猫ちゃんとの暮らしで心配なことのひとつが「発情期」です。
ある日突然、愛猫が大声で鳴きだしたり、おかしな行動をするようになったら不安になってしまいますよね。
今回は猫の発情期について、いつから始まるのか、どんな行動をするのかなど、発情期に起こる変化や対処法について詳しく解説します。発情期を穏やかに過ごすヒントや注意点についてもしっかり確認しておきましょう。
猫の発情期とは
猫ちゃんの発情期とは繁殖行動をする時期のことをいいます。子孫を残したいという本能から、異性の猫ちゃんを求める行動をします。
猫の発情期はいつ?
まずは、意外と知られていない猫ちゃんの発情のメカニズムを知っておきましょう。
猫ちゃんは暖かい時期に繁殖期を迎える「季節繁殖動物」です。わんちゃんのようなヒート(生理)はありません。発情期の始まりは日照時間が影響すると考えられていて、日照時間が1日14時間を超えると発情期が始まります。
地域によっても異なりますが春(2~4月)と夏(6~8月)ごろが発情期のピークです。
猫の発情期は何歳から始まる?
初めての発情期を迎える時期は個体差がとっても大きいです。避妊手術をしていないメスの猫ちゃんは、おおよそ生後6か月~8か月頃に初めての発情を迎えます。
去勢手術をしていないオスの猫ちゃんの場合は生後7か月~1歳頃に初めての発情を迎えます。実はオスの猫ちゃんには発情期はなく、発情しているメスの猫ちゃんの鳴き声やフェロモンに刺激されて発情します。
日照時間の影響を受けてメスの猫ちゃんが先に発情し、メスの猫ちゃんに誘発されてオスの猫ちゃんも発情するというメカニズムです。
猫の発情期特有の行動
猫ちゃんの発情期には、発情期特有の行動が始まります。
メスとオスの猫ちゃんでは、それぞれ発情期の行動が異なります。まずはメスの猫ちゃんの発情期について知っておきましょう。
メスの発情周期と行動
メスの猫ちゃんは「発情前期」「発情期」「発情後期」「発情休止期」の発情周期を繰り返します。発情前期から発情休止期まではおおよそ1~2週間ほどで終わります。
1.発情前期
発情前期は1~5日間で、いつもよりそわそわするようになります。活発になったり、おしっこの回数が増えることに気づきます。飼い主さんにすり寄って、甘える行動も見られます。
2.発情期
オスの猫ちゃんを受け入れる準備が整い、オスの猫ちゃんにアピールする行動が始まります。「アオーン」「ワオーン」と赤ちゃんが泣いているような、大きな声で鳴くのはこの時期です。
発情のピークは4日~14日間ほど続き、発情期特有の行動が見られます。
- 大きな声で鳴く
- 飼い主さんに顔や体を擦りつける
- くねくね転がり回る(ローリング)
- お尻を高く持ち上げる(ロードシス)
- 尿スプレーや粗相をする
3.発情後期
発情期特有の行動が少しずつ収まり、発情期が終わります。
4.発情休止期
発情期が終わり、次の発情期が来るまでの休憩期間です。
猫ちゃんは交尾排卵といって、交尾をすることで排卵します。妊娠をした場合は発情期は終了し、約2か月後に出産します。
この期間に交尾をしなかった場合、妊娠しなかった場合は1~2週間で再び発情周期が始まります。
オス猫の発情行動
オスの猫ちゃんは、メスの猫ちゃんの発情期の鳴き声やフェロモンに反応して発情します。オスの猫ちゃんも「アオーン」「ワオーン」とうるさく鳴くなど、問題行動を起こしがちです。
- 落ち着きがなくそわそわしている
- 攻撃的になる
- 大きな声で鳴く
- 家の外へ脱走しようとする
- 尿スプレーをする
猫の発情期の対処法と注意点
猫ちゃんの発情期特有の行動は、生理的な現象なのでコントロールすることはできません。叱ってもやめさせることはできないでしょう。
ここでは発情期特有の問題行動の対処法や注意点について解説します。
発情期を早く終わらせる方法はある?
インターネットでは「猫 発情期 早く終わらせる」でよく検索されていますが、発情期を早く終わらせる方法はありません……。
しめらせた綿棒でメスの猫ちゃんの陰部を刺激するという情報が出てきますが、とても危険な行為なのでやめましょう。気分を落ち着かせようと、またたびを大量に与えるのも逆効果です。
スキンシップを控える
発情期を迎えたメスの猫ちゃんは、いつもより甘えたり、抱っこをねだるような仕草を見せます。とってもかわいいのですが、必要以上に構いすぎると問題行動が増えてしまうことがあります。
防音対策をする
発情期特有の大きな鳴き声は近所迷惑になっていないか心配になります。取り急ぎの対策として、防音効果のあるカーテンや段ボールで窓を覆いましょう。
また、夜鳴きがひどい場合には、昼間にしっかり運動をさせることも大切です。
尿スプレー対策をする
発情期中は猫ちゃんの生活スペースを限定すると防音対策や尿スプレー対策がしやすいです。ただし、ケージに閉じ込めてしまうと過度にストレスがかかってしまうのでおすすめしません。
尿スプレーをしそうな場所にはあらかじめトイレシートを貼っておきます。防水シートも貼っておくと掃除がしやすくなります。
脱走対策をする
発情期中は普段以上に脱走対策を心がけましょう。完全室内飼いの猫ちゃんでも、外の猫ちゃんの鳴き声やフェロモンに反応して外に出たくなってしまうので、ベランダや庭での日光浴も控えます。
防音対策と同様に防音カーテンや段ボールで窓を塞いでおくと効果的です。
獣医師への相談と避妊去勢手術の検討を
発情期中の猫ちゃんを落ち着かせる方法として、獣医師に相談の上でフェロモン製剤を使う方法があります。
また、繁殖を望まないのであれば早めに避妊去勢手術を受けましょう。発情期の問題行動を減らすことができるほか、ホルモンに関わる病気を予防できるメリットがあります。
もちろんデメリットもあるため、避妊去勢手術についても獣医師に相談してよく検討しましょう。
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まとめ
猫ちゃんの発情期の問題行動に悩む飼い主さんは多いです。生理的な現象とはいえ、落ち着かない気持ちになったり、情緒不安定になったりと猫ちゃんも辛い思いをしているかもしれません。
発情期中の問題行動は叱ってもやめさせることは難しく、しつけでどうにかなるものでもありません。発情期を早く終わらせる方法もほとんどありません。
春~夏の発情期をできるだけ穏やかに過ごすには、窓の防音対策をする、スキンシップを控えるなどの工夫が必要です。猫ちゃんの気持ちに寄り添って、静かに見守ってください。
また、避妊去勢手術も検討しつつ、正しく対処するようにしましょう。
著者プロフィール

二匹雌猫がいて、一匹目は早めに手術しましたが、傷跡が気になり8年たってもまだ舐めてお腹はハゲたまま、かわいそうなので2匹目は考え中ですが、お尻ポンポンすると落ちついてる気がして、やってましたが、構い過ぎるといけないと言うのでいけないことしたのでしょうか?
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