猫を保護してすぐの診察中に、「誕生日はいつごろですか?」と質問されることが多くあります。せっかく家族になったのだから、一緒に愛猫の誕生日を祝ってあげることはとても大切です。動物病院では、歯や目、被毛の状態からおおよその年齢がわかります。
本記事では、獣医師の視点から年齢の調べ方や、猫の健康に配慮した安全な誕生日の祝い方のコツを解説します。
保護猫の「誕生日がわからない」場合の決め方・調べ方

動物病院で「推定年齢」を調べてもらう
猫の年齢(子猫であれば月齢)は、歯や目、被毛の状態などから、おおよその年齢がわかります。子猫であれば、「何月生まれかな」と予想できますが、正確な生年月日まではわかりません。
獣医師は主に以下のポイントから推定年齢を割り出します。
- 歯の状態(歯の生え方、乳歯か永久歯か、歯石のつき具合、歯のすり減り方)
- 体重や骨格(体重から月齢を推測したり、成猫かシニアかなどが推測可能)
- 被毛や目の状態(1か月齢程度の猫であればキトンブルーが確認できる。シニア猫の場合、被毛のパサつき具合から推測)
生まれた正確な日付までは分からないので、動物病院で「だいたい○月生まれですね」と言われたら、その月の1日や保護した日、飼い主さんの好きな日を誕生日に設定して全く問題ありません。
保護された日や、出会った日を「仮の誕生日」にする
前述した通り、保護猫の場合は正確な誕生日はわからないケースがほとんどです。保護猫で庭先で生まれたなどであれば、ほぼ正確な生年月日がわかっている場合もあります。保護団体から譲渡された場合、「保護団体に保護された日」を誕生日にするケースも多いです。
また、道端で出会った日など、「愛猫の命が救われた日」を誕生日としてお祝いするのも素敵な決め方です。
誕生日の代わりに!保護猫ならではの「うちの子記念日」とは?

家族として結ばれた「譲渡日(お迎えした日)」をお祝い
海外では、保護犬や保護猫を家族に迎えた日を「Gotcha Day(ガッチャ・デー=うちの子記念日)」と呼び、誕生日と同じように盛大にお祝いする文化があります。
「うちに来てくれてありがとう」「新しい人生のスタートだね」という感謝と祝福の気持ちを込めて、お迎えした日を特別な記念日としてお祝いしましょう。
動物病院で生年月日を確認すると、成猫で保護された・譲渡されたケースでは「うちの子記念日」を誕生日とされる方が多いように感じます。
誕生日と記念日、2回お祝いしてももちろんOK!
「推定誕生日」と「うちの子記念日」が両方ある保護猫ちゃんは、年に2回主役になれるチャンスがあります。
どちらも飼い主さんとの絆を深める大切な日です。愛猫の健康を願い、穏やかな日常に感謝する日として楽しみましょう。
【獣医師が解説】保護猫の誕生日・記念日をお祝いする時の注意点

いつもと違う「ごちそう」による消化不良に注意
お祝いだからと、急に慣れない豪華なケーキやオヤツをたくさん与えると、下痢や嘔吐など胃腸炎を起こす原因になります。当院で実際にあった事例ですが、記念日に人間のアイスクリームや生クリームを与えてしまい、体調不良を起こしたケースがありました。絶対に人間の食べ物は与えないようにしましょう。
いつものフードに、大好きなオヤツを少しだけトッピングする程度が、猫の体にとっては一番安全で嬉しいごちそうです。
写真撮影やおめかしは「猫のストレス」にならない範囲で
記念写真を撮るために、嫌がる猫に無理やり帽子を被せたり、長時間拘束したりするのはNGです。
おめかしをするなら、普段から着け慣れている首輪に、着脱しやすいリボンやバンダナをつける程度に留めましょう。もし、普段からアクセサリーをつけていない猫ちゃんは、写真にスタンプなどをつけて加工するなど、負担の少ない形にしましょう。
また、人のイベントではクラッカーを鳴らしたり、大きな声で盛り上げたりすると思いますが、猫ちゃんにとってはとても強いストレスになります。いつもの声のトーンで「おめでとう」と伝えてあげてください。
まとめ:正確な誕生日より、愛情を伝える「晴れの日」を大切に

猫の正確な誕生日は、自宅などで生まれていない限りわかりません。なので、動物病院で推定年齢を聞いて、飼い主さんの好きな日に決めても大丈夫です。お迎えした日を「うちの子記念日=誕生日」にするのがおすすめです。
お祝いの時は、猫のストレスや体調に配慮してお祝いしましょう。家族みんなに囲まれて安心できる環境こそが、猫にとって最大のお祝いです。
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