まさか胸水が50mlも溜まっていたなんて… 愛猫が「血管肉腫」になって知った“術後の経過観察で診てもらうべきポイント”

まさか胸水が50mlも溜まっていたなんて… 愛猫が「血管肉腫」になって知った“術後の経過観察で診てもらうべきポイント”

血管を構成する細胞がガン化する「血管肉腫」はワンちゃんに見られやすい悪性腫瘍で、猫さんの発症は稀。しかし、我が家のジジは、そんな珍しい病気になり、お空へ行ってしまいました。

ただ、この闘病では学ばされることが多かった。今回は実体験を踏まえて、血管肉腫を経過観察する中で意識したい「獣医師に診てもらうべきポイント」や「異変を早期発見するための注意点」をお伝えします。

腸にできた血管肉腫を摘出…「転移」の可能性は高かった

ジジの場合は、腸に血管肉腫ができていました。確定診断に至るまでの過程は長いので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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術後、獣医師からは「切除できる部分は取り除いたけれど、完全に取りきれたとは断言できない」と告げられました。また、「切除前に腫瘍から出血があったので、ガン細胞が血管をめぐり、どこかに転移する可能性は高い」とも言われて、絶望的な気持ちに。

少しでも長く、穏やかに生きてほしい。そう思ったし、猫の血管肉腫は症例が少なすぎて分かっていないことが多いからこそ、もしかしたら「寛解」という祈りが通じるのでは…とも思いました。

腸にできた血管肉腫を摘出…「転移」の可能性は高かった

多分、そうやって気持ちを切り替えないと、心が持たなかった部分もあったかと思います。

それからは月に1度、ジジを動物病院へ連れていき、定期的にエコー検査をしてもらっていました。

獣医師は毎回、15分ほどかけて丁寧に腸以外の転移しやすいとされている臓器も診てくれて、ありがたかった。定期健診時には、私にエコーを見せながら、分かりやすく状態の説明もしてくれました。

獣医師は毎回、15分ほどかけて丁寧に腸以外の転移しやすいとされている臓器も診てくれて、ありがたかった。定期健診時には、私にエコーを見せながら、分かりやすく状態の説明もしてくれました。

獣医師いわく、ワンちゃんの場合、血管肉腫は腫瘍を切除しても2ヶ月ほどで転移してしまうことが多いそう。だからか、毎回「この子は、経過がとてもいいね」と褒めてもらえ、「転移しやすい脾臓や腎臓にも怪しいものは見当たらない」と言ってもらえていました。

ただ、切除した腸のあたりには、ずっと炎症のようなものがあったようです。エコー検査では明らかに腫瘍だと断定はできなかったので、獣医師からは「取り切れなかった腫瘍かもしれないし、術後の炎症かもしれない。断定できず、申し訳ない」と言われていました。

その炎症は心配でしたが、元気もあり、食欲もあり、いたって普通に生活できていることから獣医師と相談し、定期健診を続けながら経過観察を続けました。

その炎症は心配でしたが、元気もあり、食欲もあり、いたって普通に生活できていることから獣医師と相談し、定期健診を続けながら経過観察を続けました。

ただし、食欲がない、嘔吐が多い、便に血が混じるなど、何か小さな異変でもあれば、すぐに受診するようにと告げられていました。

咳や抱っこ時の鳴き声が気になり病院へ

腫瘍の摘出手術から3ヶ月ほど経った頃、定期健診の時に腹水が少しあると告げられました。ただ、抜かなければならないほどの量ではなく、他の臓器に転移らしきものは見られず。

食欲も元気もあり、日常の中での異変も見られなかったので、腹水の状態も詳しくチェックしながら、エコー検査での経過観察を続けていくことになりました。

食欲も元気もあり、日常の中での異変も見られなかったので、腹水の状態も詳しくチェックしながら、エコー検査での経過観察を続けていくことになりました。

しかし、2025年のGW中、ジジが珍しく咳をしたことが心配に…。実は血管肉腫が判明する前にも、ジジはたまに咳をしていたので、「もしかしたら転移かもしれない…」と思いました。

食欲や元気はありましたが、抱っこをしてギュっと抱きしめた時に嬉しさから痛さからなのか「んきゃ!」と鳴くのも、血管肉腫が判明する直前と同じでした。

レントゲン検査で「50mlの胸水」が判明して…

不安が募り、私はすぐにかかりつけ医へ。「過保護すぎて申し訳ないんですけど…」と前置きをして症状を伝えると、まず、いつものエコー検査をしてくれました。

エコー検査では、特に目立った異常はなし。でも、獣医師は「おそらく問題はないと思いますが、念のためにレントゲンも撮りましょう」と言ってくれました。

そして判明したのが、胸水が溜まっているという事実。正直、それを聞いた時に私は「腹水もエコー検査で見えるのだから胸水も見えるはずでは…?」と思い、獣医師に発見できなかった理由を尋ねました。

