こんにちは。
はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。猫狂でミニマリストの阪口ゆうこです。
「猫」が季語になるなら、間違いなく冬である。
春でも夏でも秋でもなく、猫がいちばん生き生きして見えるのは、寒さが人間を家の中に閉じ込める寒い季節です。
冬は、猫と人間の間に、ぬくもりの平和条約が結ばれる季節です。
猫は無茶苦茶寒がりです
「猫はコタツで丸くなる」は、事実です。
彼らは根っからの寒がりです。
猫が寒さに弱い理由は、そのルーツにあります。
もともと猫の祖先は、灼熱の砂漠地帯の出身です。
暑さには強いけど、寒さにはめっぽう弱い。
どうやら、寒さに順応するのを諦めた生き物らしいのです。

…彼らの性格からして、多分、努力もしてないだろうけど。
見た目的には、毛まみれで真逆の印象なのに不思議です。
ちなみにその「毛」も冬仕様になり、モッサモッサと量が増えます。
1.5倍に膨らんだ冬仕様の猫は、やたらリッチで貫禄があり、人間が顔を埋めて吸うのにも最適。
冬がいちばん吸いごたえを感じます。

そんな彼らは、冬になるとまるで温度センサーのように、家中の熱源を嗅ぎ分けて移動します。
温風が直当たりするエアコンの真下、ほんのり温かい冷蔵庫の上、そして、言うことを聞いてくれる下僕…改め、人間の膝上。
サーモグラフィーを見たことがあるのかという精度で、いちばん暖かい場所に陣取るのです。
うちの猫、冬の出没場所
うちの猫たち(黒猫おかかと白猫るる)も、冬になると行動が一変します。
夏のあいだは、冷たい床の上で「これでもか」と伸びきっていたのに、
寒くなった途端、まんまるくなって縮こまり、ひんやりした床を避けはじめます。

天井まで高さがあるキャットタワーは彼らにとっては避暑地であり、うちでは軽井沢と化します。
最上階は夏の別荘、オンシーズンには二匹で満員御礼。
しかし冬のオフシーズンは、見事に閑古鳥が鳴いています。
そして、日に日にキャットタワーから冷蔵庫の上へと、滞在時間を少しずつ伸ばしていく。
その様子を見て、家族はみんな口をそろえて言います。
「ぼちぼち冬がくるねぇ……」と。
我が家では、木枯らし1号より猫の移動が早く、彼らの行動で季節の変わり目を察知することができます。
最近まで暑さの残っていた日本列島。
冷蔵庫の上に猫が移動しはじめたのを見て、「まだ早いかな」と思いながらも、分厚い靴下を購入しました。
すると翌朝のニュースで、天気予報士が言いました。
「これまでと打って変わって今日は一段と冷え込み、11月中旬並みの寒さです」と。
早速おニューの靴下を履いてご機嫌に過ごしました。
急な気温の変化で体調を崩さずに済んだのは、猫の気象センサーのおかげだと信じています。
我が家の冬の必需品はマイクロファイバーのタオル
冬の彼らがこよなく愛しているのが、マイクロファイバーのタオルです。
いわば、猫界のカシミヤ。
柔らかくて温かくて、タオルだから洗濯もしやすい。
「乾いたよ」と声をかけてベンチに敷けば、のっそのっそと寄ってきます。
「遅い」と言わんばかりにドカッと体を置いて、喉をゴロゴロと鳴らし、しばらくその上から動きません。

冬のあいだ、家のあちこちにマイクロファイバーを敷いておくだけで、猫の寝床が即席でできます。
気まぐれな猫を、こちらの意図でコントロールできる唯一の瞬間です。
白黒が勾玉になる
冬になると、我が家では神々しい現象が起こります。
白猫と黒猫が絡まるように眠るのです。
頭と尻尾を反対方向に丸めて、まるで勾玉(まがたま)のよう。
白と黒。
陰と陽。
光と影。

完璧なバランスで存在していて、思わずこちらが正座したくなります。
カメラを向けると、ピタリと動きを止めて見返してくるあの目。
まるで「これ、年賀状に使えるでしょ」とでも言いたげ。
毎年この姿を見るたび、「冬が来たな」と思います。
我が家の暦は、天気より猫の形で知るのです。
膝上の奪い合い、開幕です
そして冬の名物といえば、膝上争奪戦です。
一度乗られたら最後、私は何もできません。
スマホも届かない。
テレビのリモコンも遠い。
そしてトイレにも行けない。
あのぬくもりを感じていると、「この冬、私は湯たんぽとして雇われている」と思えてきます。
午前中は白猫にご所望され、午後は黒猫に捧げます。終日膝上は猫に奪われます。

時給はゼロ。家事も仕事も中断し、生産性は一切生まれません。むしろマイナスです。
それでも動かないのは、猫たちがあまりにも愛くるしく、あたたかいから。
柔らかくて、重くて、ほんのり湯気のような重力。
気持ちよさそうなご尊顔を眺めながら、ご飯3杯いけます。
時間よとまれ……尿意も止まれ……。
心からそう祈ってしまう、幸せなひとときです。
猫も人も、ぬくもりを分け合う季節です
冬は、猫にとっても飼い主にとっても最高の季節です。
猫の体温に触れていると、不思議と心の代謝まで整っていく気がします。
猫が私を温めてくれるように、私は猫を見て癒される。
この循環は、暖房より効率的で、湯たんぽよりも長持ちです。

人と猫が互いにぬくもりを分け合う。
それこそが「猫の季節」の本質なのだと思います。
今年も、私の膝の上で冬がはじまりました。
 
  
 
  
 
     
     
     
    





 
  
 
  
 
  
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