茶トラ、キジトラ、三毛、サビ、ブチ、白、黒など、猫ちゃんの毛色や柄はバリエーション豊か。親子や兄弟でも、まったく違う毛色、柄をしているということも珍しくありません。
猫ちゃんのそんなところが不思議で、愛らしいと感じる人も多いのでは。猫ちゃんのことをもっと深く知るために、毛色や柄の呼び方を知るのもおもしろそうです。
今回は猫ちゃんの毛色や柄はどうやって決まるのか、どんな種類があるのか詳しく解説したいと思います。
猫の毛色や柄の決まり方
猫ちゃんがどんな毛色や柄になるかは、両親から受け継いだ遺伝子の組み合わせによって決まります。
猫ちゃんの毛色や柄に関連する遺伝子は主に以下の9種類。優性(顕性)と劣勢(潜性)の遺伝子が組み合わさることで、いろんな毛色や柄の猫ちゃんが生まれるというわけです。
ちなみに純血種は毛色に関する遺伝子が限られるため、似た毛色の猫ちゃんが生まれます。
- W(ホワイト)…白
- B(ブラック)…黒
- O(オレンジ)…茶
- I(インヒビター)…シルバーが出る
- T(タビ―)…縞模様
- A(アグーティ)…1本の毛に茶色と黒の縞模様が入る
- C(カラーポイント)…フルカラーまたは濃淡なし
- D(ダイリュート)…深い暗色
- S(スポッティング)…身体の一部が白
兄弟でも父親が違うことがある
メスの猫ちゃんは確実に妊娠するために、別のオスと複数回交尾をすることがあります。同時に生まれた兄弟でも父親が違うというケースも少なくありません。兄弟なのに毛色も柄もまったく違う理由のひとつです。
猫の毛色・柄は大きくわけて4種
猫ちゃんの毛色や柄は大きく4種類にわけることができます。毛色の濃淡や模様のつき方は猫ちゃんそれぞれの個性になります。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
1.単色(ソリッド)
模様がなく、全身1色の毛色のことを「ソリッドカラー」といいます。
黒猫ちゃん、白猫ちゃんが代表的です。ほかにも、ロシアンブルーのようなグレー(ブルー)の毛色や、チョコレート、シナモン、レッド、ライラック、フォーン、クリームといった呼び名の毛色もあります。
なんだか美味しそうですね。
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2.縞模様(タビー)
「タビー」とは縞模様のこと。オーバーコートの毛先から1/2と1/3に色がついていて、美しい縞模様を作り出しています。
日本では「トラ柄」と呼ばれていて、茶トラ、キジトラ、サバトラが代表的です。
茶トラ柄はレッドタビー、キジトラ柄はブラウンタビー、サバトラ柄はシルバータビー、キジトラ柄に白い毛色の部分がある子はブラウンタビー&ホワイトとも言います。
縞模様のルーツは、猫ちゃんの祖先であるリビアヤマネコ。特にキジトラ柄はリビアヤマネコの外見に近く、野性的で活動的な性格を引き継ぐ子が多いといわれています。
多種多様なタビー柄
同じタビーでも、縞の形や柄の入り方によって呼び名が変わります。
アメリカンショートヘアのような、身体の側面に渦巻き模様のあるタビー柄を「クラシックタビー」といいます。
ほかにも、サバのような縞模様は「マッカレルタビー」、ベンガルのような斑点模様を「スポテッドタビー」、ソマリのように毛の1本1本が縞模様になっている毛色を「アグーティタビー」または「ティックドタビー」といいます。
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3.組み合わせ柄(バイカラー・パーティカラー・キャリコ)
白、黒、茶(オレンジ)から2色または3色が組合わされた毛色のことを「バイカラー」「パーティーカラー」「キャリコ」といいます。
バイカラーは白と黒の2色の毛色の猫ちゃん。立派な口ひげ模様があったり、かつらを被っているような模様だったりと、個性的な模様の子が多い毛色です。ハチワレ柄もバイカラーです。
パーティーカラーは白以外の2色の複合色のことをいいます。日本でよく見かるサビ猫は、トーティシェルともいいます。麦わら猫は、パーティーカラーで縞模様のある猫ちゃんのことをいいます。
キャリコはいわゆる三毛猫です。白地に茶と黒の毛が混じった3色の毛色の猫ちゃんです。
オスの三毛猫・サビ猫は珍しい
オスの性染色体はXY、メスはXXです。黒とオレンジの毛色の遺伝子はX染色体上にしかないため、オスは黒かオレンジどちらかの遺伝子しか持つことができません。
まれにXXYの性染色体を持つ三毛猫、サビ猫のオスが生まれることがありますが、その確率は3万分の1ほどといわれています。
4.その他(ポインテッド・シェーデッドなど)
ここまでご紹介した毛色や柄のほかにも、特定の猫種に見られるものがいくつかあります。
シャム猫やラグドールのように、顔や耳、脚、しっぽなどの末端の毛色が濃くなる「ポインテッド」も魅力的です。体温の低い部分の毛色が濃くなるといわれています。
また、ペルシャ猫のように毛先だけに濃い色が入る猫種もいます。色の入る割合によって呼び名が変わり、毛先だけが濃色の毛色を「チンチラ」または「ティップド」といいます。
中間まで色が入れば「シェーデッド」、毛の根元まで色が入れば「スモーク」といいます。
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まとめ
猫ちゃんの毛色や柄は「背中にソースをたらしたように色がついていく」といわれているそうです。
確かに猫ちゃんの身体をよく見てみると、背中やお腹、頭に模様が集中していて、お腹は白い子が多いです。それに、同じ猫種でも同じ柄の子はいません。
また、猫ちゃんの毛色や柄から性格の傾向がわかることもあります。
愛猫ちゃんの毛色や柄を観察しながら、そのルーツや性格を想像してみるのもおもしろそうですね。
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