飼い主さんのお仕事などで、猫を留守番させることもあるかもしれません。今回は猫の留守番対策について解説します。
猫が留守番する時の不安と対策

猫は群れない動物ですが、急に一匹になると不安を感じるようです。留守番時の不安と対策について説明します。
猫が感じる不安の原因
猫は野生で生活している場合、群れをなさず一匹で生活していることが多いです。しかし、飼い猫の場合は、飼い主さんと疑似親子関係を築くため、飼い主さんとべったりになる傾向があります。そのため、留守番は一人にされたという不安がつきまといます。お仕事では半日以上家を空けることが多いと思います。いつ飼い主さんが帰ってくるかわからないところも、猫にとって不安を感じる部分です。
不安を軽減するための方法
不安を軽減するために、飼い主さんのにおいがついたTシャツなどを猫ベッドに置いて置くと安心できます。また、猫のおもちゃ(ボールなど)を置いておくと、おもちゃで遊んで気を紛らわせることができます。
不安軽減対策として、動物病院取り扱いのフェロモン剤も効果があります。
基本的に猫の留守番は24時間までです。それ以上の留守番は、ペットシッターを頼んだり、ペットホテルを利用するようにしましょう。
留守番前の準備と環境整備

留守番をさせる前にしっかりと準備をしておかないと、思わぬトラブルにつながることもあります。しっかり準備することが大切です。
食事と水の準備
水と食事は、留守番させる時間を想定して用意しましょう。水をこぼしてしまうことがあるため、設置する数を増やして用意しましょう。ご飯はまとめて置いておくと、一気食いをして嘔吐することもあるので、タイマー付きの給餌器を使うのもよいでしょう。
トイレの設置と清潔維持
トイレは通常でも猫の頭数+1個必要ですが、留守番の時は汚れても掃除ができないため、トイレを我慢してしまう可能性があります。トイレの個数を増やしておきましょう。
出かける前に必ず掃除をし、猫砂は深さが5㎝くらいになるように足しておきましょう。全自動で掃除までしてくれる猫トイレもあります。そういったものを活用するのもよいでしょう。
安全で快適な居場所の作り方
留守番をさせる場合、キャットケージを利用することがあると思います。猫は上下運動をするため、キャットケージは2段や3段など、高さがあるものがよいでしょう。猫のストレスを考慮すると、なるべく広さがあるものがよいでしょう。ケージの中に猫トイレやベッドを入れておきましょう。
多くの飼い主さんが、キャットケージではなく部屋で自由にさせているかと思います。猫を留守番させる場合、誤食、転落、感電、熱中症、低体温など様々なトラブルが起こる可能性があります。猫が留守番する部屋は、なるべく物を置かないようにしましょう。特に、電気コードは感電の危険性があるため、片づけておきましょう。キャットタワーは、倒れないように固定するなどの対策が必要です。室内の温度が適切でないと、猫も体調を崩します。エアコンを利用することが大切です。猫が隠れられる場所を用意しておくと、エアコンの風から逃げることもでき、何かストレスを感じても逃げ込むことができます。
長時間の留守番に対応する方法

猫を長時間留守番させることもあるかもしれません。しかし、24時間以内が猫を自宅で留守番させる限界です。それ以上の留守番は、ペットシッターやホテルを利用しましょう。
自動給餌器や水分補給装置の活用
留守番させる時間分の餌や水の確保が必要ですが、必要以上に食べたり飲んだりして嘔吐してしまうこともあります。また、水が足りなくなり脱水になってしまうこともあります。
自動給餌器や給水器があると、タイマーでフードが追加されたり、水が少なくなったら自動で補給されます。留守番の時間が長いようであれば、このような装置を活用した方がよいでしょう。
留守番カメラでの見守り
留守番中の猫がどうしているか気になると思います。見守りカメラがあると、飼い主さんも安心できるかもしれません。万が一、大きなトラブルが起きた時、駆けつけることもできます。
おもちゃや遊び道具の選び方
留守番中の退屈しのぎに、おもちゃを置いておくのもよいでしょう。ひもがついたおもちゃは、誤食の危険性があるため、留守番時のおもちゃには向いていません。また、動物の毛皮を使ったおもちゃも、誤食の危険性が高いので絶対に置かないようにしましょう。
口に入らない大きさのボールや、置き型の猫じゃらしなどがおすすめです。
その他に、おやつを隠して置くと探す楽しみができるため、留守番中のストレス発散にもつながります。
留守番後のフォローアップとケア

帰宅後にすべきこと
帰ってきたら、まず猫を褒めてあげましょう。しっかりスキンシップを取ることが大切です。たくさん抱っこしたり、撫でてあげましょう。おいしいおやつをあげるのもよいです。
そして、部屋や猫に異常がないかを確認しましょう。食事や水分は摂れたか、トイレはできたか、おもちゃがなくなっていないか、いたずらしていないかなどを一通り確認しましょう。もし何か異常があれば、すぐ動物病院を受診しましょう。
留守中に猫を安全に保つための注意点

危険物の管理と安全対策
留守番中、危険な物を出しっぱなしにすると、様々な事故につながります。猫がいたずらをして困るものは、必ず片づけてから留守番させるようにしましょう。特に注意が必要な物は、電気コード、ひも付きのおもちゃ、ビニール袋、刃物、ガラス、薬、観葉植物などです。留守番させる部屋は、なるべく物を置かないようにしたり、開けられない場所にしまっておきましょう。猫用ケージで留守番させるのもよいでしょう。もしコンロのある部屋で留守番するのであれば、コンロにチャイルドロックをかけることも必要です。
猫が隠れやすい場所の確認
猫が安心して留守番できるように、またエアコンや直射日光から隠れるために、隠れ場所が必要です。隠れ場所はなるべく静かな場所で、室温が空調などで調整されているところに設置しましょう。隠れ場所は段ボールや猫ハウスなどで十分です。ケージで留守番する場合も、ケージの中に置いてあげましょう。
緊急時の対応策を準備する
万が一の事態に備えて、緊急時の対策を予めしておく必要があります。
たとえば、飼い主さんが予定の帰宅時間に帰ることができなくなったり、急に24時間以上の留守番になった場合に備えて、親族やご友人に自宅の鍵を預けておき、お世話のお願いをしておきましょう。
帰ってきて様子がおかしい、ペットカメラで異常を発見した場合、すぐ動物病院にかかる必要があります。日中であれば、だいたいの病院が開いているのですが、夜間やお盆、正月などは診察できる病院が限られています。緊急で診察してもらえる病院を、いくつかリストアップしておく必要があります。
まとめ

短時間の留守番はあまり心配ではないかもしれませんが、丸一日留守にするようであれば、様々な対策をしてから留守番させましょう。飼い主が不安になるのはもちろん、猫はもっと不安になります。対策をして、快適に留守番できるようにしましょう。
24時間以上、猫だけで留守番させるのは、絶対にやめましょう。
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