猫の多頭飼い、災害時どうしてる?

猫の多頭飼い、災害時どうしてる?

昨今のSNSはすごい。

何がすごいって、AIがすごい。私に最適だと選んでくれた動画や画像を、欲しいだろ?見たいだろ?と言わんばかりにじゃんじゃかと毎日送りつけてくる。

実際、AIの分析能力が的確すぎて、私はAIのおすすめに釘付けになり、スマホを持ったまま動けなくなるのだけど・・。

ねこじゃらしで遊ぶ愛猫

皆様のお察しの通り、私の動きを阻むのは世界中の猫の画像や動画である。それも世界中の夥しい数の。

無防備にお腹丸出しで寝る猫ちゃん、元気に走り出したと思ったらずっこける猫ちゃん、蛇口から出る水が飲みたいだけなのにびしゃびしゃに濡れてしまう猫ちゃん。

見ていると口元はゆるゆるに緩み切って、永遠に幸せが続くような気持ちに包まれる。

平和ボケってこういうことなんでしょうね。

平和ボケのままでいたいけど

平和ボケのままでいたいけど

毎日そんな平和な気持ちにつつまれていたいけど、猫ちゃんと一緒に暮らしているのならばしっかり考えなきゃいけないのは災害時のこと。

私が防災意識を持ったきっかけはある日の地震だった。

まだ愛猫が黒猫だけだった頃、家でひとりでテレビを見ていたら、急にスマホからあの気味の悪い音が家中に鳴り響いた。

その直後、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」とアナウンスが聞こえて…。その瞬間、頭が真っ白になったのを覚えている。

うなだれる愛猫

その後は、我が子に聞いた防災訓練の話を捻り出すように思い出し、玄関に走ってサンダルを取り、リビングに戻ってソファで昼寝中の猫を強引に胸に抱え、滑り込むようにダイニングテーブルの下へ潜り込んだ。

やった!私はよくやった!達成感いっぱいの中猫を抱きしめ、テレビに目をやると、隣県で震度4だとか隣町で震度3だとかいう表示が画面にズラズラと並んでいるのが見えた。

私がパニックになりながらも奮闘した数十秒の間に、とっくに揺れは始まりすでに終わっていたのである。

長く生きてきてこんなに機敏だったことがあったか?というレベルで動いたのに。

以下は私の経験を踏まえての反省とこれからの課題である。

とにかく初動がいちばん大事

まず、緊急速報音に慣れていなかったのが大きな失敗点。

スマホから鳴り響く緊急速報音に、あれれ?この音なんだったっけ?と記憶を辿る時間を要し、数秒立ち尽くしてしまったのがとてももったいなかった。

とにかく初動がいちばん大事

1秒でも早くスタートダッシュを切りたい理由は、猫を確保する時間がとにかく読めないからだ。

地震があったあの日は、猫がソファで寝ていたからすぐに抱き抱えることができたが、いつも捕まえやすいところにいるわけではない。

冷蔵庫の上にいるかもしれないし、キャットタワーの最上階にいるかもしれないし・・。

ていうか、それが2匹だし。

え、2匹・・。

一気に自信がなくなって考えるのを先延ばしにしたくなる多頭飼いの防災。

とにかく出来るだけ初動を早く、猫に時間を確保する必要がある。

緊急地震速報の音源を検索している様子

絶妙に気味が悪いあの不協和音は、普段から聞いておくのは抵抗があるが、確認して知っておくのはとても大事。検索すればいくらでも音源が出てくるので一度は聞いておいてほしい。すぐに改善できる大きなポイントだ。

キャリーをすぐに手に取れる場所へ

あの日、ダイニングテーブルの下で猫を胸に抱き、大きな揺れに構えながらも考えていたことを思い出してみる。

大きな揺れで家が傾いて、外に逃げたり家以外で過ごすことになったら、一体猫はどうなるの?そんなことを漠然と不安視していた。

その話を家族にしてみると、確かにそれは重要だよね。と言って、ペット用ケージの収納場所を真剣に一緒に考えてくれた。

キャリーをすぐに手に取れる場所へ

現在我が家には猫が2匹いるので、2匹一緒に入れる大きなケージと手に持つタイプのポータブルケージ、リュック型のキャリーの3種類を家に保有している。

置き場所は玄関とリビングのすぐに取り出せる棚2箇所で家族全員が把握している。

手に持つタイプのポータブルケージ、リュック型のキャリー

他にも想定できるシミュレーションでどう動くかを話し合うことは当たり前の習慣になっている。

今も日本のそこら中で大きな地震が起こっているが、ニュースを見るたび話題にすることで、安心の積み立てにしている。

シミュレーションだけでは足りない

しかし、何度口頭でシミュレーションを重ねても、思ったようにいかないのが現実だと思っている。

以前、防災グッズを紹介するブログを書いたところ、実際に被災された方から「阪口さんの想定通り、グッズが役に立てばいいですね。でも、ちょうどいい災害なんてないですよ。」とコメントをいただいたことがある。

「ちょうどいい災害なんてない。」が、突き刺さった。

いや、今も突き刺さったままだ。

大規模な洪水被害に遭われたその方のご家族は、災害時のために用意していた防災グッズを持ち出そうとして大怪我をされたのだとか。

避難用のキャリーバッグに入る愛猫

だからこそ、繰り返しの話し合いが必要で、なんなら実際に動けるかどうかの模擬訓練も必要だと思っている。

地震速報の警報が鳴るのは、揺れる数秒〜数十秒前。どれだけ早く反応し、無駄なく適切に動けるかにかかっているので、防災訓練はやっておく価値しかない。

日頃から猫にダル絡みをせず、いざという時にすぐ抱っこさせてもらえる関係性を作っておくのも大事。

我が家は時々ケージを出して、中におやつを放り込む。白猫も黒猫も「ケージに入るといいことがある。」という認識で、抵抗がなくなるようにも訓練している。

せっかく縁があって家族になってくれた猫ちゃんたちだから、できる準備は怠らずやっておきたい。

もしかしたら、日々幸せボケができるのは、こういった意識と予防が成されているからかもしれない。


コメント:1


  • aiai

    災害や事故などはつい「自分には起こらない」みたいな感じに何故か思ってしまいがちですが、いつ起こるかわからないですものね。実家で飼っているのはワンコですが、ゲージに入るのは病院に行く時と意識があるのかすごく嫌がるので小さなうちから入ることに抵抗なくなるようにしてあげたらよかったと思います。
    日頃から家族で話し合う、実際シミュレーションして動いてみる、なによりすぐに抱っこできる信頼関係大事ですね。
    今回も大事な家族(ネコちゃん)を守るため、日頃から意識したい大事なこと再認識させていただきありがとうございます⭐︎


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