猫がずっと鳴いているのはストレスなのか?猫の鳴き声の種類を獣医師が詳しく解説

猫がずっと鳴いているのはストレスなのか?猫の鳴き声の種類を獣医師が詳しく解説

猫が「ニャーン」と鳴く以外にも、様々な鳴き方があります。

実は猫は本来鳴き声でのコミュニケーションはあまり取りません。猫同士のコミュニケーションは、体(耳、ひげの向き、背中、しっぽの高さ)を使って行います。

子猫期は鳴き声を用いて母猫とコミュニケーションを取りますが、飼い猫は飼い主さんを親(または子)と思っているために、よく鳴く傾向にあります。

今回は、猫の鳴き声の種類について解説します。

猫の鳴き方の種類は?

猫の鳴き方の種類は?

猫の鳴き声には、「ニャーン」以外にも、10種類程度の鳴き声があると考えられています。鳴き声から猫の気持ちがわかる場合もあるので、よく聞いてみるとおもしろいかもしれません。

「ニャッ」「ニャッニャッ」

短く「ニャッ」と鳴く時は、「はーい」と返事や挨拶をしていたり、機嫌がいいときの鳴き声です。この鳴き声は、とても好意的な鳴き声といってもいいでしょう。

「ニャオ」「ニャーン」

この鳴き声は、飼い主さんに何かを要求して甘えている時の鳴き声です。例えば、「ごはんがほしい」「遊んで」などを訴えたいとき、甘えた声で「ニャーン」と鳴いてきます。

かわいいからと言って要求に応えすぎると、猫もわがままになります。

「ニャオ~ン」「アオ~ン」

とても大きな声で「ニャオ~ン」と鳴くときは、発情期を迎え「恋人募集中!」と呼びかけています。遠くの猫に届くように、独特な声で大きく鳴くため、驚かれる飼い主さんも少なくありません。不妊手術を受けると、この鳴き声は収まってくるといわれています。

「シャー」「フー」

背中を丸め毛を逆立てた状態で「シャー!」と鳴いている場合は、威嚇や攻撃を表しています。この状態で近づくと、飼い主さんであっても攻撃される恐れがあります。

また、体を小さく丸め耳を後ろに反らせ「フー」と鳴いているときは、恐怖や不安が強い状態です。無理に触らず、猫が自分で動けるようになるまでそっとしてあげましょう。

「アーオ」

恐怖が強いと、太い声で「アーオ!」と鳴き続けることがあります。いつもの鳴き声とは明らかに異なり、物陰に隠れてなおている場合は恐怖が強い鳴き声です。

「ニャニャニャッ」「カカカッ」

これは「クラッキング」と呼ばれ、獲物を狙っている時の鳴き声です。猫は狩猟本能があるため、外の鳥や虫などを獲物と認識しますが、室内飼育では狩りができず、その歯がゆさから鳴いているとも言われています。

「ゴロゴロ」「グルグル」

抱っこされていたり、撫でられているときに「ゴロゴロ」「グルグル」と喉を鳴らすことがあります。これは安心してリラックスしている、満足しているときに出る音です。子猫は生まれて間もないころから喉を鳴らすことができ、母猫とのコミュニケーションに用いられています。

恐怖が強いとき、痛みが強いとき、亡くなる直前にも喉を鳴らすことがあります。猫の「ゴロゴロ」には、猫本人だけでなく飼い主にもリラックス効果があり、痛みを和らげる効果があると考えられています。

「サイレントニャー」

「サイレントニャー」は、鳴き声はしないけれど鳴いているように口を開けているしぐさです。人間には聞こえないけれど、猫たちは聞こえる音の高さで鳴いていると考えられています。子猫は母猫にサイレントニャーをすることがあり、甘えたしぐさとも言えます。

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猫がずっと鳴いているのはストレスなのか?

猫がずっと鳴いているのはストレスなのか?

猫は本来あまり鳴き声を発しません。飼い猫は飼い主さんに甘えたり、おねだりするために鳴き声を発します。「ニャーン」と機嫌よく鳴くのはストレスではないでしょう。

猫が鳴き声を出す場合、痛みや苦しみがあることも頭に入れておかねばなりません。また、避妊手術をしていない雌猫では、発情期特有の大きな鳴き声で鳴き続けることがあります。さらに高齢猫の場合、認知症により自分の状況がわからなくなることで、不安から鳴き続けてしまうこともあります。

普段あまり鳴かない猫が鳴き続けるのは、猫にとってもストレスであり、飼い主さんにとってもストレスとなります。何も原因がなく鳴いているのではなく、何か原因があって鳴き続けることがほとんどです。そのため、原因となるものからのストレスの方が大きいと考えられます。

猫が鳴き続ける場合、ほかに何か症状がないか、普段と違うところがないかをよく観察し、動物病院に相談しましょう。原因が解消されれば、鳴き続けることもなくなります。認知症などで鳴き続ける場合も、抗不安薬や睡眠薬によって鳴き声をコントロールすることもできます。

鳴き声だけで鳴くしぐさも観察しましょう

鳴き声だけで鳴くしぐさも観察しましょう

猫が恐怖や不安を感じていると、「フー」「シャー」などの鳴き声を発します。鳴き声以外にも、耳や背中、しっぽ、ひげの向き、瞳孔の開き方からも、猫の感情を読み取ることができます。猫が不安や恐怖を感じているようであれば、隠れる場所を用意したり、恐怖の対象をなくすなどの対応が必要です。

猫に何かの問題があって鳴き続けることがほとんどです。しかし、鳴き声を我慢してしまう猫もいます。食欲、排泄、水分量、行動などをよく観察し、少しでもおかしいと思えば動物病院を受診しましょう。

まとめ

まとめ

猫の「ニャーン」という鳴き声はとてもかわいいものです。鳴き声ひとつとっても意味があります。猫からの言葉を良く聴いて、信頼関係を築きたいですね。

また、不調による鳴き声は普段聴いている鳴き声とは違います。いつもと違うと思ったら、すぐに動物病院に相談することも大切です。


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