人にとってはいい香りとされる香水や柔軟剤ですが、猫にとってはそうでないかもしれません。香水や柔軟剤の中には、猫の健康を害するものもあります。今回は香りが猫に与える影響について詳しく解説します。
猫は香りに敏感な動物|嗅覚の特徴と香りのストレス

猫の嗅覚は人間の数倍敏感
鼻の中にはにおいを感知する嗅細胞が多数存在しますが、猫は人よりもその数がはるかに多く存在します。そのため、猫の嗅覚は人よりもはるかに優れており、人の14倍優れていると言われています。
「いい香り」が猫にとっては刺激や不快感になる理由
人のいい香りと猫のいい香りは違います。人がいい香りと感じるものは植物のにおいが多いと思われます。そのため、香水や柔軟剤にはそれらのにおいや成分が、香料として付けられています。しかし、猫にとっては不快なにおいと感じられるようです。その理由として、猫は植物などに対し中毒を起こすことがあるからです。例えば、ラベンダーやユリ、柑橘系などが挙げられます。
香水や柔軟剤、アロマ、芳香剤が猫に与える影響
これらの製品には植物のにおいが使われています。猫は植物の匂いに中毒を起こすことがあります。そのため、香水などのにおいの強いものは猫にとって有害となります。香水などはくしゃみや咳の原因にもなります。特にアロマオイルは危険です。アロマオイルのほとんどが猫にとって有害となります。アロマオイルは精油と呼ばれる濃縮した脂溶性のオイルであり、猫は分解できずに中毒を起こします。
猫にとって危険な香りとは?|香水・柔軟剤・アロマの注意点

柔軟剤や香水に含まれる合成香料や化学物質の影響
柔軟剤や香水には様々な香料や化学物質が含まれています。それらがどのように猫に影響するかははっきりとはわかっていませんが、猫は人と違って肝臓の代謝経路が異なるため、肝臓で化学物質などが代謝されにくくなっています。そのため、中毒になりやすいことがわかっています。また、香料が呼吸器を刺激し、咳やくしゃみ、猫喘息の原因にもなる可能性があります。
アロマオイルやディフューザーの中毒リスク
猫にとってアロマオイルやアロマディフューザーは危険です。これらの精油には、植物を濃縮したオイルが使われており、猫はこれらの精油を分解することができません。そのため、猫はアロマオイルを使用しないようにしましょう。ディフューザーで気化したものを吸い込んだり、直接皮膚に接触することで中毒症状が起こります。
猫が逃げる/嘔吐する/元気がなくなるなどの反応
猫は嗅覚が人よりも優れているため、苦手なにおいを嗅いだ時に逃げてしまうこともあります。また、何度も嘔吐してしまったり、ぐったりと元気がなくなることもあります。
当院に相談があった例で、香料付きのアイマスクを使用したところ、猫が嘔吐を頻回にするようになったケースもあります。
香りによる猫のストレスサインを見逃さない

過度なグルーミング・トイレ以外での粗相・食欲低下など
不快なにおいがつくと、猫はそれを落とそうとして過度なグルーミングをすることがあります。また、ストレスが強くなるとトイレ以外での粗相や食欲低下、元気がなくなるなどの症状が現れることがあります。
香りを嫌がって隠れる/落ち着きがなくなる行動
猫は不快なものから遠ざかり、身を守ろうとします。強い香りから離れて身を隠してしまったり、隠れようとして落ち着きがなくなることもあります。
他の体調不良との見分け方
香りによる様々な症状は、他の疾患の症状でも現れます。通常、これらの症状は原因が改善されればなくなるため、香りの発生源がなくなれば症状もなくなる可能性があります。香りを取り除いても症状が改善されない場合、他の体調不良の可能性や、香料による中毒の可能性も考えられます。
猫と暮らすなら香りに配慮を|安全な香りとの付き合い方

香りの少ない製品や無香料を選ぶ工夫
猫は人よりもはるかに鼻が効きます。そして、人と代謝経路が違うため、人に無害でも猫にとっては有害になってしまう可能性があります。また、香料の中には植物由来のものが含まれていることがあります。猫に負担がかからないよう、できる限り香りの少ない物や無香料の物を選択するようにしましょう。
柔軟剤や香水を使うならどんなタイミングが安全?
香料の入った製品を使うタイミングで、安全とされるタイミングについてはわかっていません。使った直後は特に香りの成分が強く放出されるため、そのタイミングで猫に接触するのは望ましくありません。香水などは皮膚に直接噴射するため、使用した直後は猫の皮膚にも付着する可能性があります。猫に接触するのであれば、一度香水をつけた場所を洗うなどの対応は必要と思われます。
においがこもっていると、猫が長時間吸収してしまう恐れがあります。香料の入った製品を使用したら換気を行うなど、におい対策が必要です。
猫と香りの共存で気をつけたい生活習慣のポイント
香りは使い続けていると慣れてしまう傾向があります。そのため、自分ではにおいを感じにくくなり、より多くの量を使うようになってしまいます。香水がいい例ではないでしょうか。香水を使っていると、においに慣れてしまい、周りが不快に思うほどの量をつけてしまい、香害と呼ばれてしまうことがあります。そして、猫も長時間においにさらされるようになり、気管支炎や中毒症状、においに対するアレルギー反応を起こすことがあります。
猫と生活するのであれば、なるべく香料の少ないものや無香料のものを選びましょう。
まとめ|猫のために「香りの見直し」を

人にとっての癒しが猫にとっては負担になることも
猫は人よりも嗅覚に優れているだけでなく、代謝経路の問題から香料に対し中毒を起こします。アロマオイルなどは人によい作用があると考えられていますが、猫にとっては逆効果となってしまいます。猫が過ごしやすいよう、なるべく香料を使わないようにしたいものです。
香りを変えるだけで、猫のストレスが減る可能性
今使用している柔軟剤や芳香剤などに、もしかすると中毒となる植物由来の香料が含まれているかもしれません。もし咳や嘔吐、過剰なグルーミングなどがある場合、香りを変えるとこれらの行動が減少するかもしれません。
まずは身の回りの香りをチェックしてみましょう
なんとなく調子が悪い、最近くしゃみをしている場合、もしかすると香料が原因になっているかもしれません。強い香りを出すものだけでなく、ほのかに香るものでもアロマオイルなどは害となります。そういったものがないか、一度チェックしてみましょう。長期間改善がない場合は、香りによる体調不良でないかもしれません。必ず動物病院に相談しましょう。
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