我が家の愛猫ジジは、2025年1月上旬に「血管肉腫」と診断されました。血管肉腫は、血管がある場所ならどこにでも発生する可能性がある悪性腫瘍です。
その時、痛感したのは情報の少なさ。血管肉腫は、ワンちゃんに発症することは多いようですが、猫の場合は稀。当事者の話に出会うことが難しいこともあるので、今回は確定診断までの検査内容やかかった金額をお伝えします。
かかりつけ医では原因が特定できず
ジジに血管肉腫が見つかった経緯は、下記のエッセイで詳しくお話しています。
【関連記事】 |
突然、お腹の中で出血が起きてしまったので、かかりつけ医は超音波検査や血液検査、X検査で原因を調べてくれましたが、腎臓や肝臓、脾臓に腫瘍らしきものはありませんでした。
唯一、腸の付近に腫瘍らしき塊はあったけれど、腫瘍だとは断定できず。たんぱく質の一種が細胞や組織の隙間に沈着することで起きる病気「アミロイドシース」の可能性もあると告げられました。
もし、アミロイドシースだった場合は手術をしても手の施しようがなく、逆にささいな衝撃が命取りになってしまう可能性があるので、原因が分からないままお腹を開くのはリスクがあった。

そこで、大学病院でCTを撮影して原因を特定することになりました。
大学病院の受診日は、2日後に決定。かかりつけ医が、なるはやで予約を入れてくれたのでありがたかった。ジジの場合はお腹の中で再出血する危険性があったので、なにもできない状態のまま、自宅で過ごす時間が長くなるのは避けたかったからです。

なお、この時点でかかった検査や治療費は57,420円。(入院代や腹水除去も含む)高額ですが、命の危機が救われたと思えば安かった。
大学病院の医師も頭を抱える症例
クリスマスイブの日、大学病院へ。私はCT撮影をしてもらう気満々でいましたが、CT撮影は全身麻酔をかけて行わなければならないので負担を考慮して、まずは麻酔をかけずにできる検査で原因を調べることに。

この時点で考えられると言われたのは腫瘍、避妊手術時にガーゼなどの置き忘れがあった(長期間経ってるので可能性は低そうだったが…)、誤飲、何かの感染症でした。
検査開始から2時間後、医師から告げられたのは「行った検査では腫瘍とは断言できなかった」という言葉。腫瘍に針を刺して組織を採取する検査もしてもらいましたが何度、組織を採っても腫瘍と断言できる細胞は採れませんでした。
ジジが大人しい性格であるため、医師から無麻酔でできるCTを勧められ、受けましたが、それによって診断はさらに難航してしまいました。(※麻酔を使わない分、安くできて負担が少ないとの配慮から)

CTでは、大腸のあたりに腫瘍らしき塊が。しかし、針を刺す検査では腫瘍の反応が出なかったので、余計に「これはなに…?」となってしまったんです。
この検査結果なら、全身麻酔がいるCTでも原因が特定できる可能性は低いだろう。そう言って、医師からは腫瘍の他にも疑わしい病気を教えてくれました。
【著者のXポスト】 |
結局、腸のあたりにある塊を腫瘍だと断定するには、原因を調べるために試験開腹(病状によっては治療もされる)をするしかなく…。
試験開腹は大学病院でも行えましたが、最短でできるのが3週間後だったので、一度かかりつけ医に相談することにしました。

ちなみに、私の場合は午前9時頃から診察を受け、すべての検査が終わったのは午後4時30分頃だったので、もし似たような症状で大学病院を受診する際は仕事を休んだほうが安心できます。
【検査費用】102,510円(初診料5,000円含む)
診てもらえる病院探しで終わった大晦日の夜
大学病院での受診が終わった後は、その足でかかりつけ医へ。大学病院側からの検査結果はまだ届いていないので、大まかな結果を説明。すると、2日後に試験開腹をしてもらえることになりました。この迅速な対応には、感謝してもしきれません。
【著者のXポスト】 |
【手術時の費用】165,512円(入院費や術後のフード代も含む)
術後は年末年始で病院が休みに入ることもあり、3日で退院。比較的元気そうだったので、このまま快方へ向かってくれるかと思いきや、ここからがまた壮絶だった…。
12月31日、排便中に突然、嘔吐。その後も2回嘔吐したので、動物病院を探すも、年末年始でどこもやってない…。かかりつけ医に電話をしても繋がらない。
もうすぐ年明けという中、夫と近所にある動物病院の営業日を片っ端から調べ、診てくれそうな病院に電話。ありがたいことに1軒、診察を受け付けてくれたので急いで病院へ行きました。

しかし、そこでしてもらえたのは吐き気止めの注射のみ。ジジの具合はよくならず、ぐったりしたままでした。
【治療費】5,170円(時間外診察料と初診料で3000円)
回復までにかかった費用は38万円超え
このままだと死んでしまうかも…。そんな危機感を覚えたので、翌日(元旦)にフォロワーさんが教えてくれた市内の動物病院へ。(本当にありがとう)
そこでは発熱があることから、何らかの感染症で腸に炎症が起きている可能性があると診断され、抗生剤の注射と皮下点滴、吐き気止めの注射を受けました。

すると、明らかに調子がよくなり、ご飯を少しずつ食べられるように。
【治療費】14,080円(祝日診察料8,000円、初診料1,000円を含む)
ただ、数日経つと、口をクチャクチャし、食べたいのに食べられない様子が見られたので、かかりつけ医へ。
超音波検査をすると、手術した腸のあたりがギュッとなっている(おそらく炎症)とのことで入院。2日間ほど、点滴や抗生剤を投与してもらいました。
【治療費】39,820円(入院費含む)
今回かかった費用は、合計で384,512円。ペット保険に入っていないので、正直かなり厳しい出費でしたが、あまりにもお金が飛んで行きすぎて、途中からはブーストモードのような感じでした。

痛感したのは、手術費や検査費だけじゃなく、術後に起きる不足の事態を見越した貯蓄をしておくことの大切さ。あと、かかりつけ医が休みの時や年末年始に頼れる動物病院をもっと見つけておけば…と、自分の至らなさを反省しました。
血管肉腫は転移の可能性が高いため、経過観察は必須。来月も超音波検査が待っているので、下僕は頑張って治療費を貯めたいと思います!
この記事のご感想をお寄せください!(コメントを書く)