はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。猫狂でミニマリストの阪口ゆうこです。
「首輪はいらない」と思っていたけれど
「猫に首輪って、必要かも」。
そんな問いが、ふと頭をよぎったのは、最近やたらめったら耳にする「南海トラフ」という不穏なワードのせいだった。
地震、津波、避難所。
そこに猫を連れて行く想像をしたとき、首輪とリードがないとどうにもならない気がしてきた。
普段の生活で「うちの猫は家から出ないから首輪は不要」と思っていても、非常時となれば話は別。
そこであらためて、今回は、猫に首輪をつける理由とつけない理由を整理してみた。
首輪をつけるメリットデメリット
猫に首輪をつけることのメリットとデメリットを、飼い主の不安と猫の不満を天秤にかけながら整理してみた。

人間の安心は得られるが、猫からの信用は失うかもしれない。
その境界線は、思っているよりずっと細い。
首輪を考えている飼い主さんの参考になれば嬉しい。
脱走した時は「保険」になる
「うちの猫は外に出ない」。そう信じているけれど、「絶対」なんてこの世に存在しない。
我が家なんて、朝の外出ラッシュ時は「誰かー!出かけるから猫抱っこしてー!」と家族全員で大騒ぎしている始末である。万が一の脱走はありえる。

そのとき、首輪に連絡先があるだけで、絶望が少しだけ和らぐと思う。
誰かに保護されて戻ってきてくれる確率もぐっと引き上げてくれる。それが首輪という保険なのだ。
猫の災害訓練は「慣れ」
非常時には、猫にもハーネスとリードでの管理が求められる。
けれど「その時になって初めて首輪をつける」では、猫によっては完全にアウト。
猫は混乱し、暴れる、引っかかれる、盛大に鳴く。
多分、こっちも泣くことになる。

そうならないために、首輪に慣れておくことも、立派な災害訓練かもしれない。
鈴の音で気配を感じたい夜もある
黒猫は夜に溶け込む。
気配ゼロで足元に現れるため、何度か踏んだことがある。
鈴のチリチリ音は、癒しであると同時に、事故防止装置でもある。
しかしこれは猫の問題ではない。
完全にこちらの注意力の欠如を補うための装備である。
首輪をつけるデメリット
首輪との相性が悪いと、首まわりの毛が抜けてしまうことがあり、それに伴ってストレスを感じる猫もいる。
慣れていないと、パニックになるケースも少なくない。
人間にとっての安心が、猫にとっては負担になることもある。
特に締めつけ感に敏感な猫にとっては、首輪そのものがストレスの原因になる場合もあるのだ。
首輪選びは、猫との相性を第一に考え、いくつか試しながら慎重に選んでいく必要がある。
うちの白猫は裸族です

我が家の白猫は、首輪をつけた瞬間に全力でグネグネし始める。
次の瞬間には床を転げ回り、怪しげなコンテンポラリーダンスを延々と繰り返す。
人間なら芸術的なのだろうが、猫だと、誰がどう見ても「御乱心」である。

首輪の使用前と使用後が、これほど明確な猫も珍しいかもしれない。
外した瞬間、まるで何事もなかったように毛繕いをして、すやすや眠る。
こちらとしては「すみませんでした」と謝りたくなるほどの態度の変わりよう。
彼女は完全に「裸族」だ。
嫌なものは嫌。そういう姿勢を全身で見せてくるあたり、非常に猫らしいと言える。
うちの黒猫は無感です

対して黒猫は、何を首につけられても一切動じない。首輪はもちろん、娘のシュシュでもリボンでも無反応。

そのまま水を飲み、ごはんを食べ、毛繕いして、走って、寝て、うんこもする。
つまり、日常。
「あのーあなた、さっきから首輪付いてますよ」と、こちらから教えたくなるほどの落ち着きである。黒猫の性格上、気づいていない可能性もある。
そんな、首輪を嫌がらない黒猫に首輪をつけない理由は単純。
「白猫が嫌がって付けないから、そろえておこうかな」という理由である。
猫にとってはどうでもいい話かもしれないが、飼い主の中では「平等にしたい」という謎のバランス感覚が存在している。
猫の視点で考えてみた
「首輪つけようか」。
もし自分が猫で、飼い主にそう言われたらどう返すだろう。
「それって私のため?それともあなたのため?」
こう聞いてしまいそうだ。

首輪が必要かどうかという問いは、突き詰めれば「結局、誰のため?」という問題に必ず行き着く。
猫の安全を思ってつける首輪は、同時に、飼い主の不安を軽くするための道具でもある。

そう考えると、これはお互いにとっての「愛」であることには間違いない。
どちらにせよ、日常でも有事でも、猫のことを考えている証拠なのだ。
猫にとって自然な選択を
首輪をするかどうかは、猫の性格と家庭の事情次第だが、災害時のリスクを考えるなら、やはり必要に思えてくる。
一方で、日常的につけてストレスになるなら、それは違うとも思う。
大切なのは「つけるかどうか」ではなく、「その子にとって自然かどうか」。
人間の都合と猫の快適さ、その両方をすり合わせながら、ちょうどいい距離を見つけていくしかないのだ。
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