はじめましての方も、はじめましてじゃない方もこんにちは。
猫狂でミニマリストの阪口ゆうこです。
動物と暮らしたことがある人なら、「虹の橋」というワードを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私もずっと言葉だけは知っていました。
ええ、これを書く15分前までは。
内容を知ってしまった今、涙腺は決壊し、ティッシュで作った鼻栓をしながらキーボードを叩いています。
「虹の橋」って何?
「虹の橋」は、愛する動物を亡くした人を慰めるために世界中に広まった物語です。
インターネットが普及し始めた1990年代に英語圏から広がり、日本でもペットロスの心を癒やし続けています。
著作権の都合で全文を貼ることはできないのですが、私なりに要約するとこうです。
動物が命を終えると、最初に辿り着くのは「虹の橋のたもと」という場所。
そこは草原と丘が広がり、天気はいつも穏やか。
美味しいごはんときれいな水がたっぷり用意されています。
動物たちは病気も老いもなく、元気に仲間と走り回っています。
しかし、ひとつだけ満たされない想いがあります。
それは「大好きな飼い主がいない」ということ。
そしてある日、飼い主がこの世を去る瞬間。
動物は遠くからその姿を見つけ、歓喜のダッシュをかまします。
飼い主も駆け寄り、全力のハグ。
二度と離れることなく、虹の橋を一緒に渡っていく……。
……はい、私、いま再び泣いてます。
涙腺が再び大暴れしてキーボードが見えないので、結果的にブラインドタッチの練習になっています。
泣きながらタイピング力を向上させている人間がここにいます。

作者はだれ?ちょっとミステリー
この優しくあたたかく多くの人の悲しみを和らげる物語。
いったい誰が書いたのでしょう。
実はここが曖昧で、ちょっとミステリーのようなのです。
英語圏では「作者不詳」が一般的です。
1980〜90年代、アメリカの動物愛護団体や初期のネット掲示板で匿名のまま広がりました。
一説ではオハイオ州のカウンセラー、ポール・C・ダーハム氏が1981年に発表したとも言われていますが、原典は不確かです。
そして日本では「スコットランドのフランシス・リーキーさんが書いた詩」と紹介されることが多いです。
本やペット追悼サイトでもよくその名が書かれています。
ただし、英語圏の公式な詩集や記録にはリーキー氏の名はほとんど見つからず、裏付けは弱め。
おそらく日本語に翻訳・紹介されたときに「スコットランドの詩人」という肩書きがつき、そのまま広まった可能性があるようです。
世界的には今も「作者不詳」ですが、日本では「リーキーさん作」として親しまれているというのが現状です。
ちょっとした都市伝説っぽいけど、北欧の風が吹いてくるような響きで、個人的には嫌いじゃないです。

なぜ人をこんなにも救うのか
「虹の橋」が人の心を掴むのは、とにかく優しい世界を描いているから。
愛した動物の死を「永遠の別れ」ではなく「ひとときの不在」に変えてくれます。
「あの子は生前の痛みや苦しみから解放され、元気に遊びながら私を待ってくれている」
そう思えるだけで、胸の奥が軽くなるのです。
そして、世界中で希望や平和の象徴とされてきた虹の七色は、悲しみの空に差し込む光のイメージそのもの。
「虹の橋」は、科学的ではなくても、心に優しく効く薬です。
SNS時代の虹の橋
いまやSNS上でも「虹の橋」は大人気(というと語弊があるけれど)で、著名人が動物たちを亡くしたときにも「虹の橋を渡りました」という表現が使われます。
物語を知らなかったこれまでは「三途の川」を、無理して美しく表現しているのかと思っていたけど、知ってしまった今は違います。
橋のたもとで微笑みながら大事な人を待っている様子。
悲壮感は少なく、救われるような気持ちになります。
きっと失った側もそれを望んでいる。信じていないとやりきれませんから。

私にとっての実用性
先のことを考えると、うちの猫たちがいつか先に旅立つ日がくるでしょう。
想像するだけで苦しいけれど、「行き先は虹の橋」と思えるだけで心の準備が少しできる気がします。
「先に行ってるね〜」とご機嫌な猫たちがイメージできたら、こちらも少しは楽に送り出せるかもしれない。
私自身の最期を考えるときも「この子たちが待ってるなら、それはそれで楽しみ」なんて思える。
これ、メンタルに効くすごいお守りです。

虹の橋で、うちの猫たちと再会する日を想像してみた
ビビリなのに何事にも興味がある我が家の黒猫。
久しぶりにあったらイカ耳で体じゅう嗅ぎまくられるんだろうな。
白猫だったら駆け寄ってくれるのは確実。目の病気もなく、吐き癖もない彼女を見たら私は泣いちゃうんじゃないだろうか。
しかし、再会したときの第一声はきっと「ごはん」だろうな。
そして私は向こうの世界でも毛まみれになり、ふたりを改めて溺愛するに違いない。
終わりが怖くなることって、どれも「幸せ」だと思うんです。
今、現実に恐怖を覚えている自分は、猫たちといることを心から幸せに感じているのだと再確認できました。
「虹の橋」は、誰が書いたかがはっきりしない不思議な詩です。
しかし出典があやふやでも、長年にわたりペットを失った人の心を救い続けてきたのは事実です。
ペットと暮らす限り、いつかは避けられない別れがあります。
けれど、その先に虹の橋があると知っているだけで、いま目の前にいる彼らがもっと愛おしくなるのです。
それまではこっちの世界でお互いにしっかり生きないと。

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