猫ちゃんが調子悪そう……でも、人間の薬を飲ませるのは厳禁です!
人間の薬は猫ちゃんにとっては毒。誤って食べてしまうと、重大な中毒症状を引き起こし、死に至ることもあります。
人間の薬が猫ちゃんにとってどんな危険があるのか、きちんと知っておきましょう。
猫に人間の薬を飲ませてはいけない理由
動物病院を受診すると、人間用の薬と同じものが処方されることがあります。
実は猫ちゃん用の薬といっても、ほとんどは人間用の薬と同じものが使われているのです。
ただし、獣医師は猫ちゃんの症状や体重から計算して必要な薬の量を処方しています。
自己判断で猫ちゃんに人間用の市販薬を与えるのは厳禁です。
猫が人間の薬を飲むと中毒症状を起こしてしまう
猫ちゃんと人間では、薬の吸収と代謝の仕組みが大きく違います。そのため、猫ちゃんが口にすると中毒症状を起こす薬があります。
例えば、猫ちゃんの肝臓は、薬の代謝に関わる「グルクロン酸抱合」の働きがかなり低いことがわかっています。
そのため、猫ちゃんは薬をうまく吸収、代謝することができません。排泄することもできず、体内に蓄積されて中毒症状を起こしてしまうのです。
猫にとって危険な人間の薬
人間の薬は猫ちゃんにとっては危険なものです。
誤飲してしまうと嘔吐や下痢に留まらず、急性腎不全や肝障害、不整脈の症状が現れます。ほんの少量でも命を落としてしまうことも……。
猫ちゃんを危険にさらさないためにも、猫ちゃんに絶対に与えてはいけない人間の薬を覚えておきましょう。
アセトアミノフェン
解熱鎮痛剤の「アセトアミノフェン」は市販の風邪薬や頭痛薬、痛み止めに含まれている成分です。
バファリンやコンタックなどの商品名で市販されているので、人間にとってはとても身近な薬です。
しかし、猫ちゃんの肝臓はアセトアミノフェンを代謝することができません。少しの量でも中毒症状を起こし、赤血球を破壊してしまいます。最悪の場合は死に至ることもある危険な薬です。
イブプロフェン
「イブプロフェン」も解熱鎮痛剤によく使われている成分で、イブやベンザブロックなどの商品名で市販されています。
猫ちゃんが口にすると、嘔吐や下痢のほか、誤飲した量が多ければ急性腎障害、痙攣、昏睡などの重篤な症状があらわれることがあります。
ロキソプロフェン
ロキソニンで知られる「ロキソプロフェン」も猫ちゃんにとっては危険です。嘔吐や出血の症状のほか、急性腎不全を起こすことがあります。
猫ちゃんが熱を出した、手や足を痛そうにしていると思っても、絶対にロキソニンを飲ませてはいけません。
抗生物質
猫ちゃんの治療にも抗生物質が使われますが、飼い主さんに処方された人間用の抗生物質を猫ちゃんに与えるのはNGです。
わんちゃん用の抗生物質も猫ちゃんには有害なものがあります。
抗生物質は与える量、期間が重要な薬です。過剰に与えてしまうと腎臓や肝臓にダメージを与えてしまいます。必ず獣医師の処方を受けましょう。
αリポ酸
人間のサプリメントも、薬と同じように注意が必要です。
特に美容サプリとして人気の「αリポ酸」は危険です。猫ちゃんが食べると重度の低血糖、肝機能障害を起こしてしまいます。具体的な治療法もまだ無く、多臓器不全で死亡するケースもあります。
塗り薬
人間用の軟膏やハンドクリームも、猫ちゃんが舐めてしまうと中毒症状を起こすことがあります。
ステロイドや抗生剤入りの軟膏を塗った箇所は猫ちゃんに舐めさせないようにし、ハンドクリームを塗った直後の手で猫ちゃんを触らないようにしましょう。
猫は食品でも中毒症状を起こす
猫ちゃんにとって危険なものは人間の薬だけではありません。
人間の食べ物でも中毒症状を起こすことがあります。特に危険なのは「チョコレート」「ネギ類」「ブドウ」「アボカド」などです。
植物の「ユリ」も猛毒なので、花粉や花瓶の水にも注意しましょう。
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猫が人間の薬を食べたときの対処法
猫ちゃんが人間の薬を食べてしまった場合、もしくは人間の薬の誤飲が疑われる場合、一刻も早く獣医師の診察を受けましょう。
その際、いつ、どんな薬を、どれくらい食べてしまったかをなるべく詳細に伝えられると、的確な治療ができます。
誤飲直後なら、吐かせたり胃洗浄を行うほか、症状を和らげる治療を行います。さらに腎臓や肝臓へのダメージが疑われる場合には予防のための治療を続ける必要があります。
症状によっては入院治療が必要になることもあります。人間の薬の誤飲は何としても防ぎたい事故ですね。
まとめ
人間にとっては薬でも、猫ちゃんにとっては危険な毒になるのが「薬」です。
ほんの一粒でも死に至ることもあるため、絶対に人間の薬を猫ちゃんに与えてはいけません。
また、誤飲を防ぐのは飼い主さんの責任です。床に落とした錠剤を猫ちゃんが飲み込んでしまった、おやつだと思って食べてしまったなどの事故は起こりがちです。
薬は猫ちゃんの手の届かないところに保管し、誤飲させないように気をつけましょう。
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