「愛猫に首輪をつけようとしたら、パニックになって暴れてしまった」「猫首輪は嫌がるからかわいそう……」
万が一の脱走や災害に備え、お守りとしてつけてあげたい猫首輪。しかし、猫ちゃんのなかには強い拒否反応を示すケースもあるため、悩んでいる飼い主さんは少なくありません。
猫ちゃんが首輪を嫌がるのには、猫ちゃんならではの「理由」があります。
この記事では、獣医師監修のもと、猫ちゃんが首輪を嫌がる理由と対策、安全な首輪の選び方まで、詳しく解説します。
そもそも猫に首輪は必要?

猫ちゃんの飼い主さんにとって、いちばんの心配事は「脱走」や「迷子」です。ドアや窓の開閉にいくら気をつけていても、ちょっとした隙に猫ちゃんが外に出てしまうことがあります。
そんな「万が一」に備え、完全室内飼いの猫ちゃんも、普段から首輪を着けておくことをおすすめします。
- 脱走したときに周囲に飼い猫だと知らせる
- 迷子札をつけておけば万が一のときに連絡がもらえる
- 災害ではぐれても、再会の可能性が格段に上がる
- 捜索時の目印になる
- 野良猫を狙う動物虐待犯のターゲットになりにくい
など、メリットがたくさんあります。猫ちゃんにとって首輪は、いざというときに身を守ってくれる大切な「お守り」なのです。
なぜ嫌がるの?猫が首輪をストレスに感じる5つの理由

もちろん、猫首輪にはメリットだけでなくデメリットもあります。それは、首輪に慣れるまでは、首輪が猫ちゃんのストレスになってしまうことです。
首輪を嫌がって後足で引っ掻いて取ろうとしたり、パニックを起こしてしまう猫ちゃんもいます。首輪を取ろうとするあまり、さるぐつわ状態になる危険もあります。
猫ちゃんが首輪を嫌がる理由、ストレスに感じてしまう理由は5つあります。
1.本能的な違和感・恐怖
野生時代の猫ちゃんは狩りをして生きていました。しなやかで力強い身体に、研ぎ澄まされた感覚が備わっています。そのため、本能的に身体に異物が付着することを嫌います。
初めて首輪を着けた猫ちゃんは、得体の知れないものへの恐怖心からパニックを起こしてしまうこともあります。
2.素材による不快感(痛い・かゆい)
ナイロンや皮革、合皮などの固い素材の猫首輪、レースなどが付いている猫首輪を着けていると、皮膚を刺激して痛みやかゆみを感じることがあります。ひどい場合は接触性アレルギーを起こすことがあります。
3.重さによるストレス
首の細い猫ちゃんにとっては、わずかな重さでも大きな負担になります。首輪の素材によっては重すぎて、ストレスを感じてしまいます。過度な装飾が付いている首輪や金属製の迷子札が付いている首輪は要注意。猫ちゃんにとっては邪魔なものです。
4.音への不快感
人間の数万倍ともいわれる優れた聴覚を持つ猫ちゃんにとって、鈴や金属パーツのカチャカチャという音は、大きな騒音に感じることがあります。首輪をどうしても嫌がるときは、鈴や金属パーツが原因かもしれません。
5.過去の嫌な記憶
エリザベスカラーなど、過去の不快な経験が、首周りのもの全般への苦手意識につながっている可能性もあります。
【重要】愛猫の命を守る!安全な首輪の選び方
猫ちゃんに首輪を着ける上で最も大切なのは「安全な首輪」を選ぶことです。
初めて猫ちゃんに猫首輪を着けるなら、軽くてやわらかく、猫ちゃんの皮膚や被毛に優しい「猫専用」の首輪を選ぶようにしてください。わんちゃん用の首輪は、猫ちゃんにとっては重くて固いので不向きです。
猫ちゃんになるべく負担をかけないように、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
ポイント1:安全機能付きの首輪を選ぶ
カーテンレールや家具などに首輪が引っかかった際、一定の力が加わるとバックルが外れる
「セーフティ・アジャスター(セーフティー・バックル)」は必須です。首吊り事故などの最悪の事態を防ぎます。
ポイント2:軽くてやわらかい素材を選ぶ
猫ちゃんの皮膚や被毛に優しい、綿やポリエステルなどの軽くてやわらかい素材がおすすめです。重さは5g以下を目安に、なるべく軽いものを選びましょう。
ポイント3:シンプルなデザインを選ぶ
過度な装飾は、重さの原因になったり、猫ちゃんが気にして噛んでしまう原因になります。できるだけシンプルなデザインを選びましょう。鈴が苦手な子も多いので、最初は鈴なしのタイプから試してみましょう。
ポイント4:サイズ選びも重要
首輪は人間の指が2~3本程度入るくらいのサイズが適切です。きつすぎると蒸れてしまって、猫ちゃんが嫌がる原因になります。皮膚や被毛にも悪影響です。逆にゆるいと、何かに引っかかってしまうので危険です。
焦りは禁物!首輪に慣れてもらうための3ステップ

初めて猫首輪を着ける場合、様子を見ながら少しずつ慣れてもらうのがコツです。
子猫の場合は、1日で首輪に慣れてしまうほど順応性が高いです。体がしっかりしてくる生後3か月頃に首輪デビューをして、首輪に慣れさせておくようにしましょう。
しかし、ほとんどの猫ちゃんは、首輪に慣れるまで2~3日はかかります。敏感な子だと2~3週間かかることもあるので、じっくり焦らずに首輪に慣らしましょう。
ステップ1:まずは「見るだけ」「嗅ぐだけ」
首輪を猫の見える場所に置き、存在に慣れてもらいましょう。首輪の匂いを嗅ぐ、首輪をおもちゃのように使って遊ぶなど、猫ちゃんの興味を引きます。
ステップ2:短時間の装着にチャレンジ
ご飯やおやつの時間、夢中で遊んでいる時など、何かに集中しているタイミングで、さっと着けてみましょう。まずは30分だけ。嫌がるそぶりを見せたら、すぐに外してあげてください。「首輪=嫌なこと」と学習させないことが大切です。
ステップ3:徐々に装着時間を延ばす
短時間の装着をクリアできたら、少しずつ首輪を着けている時間を延ばしていきます。時間をおいてまた着けて、また外すのを繰り返します。
猫首輪を着けているときに、ごほうびのオヤツをあげたり、猫じゃらしなどのおもちゃで遊んであげましょう。「楽しいこと」に気を取られて、首輪が気にならなくなってくるはずです。
数日〜数週間かけて、焦らずじっくり進めるのが成功のコツです。
まとめ

猫ちゃんが首輪を嫌がって困っている飼い主さんはとても多いです。
嫌がる猫ちゃんの様子を見て、かわいそうに思ってしまうかもしれませんが、オヤツやおもちゃをうまく使って、じっくり焦らずに首輪に慣れてもらうことが大切です。
体質や性格によっては、どうしても首輪に慣れることができない子もいます。その場合は無理強いはせず、マイクロチップの装着を検討しましょう。
今回ご紹介した「安全な首輪の選び方」と「慣れさせるための3ステップ」を参考に、猫ちゃんのペースに合わせて、ゆっくりとチャレンジしてみてくださいね。
色々と参考になります
7ヶ月の猫ちゃんが首輪をすると
暴れてパニックになります
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