レントゲン検査で「50mlの胸水」が判明して…

すると、獣医師からは「脾臓や腎臓など、手術をした腸周辺の臓器と併せて、心臓など胸部の臓器も診ていたけれど、胸水は注意していないと発見できなくて…」との説明が。それを聞いた時、私は「もっとちゃんと診てくれていたら…」と正直、怒りがこみ上げました。

でも、その後の胸水が溜まる速さを見る中で、心境は変化。ジジの場合、週に1回、胸水を抜きに行くと100mlほど溜まっており、最後のほうは週1回でも対処できないほどの量でした。

でも、その後の胸水が溜まる速さを見る中で、心境は変化。ジジの場合、週に1回、胸水を抜きに行くと100mlほど溜まっており、最後のほうは週1回でも対処できないほどの量でした。

ですが、異変に気づいて、レントゲン検査をしてもらい、胸水が発覚した時に抜けた量は50mlほど。もしかしたら、かかりつけ医の見落としではなく、ちょうど胸水が溜まり始めたタイミングだったのかもしれない…と思うようになりました。

定期健診では「気に留めていない部位」を調べることも大切

今回の経験を通して学んだのは、愛猫が血管肉腫の切除手術をした後は、手術した部位周辺の異変だけでなく、そこから遠い臓器の異変も早期発見できるよう、獣医師にできる限りの検査をお願いすることの大切さでした。

定期健診では「気に留めていない部位」を調べることも大切

ジジの場合は血管肉腫が腸にできていたことから、私は少し溜まっていた腹水が気になっていましたが、結果的に命を奪ったのは胸水。自分が気にかけていたこととは全く違う部分の異常でした。

(※ちなみにエコー検査では、肺などに明らかな転移などは見られませんでした)

もちろん、獣医師は動物医療のプロなので、飼い主側が言わなくてもある程度、全身の異常を早期発見できるようにベストを尽くしてくれます。

ただ、愛猫といつも一緒にいる飼い主だからこそ「おや…?」と気づける異変は、あるもの。そういう時には迷わず、いつもとは違う角度から愛猫の体を調べてもらうことは、とても大切です。

また、定期健診時には獣医師に「どういう異変が見られたら、すぐに受診したほうがいいですか?」と具体的に質問すると、自分の中で「これは異変だ」と見極めるポイントが定まりやすいかもしれません。

また、定期健診時には獣医師に「どういう異変が見られたら、すぐに受診したほうがいいですか?」と具体的に質問すると、自分の中で「これは異変だ」と見極めるポイントが定まりやすいかもしれません。

ささいな異変にすぐ気づき、病院へ連れて来られるようにしておくことは、少しでも命を長く紡ぐことに繋がります。

いつも気にかけている術後の炎症部分だけでなく、「健康だろう」と思い込んでいる部位にも、もしかしたら何かの異変が起きているかもしれない。血管肉腫に限らず、悪性腫瘍と闘う時は、そういう視点を持っておくことが大切だと私は感じました。

猫の血管肉腫に関する情報は、まだまだ少ないのが現状です。もちろん、発症部位や症状には個体差があるけれど、経験談が多く集まることで寛解に繋がる子が増えたり、納得できる闘病生活を送れる飼い主さんが増えてほしい。それが、今の私の願いです。

猫の血管肉腫に関する情報は、まだまだ少ないのが現状です。もちろん、発症部位や症状には個体差があるけれど、経験談が多く集まることで寛解に繋がる子が増えたり、納得できる闘病生活を送れる飼い主さんが増えてほしい。それが、今の私の願いです。

…多分、これからしばらく私の猫エッセイは闘病とかペットロスとか火葬とか、わりと重めな話題が続くかと思います。「しんどい…」となったら申し訳ない。でも、最期までそばにいる“終生飼育”って、きっとこういうことだと思うから自分が体験し、ジジが教えてくれたことを大切に紡いでいきたいです。

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コメント:1


  • kako

    ゆあさん、こんにちは。
    いつもXで拝見しております。
    何年も前からジジちゃんの可愛い姿をXで見せて頂いておりました。
    ジジちゃんが病気になって、お空に旅立って、ゆあさんはまだまだ深い悲しみの中にいらっしゃることと思います。
    そんな中でも、こうしてジジちゃんの病気のことを私達猫飼い主に伝えてくださっていることに、心より感謝致します。
    ジジちゃんとゆあさんが身をもって経験したことは私達飼い主にとって本当に貴重な情報です。
    大変な時に、本当に本当にありがとうございます。
    私も猫の定期検診に毎月行っているので、小さなことでも何か気になることがあったら、必ず獣医さんに聞くようにします。
    ゆあさん、これからもいろいろな情報の発信をよろしくお願い致します。
    ジジちゃん、本当に可愛い子でしたね。


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