コロナ禍を機に在宅ワークが増えたことで、勃発しやすくなったのが愛猫との仁義なき戦い。仕事に励みたい飼い主と、なんとしても構ってほしい猫さんとの間で壮絶なバトルが繰り広げられるようになりました。
フリーライターの私も日夜、そんな闘いに明け暮れるひとり。今回は我が家のおキャット様の妨害っぷりと、見出した解決法を紹介します。
仕事を邪魔したい愛猫たちに悩まされて
フリーライターの私は、コロナ禍になる前から在宅ワーク。アパートに住んでいた頃はキーボードに乗った愛猫によって、何度か原稿が改ざんされました。
このままでは、仕事が進まない。でも、仕事中に構ってアピールをしてくれる愛猫を無視し続けるのも、しんどい…。そう思ったため、注文住宅を建てる際、ある工夫を。仕事部屋の隣に猫がくつろげる「猫部屋」を設けたのです。
部屋の間にはガラスを入れ、仕事をしている私の姿が猫に見えるよう、配慮。こうした工夫をしたのは、我が家のコタロウ(キジトラ/男の子)が分離安気味で、私の姿が見えないと泣き叫んでしまうバブちゃんだから。
…というのはもっともらしい言い訳でもあり、実際は私が四六時中、愛猫の瞳に収まっていたい猫バカだからです。この工夫は在宅ワークの悩みを解決してくれ、私は平穏な執筆時間を送れるようになりました。
ところが家を建ててから3年、私生活に変化が。ここでは語り切れない諸事情により、10年もの月日を共にした夫と離婚をしたのです。2人で建てた新居には、私が住み続けることに。その後、3~4年ほどのひとり暮らし期間を経て、新しいパートナーと我が家で同棲をすることになりました。
住む人が変わると、部屋の使い方も変わるもの。新しいパートナーは、自室が欲しい派。けれど、我が家にある個室は私の仕事部屋のみ。そこで、私はこだわり満載の仕事部屋を彼へ譲り渡すことにし、1階のリビングで仕事をするようになりました。
さて、そうして訪れたのが、みなさんの予想通り、おキャット様たちからガッツリ仕事の邪魔をされる日々。
家を建てる時、パソコン台の近くにキャットウォークを取り付けておけば、猫たちはそっちでくつろぐだろう…と思っていた自分に「猫心、分かってねえよ!」と喝を入れたくなるほどの妨害を受けることになりました。
特に妨害に勤しみ始めたのが、サビ猫のジジ(マンチカン/女の子)。普段ツンデレなのに、なぜか仕事中だけ構ってモードが発動。
たくさん構える夜は「あら、あなたは暇なのね。私は忙しいのよ」という顔をしてカーペットでゴロゴロしているのに…。
ジジは私が何をしていようがお構いなく、パソコンデスクの上に小走りでやってきて、キーボード前へ。わざと足を伸ばすなどして、キーボードの前に居座る時間を長くし、どうにか抱っこされようと目論むようになりました。
あまりにもかわいいおねだりに、私はいつも完敗。ねだられるままにハグし、仕事が中断してしまっていました。
SNSで見かけた「解決法」を実践してみたことも…
このままではダメだ。ずっとハグしていたくなっちゃう…。そう感じ、猫の魔力で執筆時間が削られてしまう現状に危機感を抱いた私は、SNSで見かけた「妨害対策」に挑戦。
中でも、有効そうに思えたのが、パソコン横に箱やカゴを置くという解決法。猫は狭い場所を好み、「箱があったら入りたい」を地でいく生き物。これなら、スヤスヤ眠る愛猫を見ながら、ゆったりと仕事ができそうだ。私の勝ち確じゃないかと思いました。
しかし、自信満々に試してみるも、結果は空っぽのカゴを見つめる私と猫が爆誕しただけ。猫ホイホイになってくれないカゴは、やがて「あると邪魔なモノ」になり、洗面所で活躍するタオル入れになりました。
もしかしたら、カゴが小さいからダメなのかも。失敗を失敗と認めたくない私はカゴに罪を擦り付け、今度はリビングで使っていた猫用ベッドをパソコン横に設置。
突如、パソコン横に移動した猫ベッドに愛猫たちは興味津々。しかし、結局この作戦も失敗に終わりました。
せっかく思いついたひらめきを取り下げるのが、なんだか惜しかったので、しばらくの間、この猫ベッドにはスナドリネコのぬいぐるみを投入。“猫が入ってくれている感“を満喫していました。
落ち着いたのは猫ファーストな解決法
一体、どうすれば愛猫の妨害から自分の身と原稿を守ることができるのだろう。失敗を経験した私はより深く考えるようになり、妨害しにくる愛猫の様子をじっくり観察。
すると、ひとつの疑問が頭によぎりました。あれ?もしかして、構ってほしいんじゃなくて、お腹が空いてる時に呼びに来てるんじゃない…?
そこで、試しにパソコン前に来た時、少量のおやつを献上。すると、さっきまで私に向けられていた「好きだよ(幻聴)」の声が途端に止み、みんなおやつに猫まっしぐら。食べ終わった後もパソコン前に来ず、各々の好きな場所でリラックスし始めました。
なるほど。求めていたのは私じゃなく、おやつだったのか。そう気づいたからか、この日は問題の解決法が初めて見えたのに、心はスッキリしませんでした。
かわいい肉球で原稿が改ざんされる日々の幸せを痛感
やっぱり、おキャット様の中では「ご飯>下僕」なのだ。構ってアピールのように見えていたのは、ご飯への愛情だったんだ。そう落ち込む私の気持ちを察したのか、その後、おキャット様は食後にも仕事を妨害しに来てくれるように。
猫に愛されているおやつに嫉妬し、当初の計画とは反対に、どこかで愛猫たちの妨害を求めるようになった私の心を見透かすかのように、ジジだけでなく、コタロウやレオンもパソコン周りでわちゃわちゃしてくれるようになったのです。
嬉しい反面、そうなると初めの状況に逆戻り。かわいい肉球での原稿改ざんに、またしても悩まされるようになりました。
そこで、私はパソコンの左横に空けていたスペースをやや広くし、猫が寝転べるようにプチ工夫。すると、私の考えが通じたかのように愛猫たちは、その場所でまったりしてくれるように。
時には、ご飯の催促を込めた“猫圧”もかけてくれます。
妨害されると困ることもあるけれど、興味を持たれない日々は悲しくて辛い。在宅ワークへの妨害対策を考えた結果、一周回って、そう思うようになった私は愛猫の妨害を自分への「求愛行動」として受け止めようと決心。
そんなに私が好きなのか。もしかしたら、原稿に愛をしたためてくれてるのかも?こんなに愛されちゃって罪な下僕…。こんな精神で、今日もパソコン横で構ってアピールに励む愛猫を「ハグの刑」に処すのです。
構ってほしい気持ちをなんとか我慢してもらおうと奮闘するより、数回の抱っこやハグで愛情を伝えて満足してもらう。そんな妨害対策も案外、効果的なのかもしれません。
もっとわかりあおうにゃ。
この記事のご感想をお寄せください!(コメントを書く)