイズを調整してフィットさせます(人間の指が1~2本入るくらい)
- リングにリードをつけます
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まとめ
猫ちゃんのハーネスは、散歩用というよりは、災害時や動物病院などへの外出時の脱走対策として購入する飼い主さんが増えています。
私がおすすめしたいのは「ベスト型」のハーネス。猫ちゃんは液体のようにハーネスを抜け出してしまうことがあるので、よりホールド感のあるベスト型のほうが安心です。皮膚や被毛への擦れも少ないので、猫ちゃんにとっても負担が少ないはずです。
慣れるまでにはちょっと時間がかかってしまうかもしれませんが、ぜひ日常的に使ってみてください。
できれば、ハーネスを付けたまま食事やトイレができるまで慣れてほしいなと思っています。そうすれば災害時に避難所生活になったとしても、ストレスなく過ごせるはずです。
猫用ハーネスの抜けない付け方を実践しつつ、猫ちゃんといっしょの生活を楽しんでくださいね。
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