猫はよく吐くと聞くけど
猫はよく吐くと聞いていたけど…こんなに吐くんかい。と、つい最近まで白目をむいていたぽぽねこライター阪口ゆうこです。

猫が吐く理由はいくつかあります。
毛繕いをして体内に毛を溜め込んで、ある日毛玉を胃から戻すパターン、環境が大きく変化する等の何らかのストレスが原因で吐くパターン…。そして、我が家のように「猫の性格が吐く原因ではないか?」という特殊パターン。
今日は我が家の猫のゲロリンちょ対策のことを書きたいと思います。
我が家の猫が吐くタイミングはいつも同じ
我が家の猫は野良出身温室育ち。「ある日、近所の廃墟に産みつけられていたから死んじゃう前に保護した。」という、生粋の保護猫たちだ。

保護猫団体の話によると、黒猫は生後1ヶ月で保護され、白猫の方は産まれてから4ヶ月(推定)で保護されたらしい。
なので、我が家にやってきたタイミングにも差がある。黒猫は野良時代が短くてほぼ飼い猫、白猫の方は野良歴がしっかり身についている感じだ。

クールビューティーな出立ちと、美しく透き通ったブルーの瞳、しなやかなキャットウォーク。
誰が見ても「美ニャンですね〜!」と称賛してくれて、「そうでしょそうでしょ」と、飼い主の私も目尻がだらしなく下がったまんま戻ってこなくなってしまうくらいのかわい子ちゃんの白いメス猫。
しかし、空腹になった瞬間…彼女は豹変する。

みゅん!と、一声入魂でご飯を要求する白猫は、フードボウルを定位置に置くや否や、肩をグイッと入れ、黒猫を押しのけご飯に突っ込んでいく。
そして、ごはんをえげつない吸引力で「吸い上げる」。
白猫の食べる姿は、私が幼い頃にテレビで見た「モチ吸い名人」を思い出させる。「こんな食べ方したら絶対あかんで」と、すかさず横槍を入れた若かりし頃の母の声付きで。
押しのけられた黒猫は、白猫の1ターン後からゆっくりとごはんを食べ始める。ボリボリと音を立てているのでちゃんと咀嚼しているのだろう。
兎にも角にも、食いっぷりに圧倒的な差がある。
そして、黒猫がまだ食べてる間に白猫は豪快にゲロリンチョするのである。ちょっと、短時間でマジでなんなのコレ。
猫の性格が吐く原因!?
我が家にきてからあまりにも吐くので動物クリニックの主治医に相談してみた。
「すごい吸引力で食べた直後に、ほぼ原型のまんま吐きます。」

私の説明を一通り聞いた主治医は、白猫の身体を触って様子を見たり、聴診器でお腹の音を聞いたりした後、こう言った。
「野良猫ちゃん時代の、【今じゃないと食べられない!】という危機感が、早食いにつながっているのかもしれませんね。そして吐くのが習慣化している可能性があります。」
小さい頃に親とはぐれて、食べることに苦労したのかもしれない。という、想像の中での愛猫の姿は、込み上げるものがあった。
今、想像しても泣ける。
これ書いているのスタバだけど、もう泣きそう。
とにかく、主治医にその話を聞いた瞬間「なんて悲しい理由なんだよ。」と泣きながら、ゲロリンチョの習慣化を食い止める努力をする決心をしたのを覚えている。
まずは習慣化を食い止める
その日から、猫用のカリカリのごはんを細かく潰すことにした。「噛んだ状態」をこちらで作ってしまう作戦だ。

しかし、乾いた硬い状態のカリカリを粉砕するのは、意外と力が必要で重労働、すり鉢とすりこぎを使ってみたり、ビニール袋にカリカリを入れて伸ばし棒でぶん殴って細かく粉砕するという荒技も使ってみたが、「これを続ければ右手がイカれてしまう。」と、ことごとく継続を断念した。
そんな風に、日夜命をかけてごはんを細かくする研究を重ねた結果。
カリカリに少し水分を含ませてレンジでチンして、柔らかくなったところを指で潰すという名案に行き着いた。
それを白猫の前に出せば、いつも通りモチ吸い名人と化すのだが、吐き戻しは驚くほど激減した。すごい!すごいよ私!
しかし、猫の吐き戻し撲滅運動が1週間ほど経った頃、今度は人間に異変が起こった。
「レンジ内が馬鹿みたいに臭い。」
大問題である。今度は息子が、ごはんを温めるたびにゲロリンちょしそうになっている。

種類にもよるとは思うが、温かい猫のごはんは、暴力的な「受け入れられない」匂いがした。
最終手段であり最高手段
ということで、我が家はフードボウルを変えることにした。

「猫 噛まない 吐く」で検索をかけたら、吐き戻し用のフードボウルが無茶苦茶あっさりヒットしたのである。
我が家の猫たちが使っているのは、早食い防止の工夫がなされた凸凹が特徴の陶器のボウル。猫がごはんを食べる時にこの凸凹が邪魔らしく、強制的に一粒一粒食べ進めることになるので、完食するにはとにかく時間を要する。

そして白猫は、ゆっくり食べることが習慣になって、吐くことはほとんどなくなった。
安寧と平和が我が家に訪れたのである。
それよりも、なんですぐに調べなかったの私。
しかし、これはあくまで「我が家の猫の場合」である。
頻繁に吐いて気になるようであれば、すぐに獣医さんに相談をしてほしい。
穏やかな猫ちゃんライフが過ごせますように。
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