部屋中に血で描いた「肉球の跡」が…「形質細胞性足底炎」になった愛猫の闘病記録

部屋中に血で描いた「肉球の跡」が…「形質細胞性足底炎」になった愛猫の闘病記録

猫の肉球は、永遠に触っていられるほど愛しいパーツ。しかし、あまりじっくり見せてくれない子も多いから、異変に気づけないことも…。

我が家では数年前、愛猫レオンの肉球が突然腫れ始め、謎のできものができて出血。実はこれ、「形質細胞性足底炎」という病気でした。

ある日突然、肉球が腫れた

今から3年半前くらいの冬、いつものように懇願して“肉球プニプニ”を堪能していた私は、レオンの肉球を見て、びっくり。手足の肉球が少しひび割れてる…。

もしかしたら、冬だから乾燥してるのかな。きっと、私と同じでレオンも乾燥肌タイプなのかも。人も肌質はそれぞれ違うから、猫だって肉球質(?)にも個性があるのかもしれんと思い、猫用の保湿クリームを買い、手足にぬりぬり。

ある日突然、肉球が腫れた

事の深刻さにまだ気づいていなかったので、なんなら「これで肉球をたっぷりプニプニする正当な理由ができた!」と能天気でした。

しかし、どれだけ保湿クリームを塗っても肉球の状態は変わらず。やがて、「少し腫れてきたかも…?」と感じるように。

しかし、どれだけ保湿クリームを塗っても肉球の状態は変わらず。やがて、「少し腫れてきたかも…?」と感じるように。

病院に行ったほうがいいのかな。さすがに不安になり、ネットで似たような症例を検索。辿り着いたのは、「形質細胞性皮膚炎」という病名でした。

この病気は、猫では発症することが稀なのだそう。色々な情報を検索すると、どのサイトにも「腫れた肉球はしぼむこともあるので、まずは様子見しましょう」的な助言が。

この病気は、猫では発症することが稀なのだそう。色々な情報を検索すると、どのサイトにも「腫れた肉球はしぼむこともあるので、まずは様子見しましょう」的な助言が。

本ニャンは痛がる様子もなく、普通に歩行。食欲も元気もあったので、病院に連れて行くことでストレスがかかって病状が悪化するのは避けたくて、ひとまず様子見することに。「もしかしたら自然治癒するかもしれん」と、毎日“肉球チェック”をしていました。

痛がる素振りはないものの肉球から出血!

ところが、肉球の状態はよくならず、赤紫色に。イボのようなできものも出現し、ある日突然、出血。朝起きたら、部屋中に血で描いた肉球がついていて、パニックになりました。

「形質細胞性足底炎」はパンパンに膨らんだ肉球が破裂して出血することもありますが、レオンの場合は肉球にできたイボから出血していたようです。

痛がる素振りはないものの肉球から出血!

これはさすがに、様子見してる場合じゃないと思い、かかりつけ医へ駆け込むと、ひとまず3週間おきにステロイド注射を行って様子を見ることになりました。

この様子見期間が、かなり大変で…。肉球からの出血は止まっていない状態なので、レオンが歩くたびに部屋中に血の足跡が…。怖かわいいホラー映画みたいでした。

獣医師からは部屋が汚れないように、足にガーゼをつけたり猫用の靴下を履かせたりしてするのもアリだと言われましたが、普段と違ったわずらわしさをおキャット様が簡単に受け入れてくれるはずもなく…。

獣医師からは部屋が汚れないように、足にガーゼをつけたり猫用の靴下を履かせたりしてするのもアリだと言われましたが、普段と違ったわずらわしさをおキャット様が簡単に受け入れてくれるはずもなく…。

何度試してみても、「こんなもんつけるんじゃねえ!」とブチギレされたので、これが逆にストレスになったらあかんなと思い、たっぷり部屋を汚してくれよ精神に切り替え。

「私が掃除すればええだけの話やな」と考え方を変え、ノンアルコールのウェットティッシュで部屋中をこまめに掃除していました。

ステロイド注射を打ち、フードの見直しも

この時期にはXで似たような状況の飼い主さんに話を聞き、自宅でできるケアも考えていました。その中でも効果があったかもなと感じたのは、フードの変更です。

 

 

「形質細胞性足底炎」は発症原因が詳しく解明されてはいませんが、似た状況の飼い主さんから、アレルギー体質の子が発症しやすいという説があったり、季節の変わり目や冬に症状が出やすかったりすることがあるのだと教えてもらいました。

そして、フードをアレルギー用に変えたら症状が緩和したり、悪化しにくくなったりという意見も多かったので、獣医師さんに相談。「やってみる価値はあると思う」と言われたので、ナチュラルバランスの「グリーンピース&ダック」をあげることにしました。

そして、フードをアレルギー用に変えたら症状が緩和したり、悪化しにくくなったりという意見も多かったので、獣医師さんに相談。「やってみる価値はあると思う」と言われたので、ナチュラルバランスの「グリーンピー&ダック」をあげることにしました。

1ヶ月後、レオンの肉球にできたできものは小さくなり、手足の肉球自体も腫れがやや収まって、しぼんだような状態に。獣医師からは「治るまでには、あと2ヶ月くらいかかる。ただ、治りが悪い時はできものを切除するので覚悟を…」と言われました。

