愛猫の誕生日やうちの子記念日は、飼い主にとって特別な1日。猫飼いの中には、「この日のことは忘れられない…」と感じる思い出満載の誕生日を経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
私にとって忘れられないのは、愛猫ジジが迎えた最期の誕生日です。悪性腫瘍の切除手術を乗り越え、無事に迎えることができたあの誕生日を、私は一生忘れません。
猫には稀な「血管肉腫」を乗り越えて迎えた誕生日
愛猫ジジは、2月13日生まれ。バレンタインデーの1日前というかわいいタイミングで生まれた子です。
自分や家族の誕生日にも無頓着なところがある私は、愛猫の誕生日や“うちの子記念日”をうっかり忘れてしまうこともしばしば…。あとから「…ごめんね!誕生日だった!」と謝って、おもちゃや爪とぎ、おやつを貢ぐことも珍しくありません。

そんなボケーっとした私でも「今回は、全力で祝いたい!」と強く思ったのが、ジジの11歳の誕生日でした。誕生日を迎える1ヶ月半ほど前、ジジは猫には稀な悪性腫瘍「血管肉腫」が見つかり、切除手術を受けました。
血管肉腫とは、血管を作る細胞が腫瘍化して増殖する病気です。進行が早く、高い確率で転移が見られる憎いガンです。

ジジの場合は、腸のあたりに血管肉腫ができていました。腫瘍は手術で切除することができましたが、手術前に腫瘍から血液が漏れてしまっていたので、獣医師から「血液に乗ってガン細胞が全身をめぐっている可能性がある」と告げられました。
また、「2~3ヶ月ほどで転移することが多い」との説明も…。大きなショックを受けましたが、ひとまずジジが自宅に帰ってきてくれたことが本当に嬉しかった。

もし、一緒に過ごせる日がそんなに長くないのなら、ジジが「生まれてきてよかった」と思えるような毎日にしよう。そう思い、以前にも増して、ジジファーストな日常を送るようになりました。
「最期の誕生日」の祝い方に悩んで…
そんな中で差し迫ったのが、ジジの誕生日。術後は、「私たちなら、きっと奇跡を起こせる。」と自分に言い聞かせながら経過観察していましたが、正直、「来年も一緒に誕生日迎えられるだろうか…」という不安はありました。

もしかしたら、今年がジジにとって最後の誕生日になるかもしれない。だったら、「今日は最高!」と思ってもらえる誕生日にしたい。そう思い、ジジが心から喜んでくれる祝い方を考え始めました。
でも、特別なことをしたいと思うほど、何をすればいいのか分からなくなっていきました。「愛猫 誕生日 プレゼント」とネットで検索しても、出てきた商品を見ると、「これは人間側の自己満だな」と思えてしまった。

ジジはおもちゃにあまり興味を示さない子だったので、新しい猫用おもちゃを購入しても同居猫たちへのプレゼントになってしまう可能性が高いと感じ、購入を躊躇。「最期かもしれない誕生日を精一杯、祝いたい」と思えば思うほど、プレゼント選びは難航していきました。
特別なプレゼントを選ばなくても“最高の誕生日”になる
そんな時、ふと浮かんだのは「ジジが心から喜んでくれるものってなんだっけ…」という自問自答。日常を思い返すと、ジジがウキウキしているのは決まって、おやつがもらえる時でした。

ジジが好きなものなら、特別なものじゃなくてもいいのかもしれない。そう自分に赦しを与えてあげられたら、プレゼントは不思議なほど、すんなり決まりました。
その年、私があげたのは大好きな猫用おやつ「ちゅ~る」のタワーと、子猫の頃から唯一飽きずに遊んでいたLEDライトのおもちゃ。嬉しそうなジジの姿を見て、「この子が本当に喜ぶものが分かるのは、長い時間を一緒に過ごしてきた飼い主だからこそなのかも…」と、重ねてきた月日の尊さを噛みしめました。

この日はプレゼントを渡すだけでなく、いつも以上にジジを最優先にして過ごしました。「間違いない好物をあげること」だけでなく、「喉を鳴らしたくなるほど嬉しいスキンシップ」も、飼い主しかあげられない贈り物だと思ったからです。
ふわふわの被毛に触れただけで、ヨダレを垂らしながら喜んでくれたり、頭を必死にぶつけてスリスリしてくれたりしたジジ。あの時の嬉しそうな姿は今も、心に焼き付いています。

「もう一度、おうちに帰ってきてくれてありがとう。また抱っこできて嬉しいよ。心の底から、大好きだよ」。そう伝える私を、ジジはまっすぐ見つめました。その瞳は、誕生日くらいは言葉にしないようにしようと心に秘めた「死んでほしくない」も「ずっと一緒にいて」も見透かしているかのようでした。
HAPPY Birthday🍰
— ゆあ | ライター🖊 (@yunc24291) February 13, 2025
11歳の誕生日おめでとう、ジジ。
今年は、どこかひとつでも治療のタイミングやが合わなかったら、今日を迎えられなかった可能性が高かったので、この日を迎えられて、余計に嬉しい。
10年以上も家族でいてくれて、ありがとう。これからも、あなたらしいニャン生を。 pic.twitter.com/rgVRZkKx6e
自分の本音を知られて、ジジを頑張らせてしまうのは嫌だった。だから、笑顔で「来年も、一緒に誕生日を過ごそうね」と伝えたけれど、きっと私の下手くそな演技なんてジジにはバレバレだっただろうな。だから、あの子はギリギリまで命を紡ぎ、そばにいてくれたんだと思います。

今年の2月に、12歳の誕生日を一緒に迎えることはできませんでした。でも、ジジの最期の誕生日は、これまでで一番、「愛猫が心から喜ぶこと」を考え抜けた日だったと思う。
永遠の11歳のまま、天国へ旅立ったジジ。いつか衣替えをして、また私のもとへ来てくれたら、その時は思いっきり誕生日を祝わせてね。






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