「最近、うちの子の目の周りが汚れている気がする」「片目だけショボショボさせている」「目が腫れているような感じがする」そんな症状はありませんか?目やにや涙やけは、単なる汚れではなく、結膜炎などの病気のサインであることも多いです。
今回は、病院へ行くべき「危険な目やに」の見分け方と、お家でできる正しい目のケア方法について、獣医師が解説します。
「猫の目やに」は色と量でチェック!正常なものと注意すべき「結膜炎」のサイン

茶色や黒の乾いた目やには「生理現象」。寝起きなら問題なし
寝起きについている、茶色や赤褐色でカピカピに乾いた少量の目やには、涙に含まれる成分が酸化したものです。目が充血しておらず、猫が気にしていなければ、生理的なものなので問題ありません。濡らしたコットンで優しく拭き取ってあげましょう。コットンなどで拭くと、やや赤黒いものが付着するため、「血混じりの涙が出ている」と不安になり受診するケースがあります。これは涙や皮脂、空気中の汚れなどが混じったものであるため、ほとんどの場合は心配いりません。目やに以外の目の開き具合、充血などがないか観察しましょう。
黄色・緑色のドロっとした目やには「感染症」の疑い
黄色(膿のような色)や緑色で、粘り気のある目やにが出ている場合は、細菌感染による結膜炎の可能性が高いです。また、ウイルス感染によって起こる猫風邪(ネコヘルペスウイルス、ネコカリシウイルス)により、細菌が二次感染すると同じような症状が現れます。この場合、様子を見ていても改善しないため、早急に動物病院での治療が必要です。
白目の充血や「涙やけ」がひどい時は要注意
目やにだけでなく、以下の症状がないか確認してください。これらは目の痛みや炎症のサインです。
- 白目が赤い(充血している)
- 涙が溢れて、目の下が茶色く変色している(涙やけ・流涙症)
- まぶたが腫れて目が開かない
- まぶたの内側が腫れて、ぶよぶよしている。
なぜ目が赤くなる?猫が「結膜炎」になる主な原因と多頭飼いのリスク

最も多いのは「猫風邪(ウイルス性)」による感染
猫の結膜炎の原因で最も多いのは、ネコヘルペスウイルスやネコカリシウイルスなどの「猫風邪」です。
感染力が非常に強いため、くしゃみや鼻水などを介して、どんどん広がっていきます。飼い主さんの服などにウイルスが付着して、それでも感染が広がります。多頭飼いの場合は、1匹が発症したら他の猫にうつさないよう隔離や手洗い、感染猫を触ったら服を着替えるなどの対策が必要です。
異物やアレルギー、外傷による炎症
ウイルス以外にも、以下の原因で目が赤くなることがあります。見た目では判断できないため、検査によって診断します。
- 砂埃や自身の毛などの異物が入った
- 花粉やハウスダストによるアレルギー
- 喧嘩やグルーミング中に爪が当たった(外傷性角膜損傷)
病院へ行く目安は?点眼治療と自宅でできる「涙やけ」の正しいケア方法

放置は危険!「目が開かない」「痛がる」時はすぐに動物病院へ
結膜炎は自分の免疫により自然治癒することもありますが、症状が落ち着くまでに数週間かかると言われており、状態によっては悪化してしまい失明することもあります。また、結膜炎と思っていたら違う病気だったということもあります。自然治癒を待たず、症状が見られたら早めに受診しましょう。特に子猫やシニア猫は重症化しやすいです。
治療は主に、内服や点眼薬(目薬)での抗生物質や眼軟膏が処方されます。
嫌がらない「目薬」のさし方とコツ
多くの飼い主様が苦戦する目薬。コツは「猫の背後からさすこと」と「容器の先を見せないこと」、「ご褒美をあげること」です。
獣医師直伝の保定方法(タオルで包むなど)を紹介します。普段から練習しておくと、いざというときに役立ちます。
目薬をするときは抱っこがやりやすいでしょう。目薬に慣れていないのであれば、2人で実施することをおすすめします。
まず抱っこに慣れさせましょう。抱っこしておやつを食べさせます。おやつを食べさせながら顎の下に手を当て、軽く上を向かせます。これが目薬の姿勢です。実際に目薬をしなくても、これをしておくと目薬を嫌がりにくくなります。もし目薬をするのであれば、おやつを食べさせながら、猫から目薬が見えないように背後から点眼します。点眼できたら褒めておやつをあげましょう。
抱っこが苦手な猫の場合、大判のバスタオルを使います。普段から猫の匂いをつけておくこと、タオルを巻く練習をしておくと良いでしょう。タオルを猫にそっと掛け、手と足を包み込むように巻きます。タオルをしっかり巻くことで逃げ出すことなく、安定して抱っこできます。おやつをあげながら猫の背後から目薬を挿し、できたら褒めてすぐ解放してあげましょう。
ガーゼやコットンで優しく拭き取る「涙やけ」対策
固まった目やにや涙やけを無理に剥がすと皮膚を傷つけます。
お湯で濡らしたコットンやガーゼを当てて、少しふやかしてから優しく拭き取りましょう。
ティッシュは繊維が荒く目を傷つける可能性があるため、猫用のウェットシートや清浄綿がおすすめです。動物病院では、目やにや涙やけ対策の洗浄液の取り扱いがあります。
まとめ

目やにや涙やけは、猫からの「目の調子が悪いよ」というSOSです。毎日のスキンシップの中で目の輝きや汚れをチェックし、異常があればすぐに獣医師に相談しましょう。
清潔な環境と早期ケアで、愛猫の美しい瞳を守ってあげてください。






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