ふわふわの体に透明なブルーの目、まるでぬいぐるみのような姿をした「ラグドール」。淡い毛色がとってもかわいらしいですね。
日本でもとっても人気のラグドールですが、どんな性格をしているのでしょうか? ベンガルのような野生味は感じませんし、アメリカン・ショートヘアのようなやんちゃな猫ちゃんでもなさそうです。
ラグドールのルーツを紐解きながら、ラグドールならではの身体的特徴や性格について詳しく解説していきます。
ラグドールの特徴
ラグドール(Ragdoll)とは英語で「ぬいぐるみ」を意味しています。その名の通り、抱っこすると脱力して、体を預けてくれる猫ちゃんです。
透き通ったブルーの目が印象的ですが、きれいな毛色もラグドールの魅力のひとつ。ホワイトやクリーム色をベースに、シール(チョコレート)、ブルー、レッドなどの模様が入るのが特徴です。
大きな体になめらかな毛がみっちり
ラグドールの体重は女の子は4~6kg、男の子は4~7kg、なかには10kg近くになる子もいる大型の猫ちゃんです。肩幅も胸も広く、筋肉質な体格です。なめらかなセミロングの毛がボディに沿うようにみっちり生えていて、なで心地もバツグンです。
ラグドールはたぬきみたい!?
大きくて丸みの体つき、太いしっぽ、濃い毛色の顔や足をしていることから、ラグドールは「たぬきみたい」と言われることも。
たぬきのような毛色パターンは「ポインテッド」といい、顔の中心部や耳、脚、尾などに濃い色がついています。サイアミーズ(シャム)にもよく似ていますね。また、「ミテッド」は白い靴下を履いたような足、白い顎と胸が特徴です。「バイカラー(ポインテッド&ホワイト)」も人気で、日本ではハチワレ模様と呼ばれています。
子猫時代は白の毛色
生まれたばかりのラグドールの子猫は真っ白。生後2週間ほどで模様が現れ始めます。2年ほどかけて、ゆっくりときれいなカラーと豊富なコートに成長していきます。ラグドールはノルウェージャン・フォレスト・キャットと同じく、3~4年かけてゆっくり大人になる猫ちゃんなのです。
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ラグドールの歴史
ラグドールが誕生したのは、1960年代のアメリカ。カリフォルニアのブリーダー、アン・ベーカーがシールポイントの長毛の猫に魅了され、新品種の開発を始めます。
ペルシャとバーマン、バーミーズを交配させて、ラグドールの基となるシールポイントの長毛猫が誕生しました。抱っこされてもおとなしくしていることから、「ぬいぐるみ」を意味する「ラグドール」という名前がつけられます。
当初は猫の血統登録機関の認定を受けず、独自の組織を作ってラグドールの血統を管理していたようです。組織内では対立もあったらしく、一部のブリーダーが組織から離れ、1970年代にCFA(世界的な猫の血統登録機関)の認定を受けました。
また、1994年にはアン・ベーカーの組織は分裂し、独立したブリーダーがラグドールの血統から「ラガマフィン」という猫種を作り出しています。
ラグドールの性格
ラグドールの性格をひとことで言うと「抱っこ大好きなリアルぬいぐるみ」。
ラグドールはとてもおとなしい猫といわれています。抱っこしても嫌がらず、甘えん坊な性格をしています。ほとんど鳴かないし、とても穏やかでおおらかな性格です。家具をひっかいたり、何かを追いかけまわすこともないでしょう。
ちょっぴりのんびりした性格のせいか、少し鈍感なところがあるかもしれません……。
完全室内飼いにするのはもちろんですが、危険な場所には気を配り、ケガをしないように注意が必要です。高くて立派なキャットタワーよりも、低くて安定感のあるキャットタワーを用意してください。
ラグドールについて知っておきたいこと
おとなしい性格で飼いやすいと言われているラグドールですが、一緒に暮らすうえで気をつけたいことがあります。
ラグドールがかかりやすい病気
ラグドールは遺伝性疾患の少ない猫種ですが、肥大性心筋症には注意が必要です。
大型の長毛種の猫ちゃんに多くみられる病気で、心不全を起こすなど突然死のリスクがあります。呼吸が荒い、疲れやすい、歩き方がおかしいと思ったらすぐに動物病院を受診しましょう。
残念ながら予防法はないため、定期的にレントゲンやエコー検査などの健康診断を受けて早期発見をすることが大事です。
毎日のブラッシングは必須
ラグドールならではの、ふわふわの毛並みをキープするには日常のお手入れが欠かせません。毛球症の予防のためにも、毎日ブラッシングをしましょう。スキンシップが大好きな猫ちゃんなので嫌がらずに受け入れてくれるはずです。
また、月に1回はシャンプーをすることで、自慢の毛並みをキープすることができます。
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まとめ
ラグドールはとっても甘えん坊。飼い主さんが座っていると、自分から膝に乗ってくるほどです。飼い主さんのそばにいることが大好きなのです。
とてもおとなしくて優しい性格をしているので、子どもや他の猫にちょっかいを出されても怒ることはありません。初めて猫を飼う方や集合住宅で暮らす方でも飼いやすいでしょう。
ただし、肥大性心筋症には要注意です。早期発見できるように、年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。また、ふわふわの毛並みをキープするためには毎日のブラッシングが欠かせません。毛球症の予防にも繋がるので、思いっきりスキンシップを楽しみましょう。
ゴージャスでシルクのような手触りの毛並みをずっとモフモフできる……ラグドールと暮らす特権ですね。
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