愛猫が交通事故に遭ったら…知っておくべき応急処置と対処法を獣医師が詳しく解説

愛猫が交通事故に遭ったら…知っておくべき応急処置と対処法を獣医師が詳しく解説

道路で車に轢かれて、変わり果てた姿になった猫を見たことがない人はまずいないでしょう。発情期や出産シーズンになると、行動範囲が広がった成猫や子猫が車にはねられるケースが非常に多く見られます。

万が一、愛猫が交通事故に遭った時の応急処置や対処法について解説します。

猫が交通事故に遭う理由とは

猫が交通事故に遭う理由

まず、猫は交通ルールを知りません。車が来ているか確認せず道路を横切ります。猫は後ずさりや後ろ歩きが得意ではないために、車が近づいても引き返すことができず、交通事故に遭ってしまいます。また、猫は驚くと体が硬直するため、車に驚いて座り込んでしまい、事故に遭うケースもあります。

特に発情期は、オスがメスを追いかけたり、メスが逃げたりすることで事故に遭うケースが多くなります。また、子猫が一人で行動できるようになると、車の怖さを知らないために道路に飛び出して事故に遭うことが増えてきます。

猫が交通事故に遭ったらどうしたらいいのか?

交通事故に遭ってしまったら

猫が交通事故に遭った場合、骨折、内臓損傷、即死の状態になることが多くあります。交通事故の場合、ひどく傷ついた状態にもなりうるため、冷静に対処することが重要です。

路肩に移動する

道路の真ん中では、飼い主さん自身も事故に遭う可能性があります。まず、路肩に移動しましょう。タオルなどで包み、優しく抱きかかえるようにしましょう。段ボールやキャリーケースなどに入れて移動すると、猫も人も楽に移動できます。無理に抱きかかえると骨折などが悪化する可能性があるので、慎重に動かしましょう。

嘔吐する可能性もあるため、顔や体が横向きになるようにしましょう。

全身状態を確認する

路肩に移動したら、まず生きているかを確認してください。息をしているか確認しましょう。そして動物病院に連絡してください。確認できるようであれば、呼びかけて反応があるか、出血しているか、足の向きに異常がないかなどを確認します。

全身状態を確認する際、揺さぶると頭や内臓の損傷がひどくなるため、なるべく動かさないようにしましょう。

動物病院に連絡する 

近くの動物病院に連絡し、獣医師の判断を仰ぎましょう。夜間であれば、夜間対応病院に連絡しましょう。事故に遭って慌てていると思いますが、連絡なしで受診すると、他の処置などですぐに対応できない場合もあります。必ず連絡し、状況を説明してから受診しましょう。

事故直後は歩くことができても、体の中で出血している場合は時間が経ってから状態が悪化します。必ず動物病院で診察してもらいましょう。

出血がある場合

出血している箇所をタオルなどで押さえましょう。傷があれば、傷より少し心臓に近い部分を縛ると止血の効果があります。

骨折などがある場合

足が変な方向に曲がっている場合、骨折や脱臼の可能性があります。むやみやたらに動かすと、強い痛みが伴うため動かさないことが重要になります。移動時も段ボールや大きいキャリーケースに入れて、なるべく体が動かない状態にしましょう。

愛猫が交通事故に遭わないために

愛猫が交通事故に遭わないために

交通事故の中で一番多いのは即死です。猫は勢いよく飛び出すことが多いため、車が避けられずに衝突します。そのため頭部を強く打ったり、重度の内臓損傷が起こり、即死することがほとんどです。

交通事故で運ばれてくる猫のほとんどが、すでに亡くなっている状態です。自転車などの衝突事故の場合は即死の可能性は低いかもしれませんが、骨折などにより介護が必要になることがあります。そのため、交通事故に遭わないようにすることが大切です。

完全室内飼育をする

近年、猫も完全室内飼育が推奨されていますが、いまだに外に出してしまう飼い主さんは少なくありません。外に出なければ、絶対に交通事故に遭うことはありません。猫が自由に外に出られる環境では、いつ事故に遭ってもおかしくはないでしょう。完全室内飼育にし、外に出さないようにしましょう。

余談ではありますが、ノラ猫の寿命は5年にも満たないと言われています。その死因の多くが交通事故死と考えられています。

猫が脱走しないようにする

猫が外に出ないように対策する必要があります。たとえば窓を猫に開けられないようにする、猫が玄関に出ないようにする、玄関の扉を開けられないようにするなどの対策が必要です。ベランダも脱走しやすい場所です。ベランダから屋根や塀を伝って外に出ることがあります。ベランダに出さないようにしましょう。

ホームセンターやネット通販で脱走防止の対策グッズを購入することが可能です。サイズをしっかり確認して購入しましょう。猫は少しの隙間からでも脱走することができます。

避妊・去勢手術を行う

猫は発情期が来ると普段より活動的になり、出会いを求めて遠くまで行動範囲を拡げます。また、異性を追いかけていると周りが見えなくなり、事故に遭う可能性が高くなります。手術をしていないようであれば、手術をして完全室内飼育にしましょう。

まとめ

まとめ

猫が交通事故に遭った場合、ほとんどが即死の状態です。車との衝突事故に遭った場合、残念ながら応急処置ができる状態ではないと思います。

愛猫が交通事故に遭わないためには、外に出さないようにする、その一択でしょう。また外に出ない環境づくりも重要です。家の中で大事に飼ってあげたいものですね。


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