うちの子、何度もトイレに行くけど頻尿なのかしら? おしっこが出にくいのかな?
猫ちゃんはおしっこにまつわるトラブルや病気が多いもの。ちょっとした変化も心配になりますよね。
そこで今回は猫ちゃんの頻尿に注目して、頻尿の原因や隠れている病気、受診の目安などを詳しく解説したいと思います。
猫の頻尿とは?おしっこの回数と量に注目
猫ちゃんの頻尿とは、1日に何度もおしっこに行くことを言います。
ただし、少しずつ何回もおしっこをしているのか、おしっこの量は多いのに何回もトイレに行っているのかで、考えられる病気も違ってきます。
- おしっこの量が少ない+おしっこの回数が多い=頻尿
- おしっこの量が多い+おしっこの回数が多い=多尿
このように、おしっこの量で「頻尿」か「多尿」かを判断することができます。猫ちゃんのおしっこの回数が増えたと感じたら、おしっこの量にも注目してみましょう。
猫ちゃんの1日のおしっこの平均回数は?
猫ちゃんの1日のおしっこの回数は平均2~3回ほどです。うんちは1日1回という子が多いようです。
とはいえ、おしっこの回数は個体差が大きいです。普段からよく観察しておき、いつもよりおしっこに行く回数が増えたかどうか、おしっこの量が増えたかどうかに気づけるようにするといいですね。
猫が頻尿になる原因
猫ちゃんの頻尿の原因でいちばん多いのは「膀胱炎(ぼうこうえん)」です。膀胱炎とは、膀胱に炎症が起こる病気のことをいいます。
猫ちゃんは少ない水分量でも生きていけるように、ぎゅっと濃縮したおしっこをします。そのため、腎臓や膀胱に負担がかかりやすく、泌尿器系のトラブルにかかりやすいのです。
膀胱炎による頻尿の症状
10歳以下の猫ちゃんの場合は「特発性膀胱炎(とくはつせいぼうこうえん)」といって、ストレスや食事が原因で起こる膀胱炎が多いです。
また、オスの猫ちゃんでは尿結晶や尿結石がなどが原因で発症することもあります。シニア猫ちゃんの場合は細菌感染も考えられます。
頻尿のほかに血尿の症状が出ることもあるので、おしっこの色にも注意しましょう。
食欲がないときは尿道閉塞の可能性も
「尿道閉塞(にょうどうへいそく)」とは、尿結晶や尿結石などが尿道が詰まり、おしっこが出にくくなってしまう症状のことを言います。
尿道の細いオスの猫ちゃんに多く、メスの猫ちゃんではほとんど見られません。
頻尿、血尿のほか、食欲がない、おしっこを出すたびに痛がるなどの症状があります。放っておくと急性腎不全や膀胱破裂など、命に関わる病気に発展することもあります。すぐに動物病院を受診しましょう。
猫が多尿になる原因
猫ちゃんが多尿になるとき、飲水量が増える「多飲」も同時に起こります。猫ちゃんの多飲は「腎臓病」が疑われます。
腎臓は血液をろ過して不要な老廃物をおしっことして排出します。身体に必要な水分は体内に吸収されるため、とても濃いおしっこになります。
加齢などで腎臓の働きが弱ると、血液のろ過や水分の吸収ができなくなり、薄いおしっこになります。飲んだ水分をそのままおしっことして過剰に出してしまうため、水を飲む量も増えるのです。
多尿が何日間か続く場合は腎臓病のほか、糖尿病や甲状腺機能亢進症などの病気も疑われます。特に慢性腎臓病の場合は症状がわかりにくいため、年に1回は血液検査などの健康診断を受けるようにしましょう。
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FLUTDのことも知っておこう
FLUTDとは猫下部尿路疾患といって、膀胱から尿道までの泌尿器系に起こるさまざまな病気の総称です。
特に多いのは膀胱炎や尿道閉塞で、頻尿や血尿のほか、おしっこが出にくい、おしっこをすると痛がるなどの症状があります。粗相をするのも、おしっこにまつわる不調のサインかもしれません。
治療を受けなくても症状がなくなることもありますが、再発する可能性が非常に高いです。原因を見つけるためにも、症状に気づいたら動物病院を受診するようにしてください。
まとめ
猫ちゃんの頻尿は病気のサインかもしれません。
それに、膀胱炎が原因の頻尿は再発しやすいです。1年以内に再発するといわれているので、膀胱炎の予防対策を心がけましょう。
まずはストレスを減らすこと。充分な運動量を確保し、トイレはいつも清潔にします。また、水を飲む量を増やすことも大切なので、ウェットフードをトッピングする、飲水器の高さを変える、水飲み場を増やすなどで対策しましょう。
普段から猫ちゃんのおしっこの回数や量をよく観察し、変化に気づいたら動物病院を受診するようにしましょう。
最近ではシステムトイレも人気で、自動でお掃除してくれるだけでなく、猫ちゃんのおしっこの回数や量を記録してくれるものもあります。
猫ちゃんのためのテクノロジーも活用しつつ、1日でも長く健康に過ごせるようにしたいですね。
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