愛猫が脱走してしまった! 姿は見えているのに、なかなか捕まえられない……。
実は脱走した猫ちゃんを素手で捕まえられるケースはとても少ないです。捕まえようとして逃げられてしまうことがほとんど。でも、なんとか家に戻ってきてほしい。
そんなときに活躍するのが「捕獲器」なのです。
いざというときに備えて、猫の捕獲器の使い方や設置方法について詳しく解説します。
猫の捕獲器とは?
猫の捕獲器とは、猫ちゃんを傷つけず安全に保護するためのものです。「罠」のようなものではありません。
猫ちゃんの居場所がわかっているのに捕まえられないというとき、捕獲器を使って保護するという方法があります。
脱走した猫ちゃんをすんなり抱っこで保護できればいいのですが、なかなかそううまくいきません。外に出てしまった猫ちゃんはパニックになっているかもしれないし、何かを追いかけて走り去ってしまうかもしれません。
完全室内飼いの猫ちゃんにとって、外の世界は危険がいっぱい。ケガや病気、飢えや渇きなど命に関わる危険があります。猫ちゃんを一刻も早く保護するために、「捕獲器」が役に立つのです。
猫の捕獲器の入手方法
猫の捕獲器は市販されているので、通販などでも手に入ります。
ですが、捕獲器の使い方にはコツが必要ですし、猫ちゃんの習性や気持ちを考えながら作戦を立てて設置しなければなりません。不慣れな人がいきなり設置しても危険です。
地域の動物保護団体や動物病院などで捕獲器の貸し出しを行っている場合もあります。保護猫活動を行っているボランティアさんや獣医師など、捕獲器の扱いに慣れた人に使い方のレクチャーを受けたほうが安心です。
捕獲器の選び方
猫の捕獲器は「踏み板式」と「吊り下げ式」の2タイプがあります。どちらも捕獲器のなかにエサを入れて誘い込み、自動的に扉が閉まって捕獲する仕組みになっています。
それぞれメリットとデメリットがあるので、脱走した猫ちゃんの状況に応じて選ぶようにしましょう。
踏み板式の捕獲器
捕獲器のなかにある「踏み板」を踏むと扉が閉まる仕掛けです。捕獲器の奥にエサを置いて、猫ちゃんを誘い込みます。子猫ちゃんなど、体重が軽いと扉が閉まらないこともあります。
猫ちゃんによっては、踏み板を避けてエサだけ食べる賢い子もいます。エサだけ無くなっているような場合は「吊り下げ式」の捕獲器に変えてみましょう。
吊り下げ式の捕獲器
捕獲器の奥のフックにエサを引っかけておき、猫ちゃんがフックを動かすと扉が閉まる仕組みです。「踏み板式」よりも「吊り下げ式」のほうが成功率が高いといわれています。
捕獲器内で猫ちゃんが暴れてしまったとき、フックで体を傷つけてしまうことがあるので要注意。なるべくはやく捕獲器から出してあげられるように、事前準備をしっかりとしておく必要があります。
脱走した猫を捕獲器で保護する方法
猫の捕獲器を設置する際は、いくつか注意点があります。安全にも関わることなので確認しておくようにしましょう。
捕獲器設置から保護までの流れ
1.居場所の特定
まずは脱走した猫ちゃんの居場所を特定します。猫ちゃんが現れる場所で、毎日同じ時間に餌付けするようにします。
2.捕獲器を設置
捕獲器はなるべく平らな場所に設置。扉以外の部分を猫ちゃんのにおいのついた毛布や新聞紙で覆って、猫ちゃんが安心して入れるようにします。
3.エサをセット
普通のドライフードよりも、猫用のウェットフードや鳥のから揚げなどのにおいの強いもののほうが成功率がアップします。捕獲器の外から少しずつ置いていき、捕獲器の奥まで誘導します。
4.近くで監視
危険がないように、すぐそばで監視しているようにしましょう。大声を出したり、視線を感じると警戒してしまうので、くれぐれも平常心で。
5.保護
猫ちゃんが捕獲器に入ったら扉部分も布や新聞紙で覆います。長時間放置せず、安全な場所へ運んで猫ちゃんを取り出しましょう。
捕獲器を使用する際の注意点
捕獲器は基本的には私有地にしか設置できません。公園や他人の土地に無断で設置することはできないので、必ず土地の所有者に許可を取ってください。
また、愛猫以外の猫ちゃんが捕獲器に入ってしまうこともあります。子どもや通行人が触ってケガをしてしまうことも考えられるので、捕獲器を放置せず近くで見守っているようにしましょう。
捕獲器を使うには、猫ちゃんの居場所を突き止めることが重要です。近所の方に事情を話したり、迷子猫ポスターを貼るなどして、目撃情報を集めるようにしておくと安心ですね。地域猫に餌やりをしているボランティアさんからも、有力情報が得られるかもしれません。
猫が無事に帰ってきたら
脱走した猫ちゃんを無事に保護できたら、いつも使っている毛布などでくるんで安心させてあげましょう。
落ち着いているようだったら、獣医師の診察を受けましょう。脱走生活中にノミダニや感染症などのリスクにさらされています。ケガをしている可能性もあるので、まずは健康チェックをしてあげてくださいね。
それから、猫ちゃんが安心できるように、しばらくそっとしておくようにしましょう。叱ったり、構いすぎたりしてはいけません。
できれば、もう捕獲器は使いたくないですよね……。猫ちゃんの脱走の原因がわかっているなら、すぐに対策しておくことも大切です。
まとめ
愛猫が脱走してしまったら、まずは落ち着きましょう。やさしく猫ちゃんの名前を呼びながら、家の周りをよく捜し、迷子ポスターやSNSを駆使して目撃情報を集めることが大切です。
脱走した猫ちゃんを捜すとき、猫首輪や迷子札が手掛かりになります。それに、「飼い猫」だとわかるので、他の人に飼われたり、飼い主のいない猫として殺処分されるという事態を防ぐことができます。猫ちゃんの脱走対策として「猫首輪」と「迷子札」は普段から身に着けておくことをおすすめします。
猫ちゃんの居場所がわかれば、捕獲器の出番。ですが捕獲器の使い方は難しく、知識やコツが必要です。
早期解決を望むなら、ペット探偵に頼ることをおすすめします。猫ちゃんの習性はもちろん、天候や地域などを考慮して脱走した猫ちゃんを見つけるプロ。捕獲器の使い方も熟知しているので、猫ちゃんと飼い主さんの負担を減らすことができます。
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ペット探偵の第一人者、ペットレスキュー代表の藤原さんによる迷子猫ちゃんの保護の様子を動画で見ることができます。脱走した猫ちゃんが保護される瞬間は感動的です。
脱走した猫ちゃんを安全に保護する「捕獲器」。捕獲器を使うときは、できるだけ多くの人の協力が必要です。いざというときに備えて、地域の動物保護団体やペット探偵について調べておくようにしましょう。
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