出血があったできものを切除

3週間後、ステロイド注射を打つため、再びかかりつけ医に行くと、予想していたよりも治りが悪いと言われ、できものを切除することを提案されました。

手術前、「肉球は縫うのが難しく、縫合が上手くできない場合もある」と言われたので、正直、葛藤がありました。でも、もし自分がレオンの立場だったら、多少なりとも感じるているであろう不快感を早く取り除いてほしいだろうなと思い、手術を承諾。

手術前、「肉球は縫うのが難しく、縫合が上手くできない場合もある」と言われたので、正直、葛藤がありました。でも、もし自分がレオンの立場だったら、多少なりとも感じるているであろう不快感を早く取り除いてほしいだろうなと思い、手術を承諾。

たとえ、歩けなくなってもこの子はずっと私が守っていく。その時はその時で、QOLを上げる方法を、また考えていこうと思いました。

手術は日帰りで行い、病理検査も行うことに。幸い無事成功しましたが、肉球はくっつきにくいため、3週間は傷口を舐めないよう、エリザベスカラーを絶対に装着との指示が。

ブラスチック製のエリザベスカラーはストレスが溜まって可哀想なので、色々な布製のエリザベスカラーを装着。お見舞いに来た家族から、「ひまわりちゃん」と呼ばれていました。

ブラスチック製のエリザベスカラーはストレスが溜まって可哀想なので、色々な布製のエリザベスカラーを装着。お見舞いに来た家族から、「ひまわりちゃん」と呼ばれていました。

術後の暮らし方については獣医師から、「ケージではなく、普通に生活してもらって大丈夫」と言われたので、部屋で自由に過ごしてもらうことに。

しかし翌日、レオンはなぜいけると思ったのか、低めの棚にジャンプ。その後、足を少し引きずるようになってしまったので、「骨折したのかも…」と不安になり、またかかりつけ医へ。

しかし翌日、レオンはなぜいけると思ったのか、低めの棚にジャンプ。その後、足を少し引きずるようになってしまったので、「骨折したのかも…」と不安になり、またかかりつけ医へ。

すると、「肉球の中で出血が起き、腫れてきたせいかも」と言われ、1週間ケージ生活をして症状が治まるか様子見することになりました。

エリザベスカラーを着けて1週間のケージ生活

とはいえ、猫用のケージは飛べるように作られているもの…。キャットステップを取り外しても、ジャンプや網目を器用に掴んで登ったりする可能性はあります。

当時はペットサークルを持っていなかったので怪我を防ぐため、ケージを横向きにして使用しました。自由を制限されたことでレオンは、意気消沈。この時期は申し訳ない気持ちと、どうにもできない歯がゆさで、私も精神的にかなりキツかった…。

エリザベスカラーを着けて1週間のケージ生活

「こういう時こそ、飼い主が元気でいてあげよう。心配しちゃうから」というフォロワーさんたちの励ましに、何度助けられたことか…。

そして1週間後、かかりつけ医に行くと、幸いにも肉球内の出血は収まっており、傷の治りも綺麗だと言ってもらえ、ホっと一安心。病理検査の結果、できものは悪性腫瘍ではなかったことに安心しました。

そして1週間後、かかりつけ医に行くと、幸いにも肉球内の出血は収まっており、傷の治りも綺麗だと言ってもらえ、ホっと一安心。病理検査の結果、できものは悪性腫瘍ではなかったことに安心しました。

(骨髄関連にも異変はありませんでした)

しばらくは、月1で注射を打ちに通院。エリザベスカラーを外したのは1ヶ月後でしたが、その際には「1ヶ月分の毛づくろいをするので、あらかじめブラッシングをして毛玉を吐くのを防いでね」と、獣医師からアドバイスされました。

治療を終えて肉球は“しぼんだ風船”のように

こうして、ようやく普通の生活を取り戻した時、気づいたのは私に対するレオンの態度が少し変化したこと。

治療を終えて肉球は“しぼんだ風船”のように

レオンは「俺は媚びねえぜ」系のにゃんこなので、私とわちゃわちゃすることが少なかったのですが、自ら近寄ってきたり、甘えたりする頻度が増えました。

あんなに不自由な生活を強いてしまったのに…。きっとレオンは賢い子だから、「あれも俺のためだったんだろ?ありがとうな」と理解してくれているのかも…と思い、思わず泣いちゃいました。

ちなみに、レオンは手術した肉球以外にも腫れが見られていた(治療後はしぼんだけれど)ので、しばらくはアレルギー専用フードをあげ続けていました。


でも、徐々に「このフード、もう食べたくねえわ」みたいにストライキするようになったので、徐々に通常のフードに切り替え。切り替える時は冬や、肉球がカサついていた11月頃から暖かくなるまでの間だけ、ケージに隔離してアレルギー専用フードをあげ、様子見することも。

普通のフードを食べるようになっても異変や症状の悪化が見られなかったため、数年かけてフードを完全に切り替えました。

現在、レオンの肉球はちゃんと弾力ある形に。

現在、レオンの肉球はちゃんと弾力ある形に。

ただ、手の肉球もやや腫れていたので、しぼんだ風船のような形になっています。これは、治療を一生懸命頑張った勲章だね。

「形質細胞性足底炎」は免疫に関係があると言われているので、健康管理はもちろん、ストレスを感じにくい環境を作っていくことも大切なのかも。

レオンも再発の可能性はあるので、これからもこまめに肉球をチェックして異変を早期発見できるようにしていきたいです。(肉球お触りの合法的な言い訳でもある)


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