猫ちゃんと暮らしていると「ノミ・ダニ対策」が気になりますね。
できれば猫ちゃんの体にノミやダニがつくのを防ぎたいもの。でも、ノミやダニがついてしまったときはどうすればいいのでしょうか? また、効果的に予防する方法や薬はあるのでしょうか?
今回は猫ちゃんのノミ・ダニ対策について、ノミダニ予防方法や駆除方法、噛まれてしまったときの症状を解説します。
ノミ・ダニの基礎知識
ノミもダニも吸血するタイプの小さな寄生虫です。ノミは6本足なので昆虫の仲間、ダニは8本足なのでクモの仲間です。
刺されるとかゆみだけでなく、ウイルスやほかの寄生虫に感染する危険もあります。なかには飼い主さんに感染するものも……。
まずは、基礎知識としてノミとダニの特徴や違いについて紹介します。
ノミについて
猫ちゃんに寄生するノミは「ネコノミ」といいます。体長1.5mmほどですが、吸血すると3mmほどまで大きくなります。
ネコノミの幼虫は吸血しませんが、成虫になると吸血をして産卵します。気温が13℃以上、快適な湿度などの条件がそろうと爆発的に繁殖します。
ダニについて
ダニのなかで猫ちゃんに寄生するのは「マダニ」と「ヒセンダニ」です。
マダニは幼虫も吸血します。強力なあごで噛みつき、体長2~4mmから1cmを超える大きさになるまで吸い続けます。
ヒセンダニは肉眼ではほとんど見えませんが、猫ちゃんの皮膚にトンネルを掘って住みつきます。
ノミ・ダニに噛まれたときの症状
猫ちゃんにノミやダニが寄生した場合、どんな症状が出るのでしょうか? かゆみ以外にも症状があることを知らない人も多いかもしれません。
猫ちゃんの不調にいちはやく気づくためにも、ノミ・ダニに噛まれたときの症状について知っておきましょう。
ネコノミによる症状
ネコノミに噛まれることで、かゆみや皮膚炎を起こします。また、ネコノミの唾液がアレルゲンとなって、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こすこともあります。
また、「瓜実条虫症(サナダ虫)」や「猫ひっかき病」といった感染症も媒介します。
マダニによる症状
マダニに寄生されると、かゆみや皮膚炎だけでなく、貧血症状を起こすことがあります。
また、さまざまな細菌やウイルスを媒介するので飼い主さんにとっても危険です。
「猫ヘモバルトネラ症」「ライム病」「Q熱」などのほか、命に関わることもある「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」を媒介します。
マダニが媒介する感染症については、厚生労働省ホームページに詳しく掲載されています。
ヒゼンダニによる症状
ヒセンダニは皮膚内部にトンネルを形成しながら寄生するため、激しい痛みがあります。さらにかゆみや脱毛、かさぶた、フケなどの症状が見られます。
頭・顔・耳から発症することが多く、「疥癬(かいせん)」の原因になります。また、耳に住みつくダニを「ミミヒセンダニ」といい、耳の中に症状が出る「外耳炎」「耳疥癬」を起こします。
ノミ・ダニの駆除方法
猫ちゃんの体にノミやダニがついているのを見つけたら、すぐに取ってあげたいと思ってしまいますね。
ただし、取り方を間違えると症状が悪化したり、感染症にかかってしまうこともあるので注意が必要です。
ノミ・ダニを見つけたら動物病院を受診し、飲み薬やスプレータイプ、首筋に垂らすタイプのノミ駆除薬を処方してもらいましょう。
ノミの駆除方法
猫ちゃんの皮膚に黒い粒々がついていたらネコノミのフンかもしれません。濡らしたティッシュに載せると赤くなるので、よく観察してみましょう。
ノミを見つけてもつぶしてはいけません。卵が飛び散る、感染症にかかるなどのリスクがあるため、中性洗剤を薄めた水に沈めたり、粘着テープで挟むなど、つぶさずに処理します。
ノミは水に弱いので、応急処置としてノミ取りシャンプーをする方法もあります。シャンプー後はノミ取りぐしでノミをつかまえて処理します。
いずれにしても、自己判断せずに動物病院を受診しましょう。
また、ノミを1匹でも見つけると、室内にもノミが潜んでいる可能性があります。掃除機がけをして、ノミ・ダニ用の殺虫剤をスプレーしておきましょう。ノミは2週間ほどで卵から成虫になるため、最低でも3週間は念入りに掃除を行います。
マダニの駆除方法
マダニは皮膚の奥まであごを突っ込んでいるので、簡単には離れません。無理に引っ張ると胴体だけが取れて、あごが体内に残ってしまいます。
ノミと同じく、細菌やウイルス感染の危険性が高いため、つぶしてしまうのもNGです。
マダニを見つけても絶対に触らずに、動物病院を受診して駆虫してもらうようにしましょう。
ノミ取り首輪で駆除できる?
市販のノミ取り首輪は、駆除ではなく忌避の効果があるものです。ノミを弱らせることはできても、駆除はできません。また、ダニには効かないので注意が必要です。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
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ノミ・ダニの予防方法
猫ちゃんをノミ・ダニから守るため、3つの予防策を徹底しましょう。
- 完全室内飼いをする
- 室内を清潔に保つ
- 薬で予防する
完全室内飼いをすることでノミ・ダニのリスクを減らせます。
さらに、飼育環境を清潔に保つこともノミダニ対策に繋がります。猫ちゃん用のベッドや毛布も定期的に洗濯をしましょう。
それからいちばん大切なのは、ノミ・ダニ予防薬による予防です。首のうしろに垂らすスポットタイプの予防薬が手軽で効果的です。
ノミ・ダニ予防薬として「フロントラインプラス」がよく知られていますが、フィラリアもいっしょに予防できる「レボリューション」や「ブロードライン」がおすすめです。
猫ちゃんを怖い病気から守るためにも、年に1回は動物病院を受診し、必ずノミ・ダニ対策をしてください。
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まとめ
もふもふの猫ちゃんは、ノミやダニにとって快適な環境です。完全室内飼いでもノミ・ダニとは無縁ではないので、定期的な予防が必要です。
ノミ・ダニ予防には、スポットタイプの予防薬が便利です。月に1回、首の後ろに垂らすだけなので猫ちゃんへの負担も少ないです。
猫ちゃんの飼育環境によって必要な予防薬が異なりますし、投薬期間がいつからいつまでなのかも異なるため、必ず獣医師に相談するようにしてください。
月に1回の投薬スケジュールは、忘れないようにカレンダーや猫ちゃん専用の健康手帳にメモしておきましょう。
猫ちゃんの健康を守れるのは飼い主さんだけ。ブラッシングやスキンシップのついでに、ノミ・ダニチェックをしてみましょう。
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