保護猫や元野良猫を迎えた時、「この子はいったい何歳なんだろう?」と疑問に思うことはありませんか?おおよその年齢がわからないと、フードの切り替え時期やワクチン接種のスケジュールに迷ってしまいます。今回は、プロが実践している「体の特徴から年齢を推定する方法」と、年代別の適切なケアについて解説します。
なぜ必要?保護猫の「推定年齢」を知ることは健康管理の第一歩

ライフステージに合った食事を与えるため
猫のライフステージによって、与える食事が異なってきます。人間で想像してもらうと、赤ちゃん、成長期の中高生、大人、老人でも食事内容や摂取量が異なることがわかると思います。猫も人間と同じように、成長期の子猫、維持期の成猫、ケアが必要なシニア猫では、必要なカロリーや栄養素が全く異なります。ライフステージに合わないフードは、消化不良など胃腸に負担をかけるだけでなく、肥満や栄養失調の原因になります。ライフステージに合った食事を与えるためにも、猫の推定年齢を知ることが大切です。
病気のリスク管理と検診のため
猫は7歳を過ぎると腎臓病や関節炎、腫瘍などシニア特有の病気のリスクが上がります。推定年齢を知ることで、「そろそろ血液検査を始めよう」といった予防プランが立てられます。
獣医師はここを見る!猫の年齢を見分ける「歯」と「目」、「体格」のチェックポイント

歯の生え変わりと汚れ具合
我々獣医師が猫の年齢を予想する際に、歯と目、体格を手掛かりにおおよその年齢を判断します。特に歯の状態は年齢の判断に重要で、特に子猫の場合は月齢の予想に役立ちます。
乳歯があるか、永久歯が生え揃っているか、そして歯石の付き具合や摩耗(すり減り)加減が大きな手掛かりになります。
目の色と毛並み
目:生後1か月程度であると、キトンブルーと呼ばれる青い目をしており、そこから徐々に色素が変化していきます。また、シニアになると水晶体が白っぽく濁る(核硬化症や白内障)ことがあります。
体格と毛艶:子猫の猫であれば、体も大きくなく、筋肉や脂肪のつき方もあまり顕著ではありません。お腹だけがパンパンになっているのも子猫時代にはよく見られます。若い猫は活動的であるため、筋肉質で毛並みも良い状態です。高齢になると活動量が低下するため、筋肉や脂肪が落ち、背骨が触れるようになったり、グルーミング不足で毛艶がなくなったり毛束ができて、ゴワゴワとした手触りになります。
お家でチェック!「猫の歯」で見る年齢の目安リスト

子猫期(0歳〜1歳未満):成長のスピードで見分ける
生後2週間:乳歯が生え始める。
生後2か月:すべての乳歯が生えそろう。
生後3〜6ヶ月:乳歯から永久歯への生え変わり時期。
生後6〜7ヶ月:全ての永久歯(30本)が生え揃う。真っ白できれいな状態。
成猫期(1歳〜6歳):歯の汚れと黄ばみに注目
1歳:歯は白く、全体的にきれい。
2〜3歳:歯に少し黄ばみが見られる。歯石が付き始める。
3~5歳:全体的に黄色みを帯び、奥歯に歯石が目立ち始める。
5歳以上:先端が丸くなり始め、歯が抜けていることもある。
シニア期(7歳以上):摩耗と欠損
7〜9歳:歯の先端が丸くすり減ってくる(摩耗)。歯が抜けていたり歯肉炎が目立ってくる。
10歳以上:歯石が重度になり、歯が抜け落ちていることもある。
年齢不明でも大丈夫!ライフステージに合わせた最適なケアとフード選び

子猫・若猫(〜1歳)と推定されたら
高栄養・高カロリーで消化をしやすい「子猫用フード」を与え、体をしっかり作ります。
ワクチン接種(初年度プログラム)と、避妊・去勢手術の計画を立てましょう。
歯周病予防のために、歯みがきなどのデンタルケアは小さい頃から取り入れましょう。
成猫(1歳〜6歳)と推定されたら
肥満になりやすい時期です。特に避妊・去勢手術をしていると、肥満になりやすくなります。「成猫用フード」や「避妊・去勢後用フード」でカロリー管理をし、遊びで運動不足を解消します。
歯周病予防のために、定期的な歯科検診や歯石除去をしましょう。年に1回の健康診断も受けましょう。
シニア猫(7歳〜)と推定されたら
消化に良く、腎臓に配慮した「シニア用フード」へ切り替えます。また、様々な疾患が増えてくるため、病気の治療に適した療法食も必要になります。
寝る時間が増えるため、段差を減らすなどのバリアフリー対策や、半年に1回の健康診断を推奨します。
まとめ

保護猫の年齢は歯や目、体格などから、ある程度推測することが可能です。正確な誕生日が不明な場合は、「家に迎えた日」を誕生日にして盛大にお祝いしましょう。
推定年齢を基準に、今の愛猫に必要なケアをしてあげることが、健康長寿への一番の近道です。






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