「私は主役じゃなくていい」猫ライターが猫系YouTuberにならなかった理由

「私は主役じゃなくていい」猫ライターが猫系YouTuberにならなかった理由

私は2015年から猫ライターとして、猫に関する記事を執筆してきました。ありがたいことに我が家の愛猫たちは多くの人たちから愛でられ、フォロワーさんも少しずつ増えていきました。

2018年頃、よく言っていただいたのは「YouTubeやってみたら?」とか「動画が見たい!」という声でした。そう望まれるのなら…と思い、動画制作に挑戦してみた時期もありましたが、その中で様々な感情が芽生え、動画業界へ進出は辞めることにしました。 

【理由1】ズボラな私生活が全世界に配信されてしまう

最初に「動画配信者はやめたほうがいいかも…」と思った理由は、私がズボラだからです。仕事中に着ているTシャツはびろんびろんに伸びているし、髪もボッサボサ。30代半ばに入ってからは日々の疲労が勝ち、「毎週1回は絶対に家中を掃除する!」の誓いは崩れ去りました。

【理由1】ズボラな私生活が全世界に配信されてしまう

そんな私生活を全世界に配信するなんて、申し訳なさすぎる!かといって、毎日キメッキメな恰好をするのもしんどすぎる…。そう葛藤した結果、「動画はやめよう」という気持ちが勝ったんです。

【理由2】「顔出し」が精神的プレッシャーになる

動画配信者って、やっぱり顔だしされていたほうが印象に残るなと個人的に感じます。私はライターのプロフィールでは顔出ししていますが、できれば顔は隠していたい派。少し醜形恐怖症な傾向があるからです。

【理由2】「顔出し」が精神的プレッシャーになる

過去に、猫とは全く関係ない「本の紹介」というジャンルで知人とYouTube動画を3本ほどアップしたことがありました。撮影時は予想以上に、心が辛かった。カメラに向かって話しているだけなのに「この向こうにはたくさんの人の目がある」と怖くなりました。

撮影中は画面に映る自分の表情や容姿が過剰に気になり、撮影後は自分の顔を見るのが嫌で動画チェックができない状態に…。そういう精神的な理由もあり、そのチャンネルは今、休止状態になっています。

撮影中は画面に映る自分の表情や容姿が過剰に気になり、撮影後は自分の顔を見るのが嫌で動画チェックができない状態に…。そういう精神的な理由もあり、そのチャンネルは今、休止状態になっています。

ちなみに、数年前によくSNSに猫と自分のツーショット動画をあげていたのも、自分の顔が人からどう見られるか過剰に気になり、周囲の反応を確認して安心感を得たいという醜形恐怖症的な心理が働いていたことも大きかったです。

ちなみに、数年前によくSNSに猫と自分のツーショット動画をあげていたのも、自分の顔が人からどう見られるか過剰に気になり、周囲の反応を確認して安心感を得たいという醜形恐怖症的な心理が働いていたことも大きかったです。

ただ、「猫×猫」とはまた違った良さが「飼い主×猫」の写真にはありますし、愛猫が亡くなった時にはかけがえのない宝物になるので、愛猫とのツーショット写真は撮っておけてよかったです。

【理由3】自分が思う正しさを押し付けたくなかった

私は愛玩動物飼養管理士やキャットスペシャリスト、ペット住宅管理士など猫関係の資格を持っています。だから、「知識を解説する系の動画はどう?」と言ってくださる方もいました。

でも、「絶対的に正しい猫との暮らし方」ってないんじゃないかなと私は思っているので、自分が発信した言葉で「うちはそうじゃない…」と感じさせてしまったり、過度な不安を与えてしまったりするなど、誰かの心を揺るがす材料になってしまうことは避けたいなと思っていました。

【理由3】自分が思う正しさを押し付けたくなかった

私が所有しているのは民間資格だし、猫も人間と同じようにひとりひとり性格や個性が違います。愛猫にとっては正しいと思えたことでも、他の猫ちゃんにとってはストレスが溜まる要因になるかもしれないし、私は猫の研究家ではありません。

もし、私が視聴者なら、情報重視系の動画は獣医師のように権威性や経験がある人に配信してほしいと思ったので、そういう方向での動画配信を行おうとは思えませんでした。

【理由4】「猫飼いのリアル」を記録し続ける覚悟が持てなかった

猫系のYouTubeは猫がメイン。だから、「顔だしナシの動画でいいじゃん」と言ってくださる方もいました。たしかに、それはあり。そう思った時期もありましたが、ひとつ疑問が生まれました。「私はどんな状況でも、愛猫を撮り続けられるだろうか」と。

【理由4】「猫飼いのリアル」を記録し続ける覚悟が持てなかった

愛猫に異変が起きた時、情報として異変を撮影し、伝えることには大きな意味があります。でも、臨機応変が苦手な自分にはきっと、それができない。パニックになり、目の前の状況に対応することでいっぱいいっぱいになってしまう。

見守りカメラや定点カメラを使ったとしても、緊急時にはカメラの位置さえ把握できないほどパニックになるだろうなと思いました。

それならば、穏やかでかわいい瞬間だけを配信すればいいのかもしれないけれど、それはそれで「命と暮らすリアル」とは言えないような気がしました。配信をするならば、命と向き合うことのすべてを記録し、伝えたい――。そんな強いこだわりが消えなかったので、自分は動画配信者に向いていないと感じました。

それならば、穏やかでかわいい瞬間だけを配信すればいいのかもしれないけれど、それはそれで「命と暮らすリアル」とは言えないような気がしました。配信をするならば、命と向き合うことのすべてを記録し、伝えたい――。そんな強いこだわりが消えなかったので、自分は動画配信者に向いていないと感じました。

ただ、これはあくまでも私個人の考えの方です。他の猫系YouTuberさんを批判する意図は一切ありません。かわいい猫動画には私も癒しをもらっていると、治療や闘病などの動画からは有益な情報をもらっています。

挑戦しようとして初めて知る壁。私にとって動画クリエイターという職は、まさにそんな存在でした。

【理由5】自分は主役じゃなくて「黒子」でいたい

ここまでお話しした理由も大きな要因ですが、私にとって一番の決め手になったのは「私は主役じゃなくていい」という想いでした。

ライターって、黒子みたいな存在だと感じます。自分の名前は控えめにサラっと記載されるだけで、主役はいつだって他人。イラストレーターさんや漫画家さんみたいに「この人が好き!」と言われることはあまりなく、毎日無数に流れてくるWeb 記事の中で、ライター名までしっかり見てくれる人って多くないと思うんです。

【理由5】自分は主役じゃなくて「黒子」でいたい

でも、私はそれくらいの立ち位置が心地いい。自分にスポットライトが当たるよりも、今をもがいている誰かの未来が少しでも明るくなるよう、黒子として世の中に声を届けたい。そう思うのは、根が陰キャなことも関係しているのかもしれません(笑)

世間では「動画か文章か」という議論が起きがちですが、どちらにもそれぞれの良さがある。優劣をつけずに、双方を上手く活かしていけたらいいなと思います。

…とかいいつつ、もしこの先、突然「YouTubeチャンネル開設しました!」とか言い始めたら、「あんだけやらんって言ってたのに!」と盛大に突っ込んでやってください。


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