猫は「死」を理解できる…?愛猫の逝去後に同居猫たちが見せた“意外な行動”と“変化”

猫は「死」を理解できる…?愛猫の逝去後に同居猫たちが見せた“意外な行動”と“変化”

猫は「死」という概念を理解しているのか…。その問いの答えは、まだ報告されていません。ただ、私は愛猫ジジが逝去した時、猫にも「死」を理解できる賢さがあるのではないかと感じました。

今回は、ジジが亡くなった時に同居猫2匹が見せた行動やその後の変化をお話します。

同居猫が亡くなった直後に”愛猫たちが見せた反応”とは?

我が家には亡くなったジジの他に、コタロウ(キジトラ)とレオン(茶トラ)という愛猫がいます。ジジが亡くなった直後、ふたりの反応は真逆なものでした。

コタロウの場合

コタロウはもともと、ジジとの相性があまりよくなく、「僕を一番にかわがって!」という甘えん坊さん。私とジジがラブラブしていると嫉妬し、後からジジに威嚇することも多々…。

コタロウはもともと、ジジとの相性があまりよくなく、「僕を一番にかわがって!」という甘えん坊さん。私とジジがラブラブしていると嫉妬し、後からジジに威嚇することも多々…。

ただ、そばでくっついて眠ることはある不思議な関係性でした。

ジジが亡くなった直後、私はもぬけの殻でしたが、コタロウとレオンにもジジの死を伝えねば…と思い、ジジが最期を迎えた酸素室(自宅にレンタルした)のチャックを開け、コタロウたちが自由に出入りできるにしました。

すると、コタロウはジジよりも、ジジが少し残した「ちゅ~る」のほうへ。食べ終わった後は特にジジを気にする様子もなく、酸素室から出ていきました。

すると、コタロウはジジよりも、ジジが少し残した「ちゅ~る」のほうへ。食べ終わった後は特にジジを気にする様子もなく、酸素室から出ていきました。

まあ、生前、そこまで仲がよくなかったし、こんなもんかな。コタロウのマイペースな姿を見た時、私はそう感じ、同居仲間の死を理解したり、悲しんだりするには生前にそれなりの絆があることが重要なのかなと思いました。

ただ、後にこの考えが誤りであったことに気づかされます。

レオンの場合

レオンはなぜか、ジジの頭を舐めるのが大好き。「あ、頭舐めなきゃ」と思い出したかのように突然、ジジのもとへ行き、頭をベロンベロンするのが、彼の日課でした。

あまりにも舐める時間が長いので、ジジは解放されたくなると、”両手猫パンチ”。実力行使で、「やめろ」と伝えていました。

あまりにも舐める時間が長いので、ジジは解放されたくなると、”両手猫パンチ”。実力行使で、「やめろ」と伝えていました。

ジジの頭って、そんなにおいしいのかな。もしかして、出汁でも出てるんだろうか…。そう思えてしまう“ペロペロ光景”は、きっとレオンの必死な愛情表現だったんだろうな。

レオンは、ジジが酸素室生活を送るようになると、酸素室越しにジジをじっと見守るようになりました。

ジジが亡くなった直後、レオンも自ら酸素室へ。ただ、コタロウとは違い、ジジのにおいをクンクン。数分にすら至らないごく短い時間、ジジのにおいを嗅いだ後、レオンは表情が少し変わり、酸素室の外へ出ていきました。

ジジが亡くなった直後、レオンも自ら酸素室へ。ただ、コタロウとは違い、ジジのにおいをクンクン。数分にすら至らないごく短い時間、ジジのにおいを嗅いだ後、レオンは表情が少し変わり、酸素室の外へ出ていきました。

レオンはきっと、においでジジが亡くなったことを悟ったんだろうな。私と夫はレオンの姿を見て、そう思いました。

数時間後に再び、同居仲間の亡骸と対面してもらったら…?

一緒に過ごしてきた家族だから、猫同士でちゃんとお別れをさせてあげたいね。私と夫はそう話し合い、ジジが亡くなって数時間経った後、再びコタロウとレオンにジジの亡骸を見せ、「死んじゃったんだよ、もうお別れなんだよ」と説明しました。

数時間後に再び、同居仲間の亡骸と対面してもらったら…?

猫は人間が思っている以上に、私たちの言葉や感情を理解している生き物。だから、ちゃんと言葉や心で「死」を伝えることも、飼い主の役目だと思いました。

すると、ふたりは同じ行動に。少しだけジジのにおいを嗅ぎ、すぐに立ち去り、二度と戻ってきませんでした。

すると、ふたりは同じ行動に。少しだけジジのにおいを嗅ぎ、すぐに立ち去り、二度と戻ってきませんでした。

同居猫が亡くなった時、そばから離れなかった。亡骸を必死に毛づくろいしていた。そんな話を私は取材時によく聞いたことがあったので、コタロウたちの態度はやや素っ気ないものに思え、「うちの猫たちの絆って、意外と弱かったのかな」と少し悲しくなりました。

