誰にも邪魔されずにまったりしたい時って、あるもんですよね。家族にも見せられないグータラな姿で寝そべったり、趣味の世界にとことん浸ったりする時間は控えめに言って最&高。
人間もそうなら、猫だってそうやろな。もともと群れない生き物だし。そう思って、我が家では注文住宅を建てる時、猫だけでくつろげる「猫部屋」を作りました。
今回は、そんな愛情たっぷりな「猫部屋」のリアルな現状をお伝えします。
建築直後は猫部屋の探索を楽しんでくれた
我が家の猫部屋は、リビングに設けた「猫専用の吹き抜け」から行くことができます。人間がウザくなったら、いつでも自由に行ける、玄関に出ずに2階へ行けるなど、工夫はいっぱい。

猫たちもきっと、気に入ってくれるだろうとワクワクしながらプレゼントしました。
猫部屋には、猫トンネルなどのおもちゃも用意。3畳ほどの小スペースですが、高めのキャットタワーを置き、縦の広さに気を配りました。

最初は、2階に猫部屋があることを教えるところからスタート。おもちゃを使ってキャットステップへ誘導したり、猫部屋から「おーい!」と呼んで上に部屋があることを知らせたりと、飼い主は必死。
すると、住み始めて2~3日もしないうちに猫たちは猫部屋があることを理解。毎日、猫部屋へ行ってはキャットタワーに登ったり、猫トンネルで遊んだりと楽しそうな姿を見せてくれました。
当時、私は猫部屋の隣に仕事部屋を設けていたので、執筆中の癒し度がハンパなかった…。仕事中、ふと横に目をやると、キャットタワーでまどろむおキャット様の姿が!

「このかわいい生き物との生活を守るためにも仕事を頑張るんやで!」と、やる気になれました。
「猫部屋」に飽きたおキャット様たち
そんな日々が変化したのは、家を建てて1年ほど経った頃。あれ?なんか最近、猫部屋に来てくれなくね?と思うことが増えたのです。
私が仕事をしていても、猫たちは「まあ、上におるやろ」という感じでリビングで熟睡。悲しいことに、つぶらな瞳を向けて私の仕事を監視してくれなくなりました。

寂しくなって、時折「おーい!上にいるよ!」と呼ぶと、「なんかあったんか!?」と総出で駆けつけてくれるのですが、私が仕事部屋に戻ると、そそくさとリビングへ帰還。
猫たちが猫部屋を使う頻度はどんどん減っていき、家を建てて3年ほどする頃には滅多に使われない、もったいない空間になってしまいました。

その後、諸々の理由で離婚し、新しいパートナーと住むことになったので、仕事部屋として使っていた猫部屋の隣室を彼の自室に変更。「まあ、猫たちも来なくなってるし、いいよね」くらいの感覚でしたが、いざ譲り渡してみると、何とも言えない虚しさが…。
猫部屋へ駆けつけてくれるコタ。 pic.twitter.com/7V81VnuoIN
— ゆあ | ライター🖊 (@yunc24291) June 5, 2017
「仕事をしながら猫を見たい」という思いで部屋の埋め込んだガラス窓はカーテンで覆われ、役に立たないものに。こだわった家づくりは無駄やったんかな…と後悔しました。
猫部屋を「自室」に変えたら愛猫の行動が変化!
リビングで仕事をするようになると、猫たちはますます猫部屋へ行かなくなり、私も「猫部屋?ああ、そういえばそんなもの、うちにはありましたね」くらいの感覚になっていきました。

キャットタワーを買い替える、部屋の模様替えをするなど、色々な工夫をしてみても、猫たちが長時間、猫部屋でくつろぐことはなく、完全に持て余す部屋に…。
唯一、猫部屋へ行ってくれるのは、爪とぎの時くらい。キャットタワーでバリバリと盛大に研ぐ音をリビングで聞いては、「あの部屋は、爪とぎ+上下運動ができる場所でいいや」と思うようになりました。(あきらめの境地)

そんなある日、ふと「猫部屋を自室にしちゃおうかな」と思い立ち、座椅子やミニヒーターなどを導入。もったいない空間をなんとか活かそうと思い、猫用品は撤去せず、ミニ自室を作り上げました。
すると、猫たちの行動に変化が。なんと、私がミニ自室にいると総出でやってきては、そばでくつろぐように。新調したキャットタワーに潜むなど、これまでにないほど長時間、猫部屋にいてくれるようにもなりました。

え…。もしかして、みんながリビングでくつろいでいたのは、私と一緒にいたかったからなのかな。そう嬉しくなった私は、その仮説を確かめるため、猫部屋でまどろんだり、リビングへ行ったりを何日も繰り返し、ひとつの結論に辿り着きました。
うちの猫、そもそも性格的にひとりの時間を楽しみたいタイプじゃなかったんや。だから、ひとりでくつろげる猫部屋だと寂しくて、使わんかったんだ。

その答えに辿り着いた時に痛感したのは、愛猫の性格を踏まえた家づくりをすることの大切さ。結局、猫部屋は今もミニ自室として使っています。
猫たちは私がミニ自室に入る音を察知すると、猛ダッシュでやってきては、そばでまったり。やっと、猫部屋が機能し始めた気がしています。

猫部屋は、猫の性格的には不要なこともある。不要だった場合は猫の性格を考慮して、使い方を考えていく必要がある。何千万円もの建築を通して学んだこの結論が、これから猫との共生住宅を建てる方に届きますように。
この記事のご感想をお寄せください!(コメントを書く)