猫って「あなたに興味ありますよ」という態度を見せるほど、警戒したり、素っ気ない態度をとってきたりするからかわいいですよね。うちの母はお祖母ちゃんが犬好きだったため、小さな頃、猫と暮らせなかったそう。その反動からか大の猫好きに。実家には、ずっと猫がいました。
猫飼い歴数十年の母は、猫への接し方を心得ている猫マスター。でも、なぜかうちの愛猫たちは母に素っ気ない態度。「なんで逃げてくの…?」と母は嘆きつつ、おやつをせっせと貢いでいます。
母と愛猫コタロウが全然仲良くならん
我が家は、敷地内同居。スープの冷めない距離に私の両親がいます。3匹の愛猫たちは幼い頃から母と関わり、おやつを貢がれてきました。
お母さんが作った首輪で、お上品になったたぬき🦝 pic.twitter.com/II93Wg36Lk
— ゆあ | ライター🖊 (@yunc24291) January 11, 2022
それなのに、3匹と母の絆はあまり深まらず…。茶トラのレオンは女性なら誰でもデレデレする性格なので、気分が乗った時は「撫でさせてやってもええで」と母に寄っていくのですが、他2匹の態度は冷めています。
特に全然、絆が深まらないのが、キジトラのコタロウです。コタロウは一番構ってちゃんなわりに、私以外の人には噛んだり引っ掻いたりするワイルドキャット。

小さな頃から見知っている母も例外ではなく、数日会わないと撫でた時、「は?誰です?」みたいな態度で猫パンチ。母は悲しがりながらも、「この子は、あんたしかダメな子だからなあ…」と心を納得させていました。
ところが、そんな母の嫉妬心がメラメラになる出来事が…。なぜか愛猫から爆モテする夫が登場したからです。一緒に暮らし始めてわずか2年ほどで、夫はコタロウの心を完全に虜にしました。

初対面時はお決まりの猫パンチをお見舞いしていましたが、わりと早い段階で自分から夫にスリスリするように。今では私と夫がコタツでくつろいでいると、間に入ってきて夫の膝に体を委ねて寝ます。(悔しい)
たった2年で、あのコタロウを完落ちさせた…。その衝撃に、私の家族は揺れました。「ねえ、聞いた?コタの態度!」「聞いた!!悔しい!」というLINEが飛び交う事態に。これが後世に語り継がれことになる「コタロウの変」です(?)

ちなみに、「コタロウの変」は私にとっても衝撃的な出来事でした。懐いてくれて嬉しい。でも、コタ…私だけが特別じゃなかったのかな…。
そう寂しい気持ちになるも、コタロウの頭を撫でるたびに「今日も怒らない!」とニッコリ笑う夫を見ると、何も言えません。
姉と私を間違えて甘えるコタロウ
すっかり夫ラブになったコタロウですが、実はもうひとり、私以外にもナデナデを許可する人がいます。それは、私の姉。姉は県外で暮らしているので、帰省した時に愛猫たちをかわがってくれます。

中でも、コタロウは姉の推し猫。なぜなら、姉はキジトラ柄の猫が大好きだから。
姉は昔、実家で一緒に暮らしていた「チャトラ」というキジトラ猫と大の仲良しでした。家族から「チャト」と呼ばれていたその子は、とにかく穏やかな性格。ねぼすけな私たち姉妹を起こそうと、母はよくチャトを布団に送り込んできました。
「起こしてきて」との任務を託され、チャトは布団へもぐりこんでくるのですが、私たちは「一緒に寝ようか」とチャトを誘惑。チャトはまんまとその誘惑に負け、一緒にスヤスヤ眠るので、結局母が「起きなさい!チャトも!」と起こしに来るのがお決まりのパターンでした。
そういう思い出があるので、姉はキジトラ猫が大好き。そんな猫愛が伝わっているのか、コタロウは姉が来ると喜んでそばへいきます。

ただ、私たち姉妹は雰囲気が似ているとよく言われるので、コタロウが「私と姉を間違えている説」はありえます。現に姉が声を発すると、「…お?こんな声だったっけ?」みたいな顔で私と姉を見比べ、「あ、こっちが飼い主だったわ」と慌てて私の足元へすり寄ることも。
「また、あんたと間違えて来たわ」と、笑いながらも姉はいつも嬉しそう。コタロウを優しい目で見ながら、おもちゃで遊んだりおやつを献上したりしています。多分、コタロウはその眼差しで見つめられるのが好きなんだろうな。
突然、母から逃げるようになったジジ
さて、話を母に戻しましょう。コタロウとは上手く絆を育めないとはいえ、母は他2匹とはそれなりに関係性を築き、なんとなくスキンシップも取れていました。もちろん、おやつ目当てで寄ってくる時は多かったけれど…。

ところが、愛猫ジジは命の危機を脱した後、母に対する行動が変化しました。
動物病院から退院してしばらく経った頃、母は「ジジちゃん、大変だったね。よく頑張ったね」とおやつを献上しに来てくれました。
しかし、ジジは微動だにせず。もともと、食べ遅れることもある子なので「ジジ、おやつだって。貰いにいってこやあ」と促すも、なぜか遠目で母を観察し続けます。
そこで、抱き上げて母のもとへ連れて行くと、部屋の端っこへ猛ダッシュ。またもや、遠くから母を観察し始めました。

「え…もしかして警戒してる…?」「忘れちゃった?」「ジジちゃん、なんで…」と悲しみのあまり、色んな思いがこぼれる母。多分、ジジは動物病院でたくさん痛い治療を頑張ったので、私と夫以外の人は警戒するようになっちゃったんです。
今までガツガツと食べていたおやつにも揺らがず、遠目から母を眺めるだけのジジ。その姿を見ると、色々な思いがこみ上げてきました。
とはいえ、母には留守時に愛猫たちのお世話をしてもらうこともあるので、「ああ、そういえば見たことある”おやつ献上師”だ」と思い出してほしいところ。2人の関係性がどうなるのか、じっくり見守っていきたいと思います。
この記事のご感想をお寄せください!(コメントを書く)