猫ちゃんは、大切な家族。いつまでも元気に、健康でいてほしいと思うのは当然ですね。
だけど、猫ちゃんは不調を隠すのが上手。病気に気づけなかったらどうしよう……と不安になってしまいます。
そこでおすすめしたいのが「健康診断」です。今回は猫ちゃんの健康診断について、何歳から受ければいいのか、どんな検査をするのか、費用はいくらくらいなのかを詳しく解説したいと思います。
猫に健康診断が必要な理由
昔にくらべると、猫ちゃんはとても長生きできるようになりました。完全室内飼いや食生活の改善、それから獣医療の進化もその要因です。
とはいえ、猫ちゃんは人間の4~5倍のスピードで年を取ります。猫ちゃんは不調を隠すともいわれているので、気づいたときには病気が進行していたなんてこともあります。
猫ちゃんの病気の早期発見のためには、定期的な健康診断が必要です。
早期発見できれば完治できる可能性もありますし、症状を和らげることができるかもしれません。
また、猫ちゃんの健康状態を把握しておくことも大切です。特に肥満には要注意。猫種や年齢によって適正体重も異なるので、定期的にチェックしてもらえると安心です。
猫の健康診断(キャットドック)は何歳から?年に何回必要?
猫ちゃんの健康診断は「病気の早期発見・早期治療」と「健康状態の把握」のために必要なことです。
でも何歳から健康診断を受けるべきなのでしょうか? また、どのくらいの頻度で受ければいいのでしょうか?
初めての健康診断は生後6か月ごろ
生後6か月ごろは避妊去勢手術を検討する時期です。手術を受ける前に、必ず健康診断を受けるようにしましょう。
子猫は体調を崩しやすいです。生後2か月ごろから始まるワクチン接種とあわせて、健康診断も受けるようにするといいですね。
子猫のころから動物病院の雰囲気に慣れておくと、大人になってからも通院時のストレスを減らせるというメリットもあります。
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1歳を過ぎたら1年に1回は健康診断を
1歳を過ぎたら、1年に1回の頻度で健康診断を受けましょう。
猫ちゃんの誕生日や家族になった日など、記念日を健康診断の日にしてしまうのも手です。スマホや猫ちゃんの健康手帳にメモしておくと忘れません。
1年に1回の寄生虫予防とあわせるなら、毎年春ごろに健康診断を受けるのがおすすめです。
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7歳を過ぎたら半年に1回の健康診断がおすすめ
シニアの年齢になると、ぐっと運動量が減ってきます。肥満だけでなく、腎臓病などの病気のリスクも高くなるため、半年に1回の健康診断がおすすめです。
普段から飲水量やおしっこの様子も観察しておくといいですね。
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猫を保護したらまずは健康診断を
ある日突然、猫ちゃんを保護してしまうこともあるかもしれません。保護した猫ちゃんが小さな子猫だと、不安もいっぱいですよね。
猫ちゃんを保護したら、まずは動物病院で健康診断を受けましょう。ケガをしていないか、病気になっていないか、マイクロチップは入っていないかなどをチェックします。ある程度の年齢や性別も調べてもらえます。
さらに感染症の有無を調べるために、血液検査や検便なども行います。必要に応じて駆虫も行います。
猫ちゃんをこのまま家族に迎え入れるなら、ワクチン接種や寄生虫対策、避妊去勢手術を行います。もちろん、その後も定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
猫の健康診断(キャットドック)は何するの?検査内容は?
猫ちゃんの健康診断は、基本的には以下の項目をチェックします。
- 身体検査
- 血液検査
- 尿検査
- 便検査
身体検査では体重と体温測定、視診、触診、聴診などの基本的な健康チェックを行います。歯や歯ぐきの状態、皮膚炎やしこりの有無、関節の状態など、全身の状態を調べます。
血液検査では採血をして、臓器に異常がないかを確認します。人間の健康診断と同じく、血糖値やコレステロール値も測定します。
おしっこやうんちは自宅で採取したものを持参します。難しい場合は、動物病院でも採取できるので相談してみましょう。尿検査ではpH値や細菌のチェック、便検査では寄生虫や血が混ざっていないかなどをチェックします。
年齢や健康状態によってはオプション検査も
猫ちゃんに持病がある場合、シニア猫ちゃんの場合は、以下の検査もあわせて行います。
- レントゲン検査
- エコー検査
- 甲状腺ホルモン検査
レントゲン検査では臓器の位置や大きさ、骨の変形や関節の異常など、外見ではわからないことを診断します。エコー検査では、しこりや尿路結石がないかをチェックします。
シニアの年齢になると甲状腺機能亢進症にかかりやすくなります。そのため、甲状腺ホルモン検査(血液検査)も受けておくと安心です。
猫の健康診断の費用は?
猫ちゃんにも健康診断が必要ですが、費用が気になります。身体検査、血液検査、尿検査、便検査の基本的な健康診断の場合、5,000円から15,000円が費用相場のようです。
さらに、レントゲン検査、エコー検査、甲状腺ホルモン検査などのオプションを追加すると15,000円から30,000円ほどが目安になります。
健康診断はペット保険は使えず、自費での受診になることがほとんどです。動物病院によっては「アニマルドック」「キャットドック」などの健康診断メニューがあり、費用体系がわかりやすくなっている場合もあります。
健康診断の費用は猫ちゃんの年齢、体重によっても異なります。猫ちゃんに必要な検査は何か、費用はどれくらいかかるのか、事前に確認しておくようにしましょう。
猫の健康診断で注意したいこと
猫ちゃんの健康診断を受けるとき、いくつか注意したいことがあります。
持病や服用中の薬の確認
健康診断前の問診では、猫ちゃんの体調で気になることや既往歴、服用中の薬などについて聞かれます。正確に伝えるためにも、猫ちゃん専用の健康手帳などにまとめておくといいですね。
絶食の有無
血液検査をする場合、絶食が必要になるケースがあります。健康診断の予約時に絶食の指示があったら、必ず守るようにしましょう。
所用時間はどのくらいか
基本的な健康診断の場合は1時間程度、オプション検査でより詳しく調べる場合は半日程度かかる場合もあります。所要時間についても、予約時に確認しておきましょう。
通院時の脱走対策
完全室内飼いの猫ちゃんにとって、健康診断のための外出は怖いもの。パニックになって脱走してしまわないように、脱走対策はしっかりとしておきましょう。
移動時は必ずキャリーバッグに入ってもらい、暴れるようなら「洗濯ネットに入れる」「バスタオルで目隠しする」などで落ち着かせましょう。ハーネスに慣れているなら、リードをつけてからキャリーバッグに入ってもらいます。
まとめ
健康そうに見えても、実はしんどい……。猫ちゃんは本能的に不調を隠すものです。飼い主さんが猫ちゃんのちょっとした不調に気づくことは難しいかもしれません。
だけど、猫ちゃんは腎臓病のリスクが高く、気づいたときにはかなり進行していることもめずらしくありません。病気を早期発見、早期治療するためにも、定期的な健康診断はとっても大切です。
避妊去勢手術を受ける生後6か月ごろから、1年に1回は健康診断を受けるようにしましょう。7歳を超えたシニア猫ちゃん、持病のある猫ちゃんは半年に1回の健康診断がおすすめです。
また、健康な状態での検査数値を記録しておくことで、体調を崩したときに原因を発見しやすくなります。
猫ちゃんにはちょっとだけがんばってもらって、1年に1回の健康診断をぜひ受けるようにしましょう。
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