春が近づくと「花粉症」に悩まされるという方も多いのではないでしょうか。
くしゃみを連発したり、ダラダラ鼻水が出たり。目もかゆければ、皮膚もかゆいといった症状はなんとも憂鬱ですね。
実は、花粉症になるのは人間だけではありません。猫ちゃんも花粉症になることがあるんです。
猫ちゃんにとっても花粉症はツライもの。そこで今回は猫ちゃんが花粉症になる原因や症状、治療法について詳しく解説します。猫ちゃんの花粉症の予防法や対策法についても正しく知っておきましょう。
猫も花粉症になるの?
近年、猫ちゃんも花粉症のような症状が出ることがわかってきました。
そもそも花粉症とは?
花粉症とは、鼻や目から入ってきた花粉に対する免疫反応として、くしゃみや鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状が出ることをいいます。
花粉が鼻や目の粘膜にくっつくと体内に抗体が作られ、防御機能を持つマスト細胞にくっつきます。そこに再び花粉が侵入することで、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出されるというのが人間の花粉症のメカニズムです。
猫の花粉症の原因
猫ちゃんの場合の花粉症は、生まれつき何らかの植物に対してアレルギーを持っていることが原因と考えられています。アレルゲンである花粉に触れると、免疫反応として花粉症のようなアレルギー症状が出るというものです。
例えば、花粉の季節になると皮膚炎などのアレルギー症状が悪化するという場合、花粉に対して異常な免疫反応が出ていると考えられます。
猫が花粉症になる時期
猫ちゃんのアレルゲンになる花粉については、まだあまりよくわかっていません。
スギやヒノキの花粉が飛散する2月~5月に加え、ブタクサの花粉が飛散する8月~11月にもアレルギー症状が出る猫ちゃんもいるようです。
猫の花粉症の症状
猫ちゃんの花粉症も人間と似たような症状が出ます。猫ちゃんが花粉症かもしれないと思ったら、まずは動物病院を受診するようにしましょう。
くしゃみを連発している
花粉症でなくても、埃などを吸い込んだときは猫ちゃんもくしゃみをします。
しかし、急にくしゃみを連発するようになった、窓を開けたらくしゃみをしている、飼い主さんが外出から戻ったらくしゃみをしている、というときは花粉症によるアレルギー症状かもしれません。
鼻水が出ている
鼻に花粉などの異物が入ると、鼻の粘膜が炎症を起こして透明でサラサラした鼻水が出ます。猫ちゃんは主に鼻呼吸をしているので、息苦しくならないように、やわらかい布やティッシュでやさしく拭きとってあげましょう。
目をかゆがっている・目やにや涙が出ている
人間の花粉症と同じく、目にアレルギー症状が出ることがあります。目のあたりをしきりに掻いていたり、目がしょぼしょぼして涙が出ている、目やにが増えるといった様子が見られたら要注意です。
皮膚炎を起こしている
花粉がアレルゲンとなって、痒みや発疹をともなうアレルギー性皮膚炎を起こしてしまいます。体だけでなく、耳に症状が出て外耳炎を起こすこともあるようです。
猫の花粉症の治療法・薬は?
猫ちゃんの花粉症の症状で多いのは「皮膚炎」といわれています。
花粉によるアレルギー症状と診断された場合、アレルギー症状を緩和させるためにステロイド剤や抗ヒスタミン剤などで治療を行います。
かゆくて患部を舐めすぎたり、掻きすぎたりすると悪化することもあります。ときには毛をむしってハゲることも……。そんなときは投薬治療に加えて、エリザベスカラーや皮膚保護服を使用することもあります。
また、鼻水やくしゃみは「猫風邪」が原因ということも考えられます。
黄色や緑のドロドロした鼻水が見られる、発熱がある、食欲がなくなるといった症状がないか、猫ちゃんの体調をよく観察するようにしましょう。
猫の花粉症を予防する方法
猫ちゃんのための花粉症対策で大切なことは「室内への花粉の侵入を防ぐ」「室内での花粉の飛散を防ぐ」の2つ。人間の花粉症対策と同じです。
花粉症は猫ちゃんにとってもツライもの。猫ちゃんのためにも、花粉症の対策や予防法について知っておきましょう。
室内への花粉の侵入を防ぐ
まずは、猫ちゃんを外出させないこと。散歩の習慣がある猫ちゃんも、花粉の季節は避けたほうがよいでしょう。
それから、飼い主さんが外から花粉を持ち込まないようにします。家に入るときは、衣類に付着した花粉をクリーナーや粘着テープを使って取り除きます。
外に干した洗濯物にも花粉がくっついているので、よく払ってから取り込みます。花粉が付きにくくなる、花粉対策用の洗濯石鹸を使うのもおすすめです。
室内での花粉の飛散を防ぐ
室内はこまめに掃除をし、できれば空気清浄機を使用するようにします。
いきなり掃除機をかけると花粉が舞い上がってしまうので、ウェットシートや雑巾などで水ぶきしてから掃除機をかけます。花粉が床にたまる「早朝」のお掃除がおすすめです。猫ちゃんのベッドやブランケットもこまめに洗濯をしましょう。
また、猫ちゃん自身に花粉がくっついている場合もあります。特に長毛猫ちゃんは花粉がくっつきやすそうですよね。丁寧にブラッシングをして、猫ちゃん用のボディシートで拭いてあげるようにしてください。
まとめ
花粉の季節に急にくしゃみを連発するようになった、皮膚をかゆがるようになったという場合は「猫の花粉症」かもしれません。
人間と同じように、猫ちゃんも花粉症になることがあります。くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、皮膚炎などのアレルギー症状に気づいたら、まずは動物病院で相談するようにしましょう。
人間の花粉症対策と同じく、家に花粉を持ち込まないことと室内で花粉を飛散させないことで充分に花粉症対策ができます。
猫ちゃんが年中快適に過ごせるように、季節や猫ちゃんの体質にあわせてお世話の仕方も工夫してみてくださいね。
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