フィラリアにかかった猫はどうなるのか?原因や症状、治療法も解説

フィラリアにかかった猫はどうなるのか?原因や症状、治療法も解説

春は「狂犬病予防」や「フィラリア予防」の季節。どちらもわんちゃん向けかと思いきや、そうではありません。実はフィラリア症は猫ちゃんにも感染する病気なのです。

猫ちゃんのフィラリア症も命に関わるかもしれない、とても怖い病気です。

今回は猫ちゃんのフィラリア症について、どんな病気なのか、どうやって予防するのかを詳しく解説します。

フィラリア症ってどんな病気?

フィラリア症ってどんな病気?

まずは、フィラリア症とはどんな病気かを知っておきましょう。

フィラリア症の原因

フィラリア症とは、フィラリアという寄生虫が寄生することによって起こる感染症のことをいいます。フィラリアの正式名称は「犬糸状虫」といって、主にわんちゃんに寄生します。

フィラリアの感染経路は「蚊」で、フィラリアに感染しているわんちゃんの血を吸った蚊が、別のわんちゃんの血を吸うときに体内に侵入します。

わんちゃんの体内に侵入したフィラリア幼虫は、血管をたどって心臓や肺で糸状の成虫に成長します。幼虫の段階では1mm程度ですが、成虫になると15cmから30cmほどになることも。

いちどに数十匹が寄生することもあり、わんちゃんの体内で5年ほど生存するといわれています。

フィラリア症の症状

フィラリアが寄生することで、心臓に負担をかけることになります。その結果、心臓発作や心不全による腹水、失神、咳などの症状があらわれます。感染から何年も経ってから症状が出ることもあります。

心臓の血管に成虫がつまってしまい、突然死を招くこともあります。

フィラリア症の治療法

フィラリア症に感染しているかどうかは、血液検査をすることでわかります。フィラリア感染が確認されたら、駆虫薬や外科手術でフィラリアを取り除きます。

猫のフィラリア症とは

猫のフィラリア症とは

ここまでの説明の通り、フィラリア症はわんちゃんに多い病気ですが、まれに猫ちゃんにも感染することがわかっています。

感染経路もわんちゃんと同じ。ただし、フィラリアの本来の宿主はわんちゃんなので、猫ちゃんの体内ではほとんど死滅するといわれています。

猫ちゃんのフィラリア症感染の問題はまさにそこにあります。

「死滅したフィラリア幼虫に対する免疫反応」「成虫まで成長するフィラリアの数が少なくて血液検査で発見しづらい」ことから、とても診断が難しいのです。

猫のフィラリア症の症状

フィラリア症が命に関わる病気なのは猫ちゃんも同じです。

死滅したフィラリア幼虫が肺に到達すると、免疫反応によって呼吸困難などの呼吸器症状がおこります。ほかにも嘔吐、食欲不振、元気がない、体重減少などの症状もみられます。

またわんちゃんと同じように、フィラリアの成虫が心臓の血管につまって、突然死を起こす危険もあります。

いずれも検査では発見しづらく、診断が難しいのが現状です。

猫のフィラリア症の治療法

猫ちゃんの場合、死滅したフィラリアに対する免疫反応が強く出てしまうことがあります。そのため、駆虫薬による治療は適していません。

また、身体の小さな猫ちゃんへの外科手術も充分に検討しなければなりません。

症状の悪化を防ぐには、ステロイドなどを使用する対症療法が中心になります。症状によっては、生涯の投薬が必要になる場合もあります。

猫のフィラリア症予防も必要!

猫のフィラリア症予防も必要!

フィラリア症の原因は「蚊」なので、完全室内飼いの猫ちゃんにも感染のリスクがあります。診断と治療が難しい病気なので、猫ちゃんにもフィラリア症予防は必要です。

フィラリア症予防の方法

猫ちゃんのフィラリア症は薬で予防することができます。薬といっても、首の後ろに垂らす「スポットタイプ」が多いので、薬が苦手な猫ちゃんでも安心です。副反応もほとんど報告されていません。

猫ちゃんのフィラリア症予防薬は「レボリューション」「ブロードライン」がよく使用されています。フィラリアに加えて、ノミダニ駆除にも効果があります。

猫ちゃんのライフスタイルや住んでいる地域によって必要なフィラリア予防薬が変わってくるので、必ず獣医師に処方してもらいましょう。

フィラリア症予防はいつからいつまで必要?

フィラリア予防薬は月に1回、背中に垂らすことで効果を発揮します。フィラリアは蚊が媒介する病気なので、蚊が飛び始める前からいなくなるまでの期間は投薬が必要です。

おおよその目安として5月から12月ごろまで、毎月投薬をします。北海道や東北では6月から11月ごろまで、沖縄では通年での投薬が必要な場合もあります。

フィラリア症予防の費用

猫ちゃんのフィラリア予防薬の費用相場は1回2,000円~4,000円ほど。これを必要な月数分だけ購入することになります。

猫ちゃんの体重や予防薬の種類、いつからいつまで予防薬が必要かによって変わってくるため、フィラリア予防薬の費用については動物病院に確認しましょう。

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まとめ

猫のフィラリア症予防も必要!

フィラリア症は猫ちゃんにも感染します。蚊を媒介してフィラリア幼虫が体内に入り、心臓や肺で成虫になることで重篤な症状を起こします。突然死の原因にもなる怖い病気としても知られています。

だけど、しっかり予防することで、防げる病気でもあります。もちろん、完全室内飼いでも予防は必要です。

月に1回の投薬スケジュールはカレンダーや猫ちゃん専用の健康手帳にメモしておくと安心です。1年に1回の健康診断やワクチン接種とあわせて、ノミダニ・フィラリア予防も忘れてはいけません。

大切な猫ちゃんに元気で長生きしてもらうためにも、猫ちゃんの病気と予防について正しく知っておきましょう。

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著者プロフィール

ぽぽねこ編集部
ぽぽねこ編集部
ぽぽねこの読みものの企画・編集スタッフです。猫ちゃん大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。


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