しかし、その後、私は自分の考えが浅かったことに気づかされるのです。

同居仲間が亡くなった後に愛猫たちが見せた“意外な変化”

ジジの死後に愛猫たちが見せた態度は想像よりも、あっさりしていたものだったので、私は「ふたりのメンタルは大丈夫だろう」と思っていました。

でも、甘かった。コタロウたちはジジの死後、急に食欲が低下。全く食べないわけではなかったので様子見していましたが、あきらかにフードの減り方が遅くなりました。

同居仲間が亡くなった後に愛猫たちが見せた“意外な変化”

我が家では月1回、定期便でキャットフードが届くような設定にしています。ジジが生きていた頃は途中で買い足すほど、フードが足りない月もあったのに、ジジの死後には月1回の注文だとフードが余るようになりました。

ひとりいなくなっただけで、こんなにもフードの減りが変わるのはおかしい。もしかして、ご飯を一番たくさん食べていたのは、ジジだったんだろうか…。そう考えもしましたが、小柄で食が細かったジジが”隠れ大食い”だった可能性は限りなくゼロに近い。

…ということは、やっぱりコタロウたちの食べる量が減っているのかも。そう思い、ふたりの体重を測ると、やはり減少していました。

その事実を知った時、胸が苦しくなりました。「この子たちもちゃんと死を理解し、傷ついているんだ」と感じて。

特にコタロウは、食べることが大好き。そんな一番好きなことに心を向けられないほど、ショックを受けていたんだと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。

特にコタロウは、食べることが大好き。そんな一番好きなことに心を向けられないほど、ショックを受けていたんだと思うと、なんとも言えない気持ちになりました。

正直、私はコタロウにとってジジは、嫉妬の対象であり、「あんまり好きじゃないヤツ」という存在だろうなと思っていたので、自分の考えが浅かったことに気づかされもしました。

人間の家族だって色々あるように、猫同士でだってきっと色々あったよね。私たち人間が見ていない時間に起きたことや生まれた絆を考慮しないで、愛猫たちの心の傷を分かった気になっていた自分が恥ずかしくなりました。

同居猫たちが見せた“骨壺の受け入れ方”に涙…

幸い、愛猫たちは1ヶ月ほどで、食欲が徐々に戻ってきました。この子たちも自分たちなりに、心の整理を少しずつつけているんだろうな。そう感じました。

同居猫たちが見せた“骨壺の受け入れ方”に涙…

そんな日常を見守る中で驚いたのが、ジジの骨壺に対する愛猫たちの反応です。骨壺カバーって、猫がいかにも好きそうな飾り紐がついているものも多い。ジジの骨壺カバーも、そういうタイプです。

「これは、じゃれるだろうな…」 そう思いましたが、その時の私は常に骨壺を持ち歩かないと不安で心理状態。愛猫たちがいるリビングに置く時は、目を離さないように意識しました。

ところが、愛猫たちの反応は予想外のもので…。飾り紐に一切じゃれず、骨壺のそばでまったりと過ごすようになりました。

ところが、愛猫たちの反応は予想外のもので…。飾り紐に一切じゃれず、骨壺のそばでまったりと過ごすようになりました。

試しに骨壺を愛猫に近づけてみると、コタロウもレオンもにおいを嗅いだ後、スリスリ。まるで、ジジのお骨が入っていることを理解しているように思える優しい行動に泣けてしまいました。

もしかしたら、猫は人間よりも鋭い嗅覚で”死の重み”を察したり、理解したりしているのかもしれません。

アメリカには「人間の死期」を察知できる猫が実在!

ちなみに余談ですが、世界には「猫と死」にまつわる興味深い話もあります。アメリカのロードアイランド州にあるリハビリ施設に、人間の死を察知できた猫がいたんです。

名前は、オスカー。オスカは毎日、病室を巡回し、入居者のにおいを入念に嗅ぎ、特定の患者に寄り添うようになったそう。そして、オスカーが寄り沿った患者はほどなくして亡くなるという現象は、2010年までに50件以上起きたそうです。

オスカーの不思議な行動は研究対象となり、科学者たちは「細胞の死に関して放出されるケトンの匂いを感じ取っている」と結論づけたのだとか。オスカーは、2022年に逝去しました。

オスカー以外の猫もこうした「死期を察する力」があるのかは、まだ解明されていません。ただ、個人的には感度の個体差はあるものの、他の猫もこうした能力を持っているのではないかと思っています。

うちの愛猫たちも、もしかしたらジジの死期をにおいで感じ取っていたから、最期の別れはあっさりしていたのかもしません。

うちの愛猫たちも、もしかしたらジジの死期をにおいで感じ取っていたから、最期の別れはあっさりしていたのかもしません。

同居猫が亡くなると生活環境にも変化が起きるもの。そうした中で、愛猫は人間が想像する以上の精神的負担を抱えることもあると思います。

だから、ショックを受けているように見えなくても配慮は必要なのかも。愛猫が亡くなった時には自身のメンタルケアもしつつ、同居猫の心にも気を配っていきたいものです。


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