世にも嬉しい猫ハラスメント大全

世にも嬉しい猫ハラスメント大全

はじめましての方も、はじめましてじゃない方もこんにちは。

猫狂でミニマリストの阪口ゆうこです。


世間ではパワハラ、モラハラ、カスハラなど、あらゆるハラスメントが問題視されております。

しかし我が家に日常的に蔓延しているのは、もっともっと罪深い「猫ハラスメント」

 

誰も助けてくれない。

裁く法律もない。


加害者(猫たち)は皆、知らん顔をして毛づくろいに勤しみ、被害者は「またやられた!」と、言葉とは裏腹の笑顔。


そして、幸せのおすそ分けと題してせっせとSNSに投稿。

そんなズレた関係性と歪んだ愛を、ここに記録しておこうと思う。

地蔵ハラスメント

ソファに座った瞬間、黒猫おかかが膝にドン。

体重は4.5キロ、でもその重みは、支配されている心の重みも加わり感覚的には2倍にも3倍にも感じる。

さらに白猫のるるまで加われば、膝上は満員電車状態。

地蔵ハラスメント

立ち上がろうとすると「裏切るのか」と言わんばかりに冷ややかな目で睨んでくる。


膝上を支配されて、人間は自由を奪われ、結果トイレを我慢する羽目になる。

洗濯機の終了音が鳴っても聞こえぬふり。夕飯の支度も止まったまま。

私は地蔵と化して時を過ごす。

当たり前だが、全然家事は進まない。

スマホやテレビのリモコンも手に届かない時もある。


その時はただただ「無」が流れる…。

しかしなぜか幸福度は高い。


正直、立ち上がれば猫は膝から離れてくれるのに、それができない。

むしろ1秒でも長く膝上にいてもらって、足の痺れすらも喜びとして昇華したい。

膝上ハラスメントは、甘美な監禁である。

不意打ちダイブハラスメント

ソファに寝転がり、ようやく全身がゆるんだ瞬間、窓辺にいた黒猫おかかが腹めがけてダイブ。

不意打ちダイブハラスメント

見事にみぞおち直撃で、息は止まり視界は真っ白になる。

悶絶する被害者を前に、加害者は悪びれるどころか、毛づくろいしながら「ナイスダイブ」と言わんばかりの顔をしている。


それが日常的に繰り返されるのだから、人間とはつくづく猫のサンドバッグである。

……それでも、また飛び込んでくれるのではと期待しながら、今日もソファで寝そべる自分がいる。

早よせぇハラスメント

ごはんの時間が遅れれば、猫の抗議デモが始まる。

最初はかわいい声でのおねだり。少し放置するだけでボリュームは倍増、リビングに響き渡る。

完全なるストライキである。

疲れていると「メシよこせ」「飼い主の責任を果たせ」と、プラカードを持ってデモを起こしているような幻覚を見る。

早よせぇハラスメント

私は慌てて猫のごはんを取りに走り、「はい!今すぐ!」と必死で準備する。

猫の前では人間の予定など存在しないのだ。

主従関係は完全に逆転している。

もの落としハラスメント

無視を決め込むと、猫は報復に出る。

キッチンのカウンターに置かれた家族の私物たちを、前足でチョイチョイと突っつくように触り、片っ端から落としていく。

財布…ボン!

鍵…ジャラジャラ!!

イヤホン…カシャーーン!カラカラ…。

部屋に音が響く。


これはもはや器物損壊事件だ。

ひとつ目が落ちた途端、慌てて止めに入るが、猫は「放っとくからだよ」とふたつ目もチョイチョイと突っついて床にぶち落とし、知らん顔して尻尾を振る。

もの落としハラスメント

人間社会なら加害者は裁かれるが、猫社会では罰されることはない。

むしろ、「ごめんね」と謝るのは被害者の私。

加害者をかばう被害者。これぞ猫ハラスメントの本質かもしれない。

支配されているのに、なぜか感謝すらしてしまう。

洗濯よごしハラスメント

洗濯物にドンと飛び乗る猫。

ふかふかになったタオルは、猫の布団。

キレイになったばかりだからとタオルの上から猫を追い払うと、次は重ねたTシャツ群の上にドン。

毛が付いたら困るからとTシャツタワーから追い払うと、次はコンパクトにたたまれた靴下やショーツの上にドン。

足場がゴチャゴチャしていてもドン。

寝心地は悪くとも、上にドン。


ここまでくるとハラスメントにしか考えられないのだ。


毛まみれになった洗濯物を前に「ちょっとー!」と言いながらも、豊かで幸せを感じているから不思議だ。

私は今日も猫に汚してもらうために洗濯をしている。

洗濯よごしハラスメント

朝の大運動会ハラスメント

私たち人間が朝ごはんを食べる頃、猫のテンションはマックスになる。

「御乱心」と呼んでもいいだろう。

猫たちは一足先に朝ごはんを食べて、出すものを出したタイミングだ。


彼らは…いや、特に黒猫は狂ったように部屋中を駆け回る。

これがいわゆる「うんこハイ」らしい。


テレビのニュースの音がかき消されるほどの、フローリングを駆けるカシャカシャという足音。

ソファからソファへ飛び移り、キッチンでもどこでもお構いなしに走り回る。

同時に「ニャー(遊べ)ニャー(この野郎)」と、ご機嫌だ。

朝の大運動会ハラスメント

出勤前にすでに疲労困憊である。だがこれがなければ朝は静かすぎる。

人間は被害者でありながら「今日も元気でよろしい」と思ってしまう。

猫ハラスメントとは、痛みと笑いが同居する奇跡のエンタメだ。

ハラスメントにまみれる幸せ

こうして改めて書き出してみると、私の暮らしはハラスメントにまみれている。移動も、睡眠も、家事も、全部妨害されている。

冷静に考えれば、人権侵害だ。

……なのに、叱りながらもだらしない顔でデレデレしている自分がいる。


猫ハラスメントは被害でありながら、同時に恵みでもあり、好きな子から受けるイジワルでもある。

時間を奪われ、不自由を強いられ、重みを覚える。

でもその全部が、人生のアクセントになっている。


平たく言えば、私は変態である。


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