どうすれば、もっと長く愛猫と一緒にいられるのだろう。愛猫と一緒に過ごす日常の中で、いつもそう思ってはいましたが、愛猫ジジの「血管肉腫」が発覚してから、その気持ちはより強くなりました。
犬の場合、「血管肉腫」は転移する確率が高く、予後はよいものとは言えません。でも、猫の場合は発症が稀な分、分かっていないことが多い。でも、それって言い換えれば、奇跡が起きる可能性だってあるということです。
そんな風に気持ちを切り替えることができてから、私は今できる健康管理やメンタルケアに力を入れるようになりました。今回は、自宅で意識している健康管理やメンタルケアをお伝えします。
ケア①ゴロゴロ音で免疫力を高めてなっ!
猫のゴロゴロ音って、すごいじゃないですか。人間の自律神経やホルモンバランスを整えたり、血圧を下げたりする効果が期待できる周波数で、骨折治療にも使われている。なんて無敵なんだろうか。
そんな万能薬みたいな音だから、猫自身の体調管理にも役立つと個人的には思うんですよね。
愛猫ジジは、抱っこしただけでゴロゴロ言ってくれる甘えん坊猫。だから、そのかわいいゴロゴロ音を自分の治療のためにも役立ててほしくて、病気が判明してからはより長く、ゴロゴロと言ってくれるよう、スキンシップ法を工夫しています。

これまでは仕事が忙しい時、ジジが「抱っこして~」とパソコン近くにやってきても「後でな」とひと撫でして床に降ろすことが多かった。でも、最近は「ええぞ!抱っこだね!!」と、どんな時でも抱っこをするようになりました。
ジジは膝の上でじっとはせず、私の腕の上に体を乗せてくつろぐのが好き。だから、私はよくこんな体勢でパソコンと向き合っています。
ジジを乗せたままキーボードを打つと左腕がだる痛いですが、もし”ゴロゴロ治療”が少しでも体調の安定に繋がっているのなら、腕の1本や2本くらい安いもんです。
ケア②食べることは生きることだ
「血管肉腫」の治療後、ジジは1kgほど痩せてしまいました。血液が上手く循環しておらず、足から採血ができなかった時、顔周りの被毛を少し剃ったので、退院直後は「いつものたぬき感がない…」と悲しくなるほど、別ニャンな見た目に…。

獣医師からも「体重を戻せるといいね」と言われたので、退院後は食べられる時や食べたい素振りをしている時を見逃さずにご飯を与えるように配慮。現在は徐々に、元のずっしり感に戻りつつあります。
人間もそうですが、やっぱり動物も食べることって大切。食べたいものを食べられる時に食べさせてあげることは、命を長く紡ぐことに繋がると思うんです。
そういう思いもあって、退院後は食べる時間がより楽しみになるよう、これまであげたことがなかったおやつも食べさせるようになりました。

おいしいものをもっと食べたいから、生きていたい。そう思ってくれることも、きっと長生きの秘訣になる気がする。
あと、悪性腫瘍の子を持つフォロワーさんから「イペットS」というサプリを教えてもらったので、経過観察をしていく中で獣医師に相談しながら、使用を検討していけたらとも思っています。
ケア③ストレスは極限までなくそうや
普段、取材でハイシニアの猫ちゃんと暮らす飼い主さんにお話を聞いていると、やっぱり大事なのって、ストレスをできる限りなくすことなんだろうなって感じます。だから、今はジジへのストレスを”軽減する”ではなく、”極限まで排除する”ことを目標に、頑張っています。
ジジがストレスを感じる場面は、コタロウが「遊ぼうよ」モードになった時。2匹は、もとからあまり仲が良くないこともあり、コタロウが”構ってちゃん”になるとジジは逃げたり、威嚇をしたりします。

そういう場面を極限まで減らせるよう、コタロウが遊びたがっている時には猫じゃらしや電動おもちゃを活用して、ジジに関心が向かないように対策。おもちゃに興味を示してくれない時は「一旦、落ち着こうか」と、みんなでおやつを囲みます。
また、喧嘩が起きそうな時はジジを抱きかかえ、「ここにいれば安全だよ」と話しかけてじゃれあいを回避。同居猫たちに我慢させることなく、ジジの気持ちを尊重できるようにフォローしています。
人間もストレスで体の調子が悪くなることや体調が悪化することってあるので、心のケアって侮っちゃいけないと思うんです。
ケア④異変に気づける職場環境に
私はオフモードの時は割と猫の異変に気づきやすいんですが、仕事モードになると、周りが見えないほど過集中してしまうタイプ。ジジの体調不良後、もし危機的な状況だったのが仕事中だったら発見できていただろうか、とゾっとしました。
仕事中、ジジは大抵、抱っこをせがんで腕の中にいるのですが、たまに「今日は気分じゃないんです」と、ひとりでまったりすることがあります。

そういう日でも異変を早期発見できるよう、最近は仕事中に小休憩を挟んだり、部屋をグルっと見渡して猫の点呼を取ったりするようになりました。
あと、効果的だったのは、ジジ専用の椅子を用意したこと。自分が座っている仕事用の椅子の横にもうひとつ椅子を置いたら、ジジは「私の椅子ですね」と認識したよう。抱っこの気分ではない日には、そこで眠ってくれるようになりました。
猫の同僚がいるって、きっとこんな感じなんだろうな。なんていう微笑ましい妄想をしながら仕事ができる職場環境は案外楽しいし、小休憩を設けるようになったことで私は仕事中に昼食を摂るようにもなりました。相乗効果で健康になってる気がする。
ケア⑤本ニャンの「生きたい気持ち」を高める
笑われるかもしれませんが、健康管理やメンタルケアをする中では本ニャンに愛を伝えることもすごく大事なのではないかと私は思っています。猫って、人の言葉が分かる生き物だと感じるから。
命の危機に瀕した日、ジジが峠を越えてくれたのは彼女の生命力が強かったことが大いに関係していると思いますが、きっと酸素室で「またお家に帰ろうね」と話しかけたことも生きる気力に繋がったのでは…と思うんです。

帰る家がある。また帰ってきてほしいと思っている人がいる。それって人間でも、やっぱり嬉しいことだから、猫だって「頑張ろう」って思えるんじゃないだろうか。
今そばにいてくれる時間は決して、当たり前のものではない。そう強く思う経験をしたからこそ、退院後、私は毎日「今日も大好き」「ジジらしくできるだけ長く生きようね」「また明日会おうね。おやすみ」は絶対に伝えるようになりました。

仮に人語が分からなかったとしても、自分に向けられる視線の優しさや、そこに込めた愛は感じ取ってくれると思うから。それがジジにとって、生きるパワーになればと思っています。
猫の血管肉腫は情報が少ないので、手探り状態で治療していくしかないのが現状。でも
体の健康だけではなく、心の健康にも目を向けていけば奇跡が起きて、転移が見られないor転移が見られても良い状態のままで病気と付き合っていける未来があるかもしれない。
なかなか明るい未来を描きにくい病気ですが、同じ状況の子や飼い主さんに希望を与えられるよう、これからもジジと二人三脚で頑張っていきます。
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