「ショーケースの中の子猫と目が合ってしまった」「運命を感じた」という経験はありませんか?日本ではペットショップで猫を迎えるのが一般的ですが、獣医学的・動物福祉的観点からは知っておくべきリスクもあります。
今回は「ペットショップで猫を迎える際の注意点」と「本当に健康な子の選び方」について解説します。
猫をペットショップで買うメリットと3つのデメリット
メリット:特定の種類・月齢の子に出会える
ペットショップには様々な猫種が展示されており、そのほとんどが生後2~3か月の子猫です。血統書付きの猫が展示されているため、自分の好きな猫種や生後2〜3ヶ月の子猫を確実に見つけられる利便性があります。
ペットショップには生体以外に飼育グッズも販売されているため、その場で一式揃えられる手軽さも魅力です。
デメリット1:社会化不足と性格の問題
子猫は小さい頃に親猫から様々なことを学びますが、その期間に様々なことを経験することで、環境や人などへの順応能力が変わってきます。その時期を「社会化期」と呼び、猫は生後2週~生後9週ごろと、期間が短いことが特徴です。現在の日本の動物愛護管理法では、生後8週までは親猫と生活させるように定められていますが、「社会化期」に適切な学習ができていない場合があります。これにより、噛み癖がついたり、臆病で攻撃的な性格になりやすかったりするリスクがあります。
デメリット2:感染症と遺伝性疾患のリスク
ペットショップで展示されている猫は、ブリーダーなどの繁殖場で生まれ、8週まではそこで育てられます。繁殖場では多数の猫が飼育されており、猫風邪や寄生虫に感染しているケースが少なくありません。また、ペットショップ内でも感染症の蔓延は起きています。
現在、遺伝性疾患は交配に用いないことが推奨されていますが、無理な繁殖により遺伝性疾患を持っている可能性も否定できません。
デメリット3:衝動買いによるミスマッチ
「可愛い」という感情だけで購入してしまう方は後を絶ちません。特にクリスマスや卒入学シーズン、誕生日などのイベントで、プレゼントとして購入され、「思っていた性格と違う」「飼育が大変」と後悔する飼い主様もいます。場合によっては、そのまま捨ててしまったり、飼育放棄してしまうことがあります。
後悔しないために!購入前に必ず確認したい「健康チェックリスト」

外見でわかる健康状態のサイン
気に入った猫がいたら、必ず健康状態を確認しましょう。顔や体を見るだけでもある程度わかります。必ずチェックしましょう。もし健康状態が気になっても購入されるのであれば、早めに動物病院に相談する必要があります。
- 目:目やにが出ていないか、涙目になっていないか(猫風邪の疑い)
- 耳:耳垢が溜まっていないか、痒がっていないか(耳ダニの疑い)
- お尻:肛門が汚れていないか(下痢をしていないか)
- 毛並み:ハゲやフケがないか(皮膚病、真菌の疑い)
- 体つき:痩せていないか(食欲不振、内臓疾患、感染症の疑い)
例え気に入ってたとしても、これらに当てはまるのであれば避けた方がよいでしょう。
店員さんに必ず質問すべきこと
購入する際に、販売者は重要説明事項を購入者に伝えなければなりません。しかし、購入する前にも確認し、説明できない販売者から購入しない方がよいでしょう。
質問事項は次のようになります。
「この子のブリーダーはどんな人ですか?」(トレーサビリティの確認)
「遺伝子検査は済んでいますか?」
「ワクチン接種証明書を見せてください」
「もし病気が見つかった場合の保証期間はどうなっていますか?」
これらの質問にすぐに応えられなかったり、調べようとしない、はぐらかす場合は誠実なショップとは言えません。また、「購入されないのであれば教えられません」も販売者としては不誠実です。ショップの店員さんの態度もお店選びの一つです。
選択肢は一つじゃない。「保護猫」を迎えるという幸せな選択

性格がわかっている「成猫」の魅力
子猫は可愛いですが、生後まだ間もない場合、食事管理や留守番、トイレが難しく、体力も無限大で手がかかります。その点、成猫であれば体力的にも性格的にも落ち着いて来ます。成猫はペットショップでは手に入りにくく、保護施設などにいる保護猫の成猫を迎えるのがよいでしょう。保護猫は施設でトレーニングを受けていることが多く、人に慣れていたりトイレの失敗も少ないことがほとんどです。留守番などの制限も少ないため、ライフスタイルに合った子を選ぶことができます。
生体販売の裏側と「命を救う」こと
ペットショップで売れ残った猫たちの行方や、繁殖引退猫の存在を知ってください。現在、日本の多くの愛護センターが、繁殖業者などから売れ残った猫などの引き取りを拒否していますが、それでも遺棄されてしまったり、繁殖業者が飼育崩壊することもあります。このような猫たちは保護施設にレスキューされ、新たな家族を待っています。里親になることは、一つの命を救うという大きな意義があります。
まとめ

ペットショップにはかわいらしい子猫が展示されており、心を奪われてしまいます。しかし、衝動的に購入することは絶対にNGです。家族全員で話し合い、終生飼育できるか確認してください。購入される際は、感染症や社会化不足などのリスクを理解し、チェックリストにある項目をしっかり確認しましょう。
成猫は子猫とはまた違った魅力に溢れています。「保護猫」という選択肢があることも忘れないで、あなたと愛猫にとって一番幸せな出会い方を選んでください。
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