猫のヒゲの役割とは?切っても良いの?ヒゲの種類は?

猫のヒゲの役割とは?切っても良いの?ヒゲの種類は?

「猫のヒゲを切ると歩けなくなる」そんな話を聞いたことはありませんか?

猫ちゃんの顔をよく見てみると、確かに立派なヒゲが生えていますよね。どうして猫ちゃんのヒゲを切ってしまうと、歩けなくなってしまうのでしょうか? 人間のヒゲとは役割が違うのでしょうか?

今回は猫ちゃんのヒゲの役割について詳しく解説したいと思います。

猫のヒゲの仕組み

猫のヒゲの仕組み

猫ちゃんのヒゲは体全体で50~60本生えていて「触毛」とも呼ばれます。

ヒゲの根元は分泌液が入った袋のようになっていて、ヒゲはここに浮かぶように生えています。神経と血管が通っているので、ヒゲが何かに触れると敏感に察知できる仕組みになっているのです。

猫ちゃんのヒゲはわずかな空気の流れの変化も感じることができ、高性能のセンサーのような役割があります。単なる飾り毛ではなく、とても大切なものなんですね。

猫のヒゲの種類

猫のヒゲの種類

「猫ヒゲ」というと猫ちゃんのぷっくりとした「 ω 」の部分のヒゲが思い浮かびます。この部分はヒゲ袋といって、猫ちゃんのかわいさが凝縮したトレードマークでもあります。

実はヒゲ袋以外にも、眉・頬骨・あごの下・口角にもヒゲが生えていて、全部で5種類のヒゲがあるんです。

それぞれ名前がついているのでご紹介します。

猫のヒゲの種類の図解

眉上毛(びじょうもう)

猫ちゃんの目の上に生えている長いヒゲ。目や頭を守るセンサーのような役割をしていて、眉上毛に何かが触れると反射的に目を閉じます。

頬骨毛(きょうこつもう)

目の横下に1、2本生えている毛。顔の横の危険察知のために使われますが、生えていない子もいます。

上唇毛(じょうしんもう)

猫ちゃんのトレードマークともいえる「 ω 」の部分のヒゲです。左右合わせて24本生えていて、体よりも先に障害物があることを察知するなどの役割があります。

下唇毛(かしんもう)

あごにも短いヒゲが生えています。身を低くして歩くときに、顎の下の障害物で喉元を傷つけないようにする役割があります。

口角毛(こうかくもう)

上唇毛の上にほんの少し生えています。顔の横の障害物を察知する働きがありますが、抜けやすいヒゲなので生えていない子もいます。

猫のヒゲの役割は5つ

猫のヒゲの種類

猫ちゃんには5種類のヒゲが生えていますが、具体的にはどのような役割があるのでしょうか?

とっても大切な役割があるので、ぜひ知っておきましょう。

平衡感覚を保つ役割

猫ちゃんが不安定な場所や暗い場所でも歩くことができるのは、ヒゲがセンサーの役割を果たし、平衡感覚を保っているからです。ジャンプをして着地をするときも、ヒゲで空気の流れを感知しているといわれています。

通れる場所かどうかを測る役割

猫ちゃんのヒゲを線で結ぶと丸い円の形になります。狭い場所を通るとき、ヒゲを広げて通れるかどうかを確認します。ヒゲが当たらなければ体も通ることができるというわけです。猫ちゃんの空間認識能力が優れているのは、ヒゲのおかげなんですね。

獲物や敵を察知する役割

猫ちゃんのヒゲはとても高性能で、わずかな空気の振動も察知することができます。暗闇の障害物や物陰で動く獲物でさえ敏感に捉えることができます。まさにハンターですね。

目を守る役割

猫ちゃんのヒゲは神経と繋がっています。顔の近くで何かを察知したら、瞬時にまぶたを閉じて目を守ることができます。また、ヒゲがあることで、目にゴミが入ることを防ぐ役割もあります。

感情を表現する役割

猫ちゃんが興味津々で遊びや獲物に夢中になっているとき、ヒゲでたくさんの情報を得ようとするため、ヒゲがぐいっと前に出てきます。逆に恐怖を感じているときは、口元に力が入って、ヒゲは後ろを向きます。

また、リラックスしているときは自然と下に垂れ下がります。人間の口角が上がったり、下がったりするような感覚に似ていますね。

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猫のヒゲは切っていいの?

猫のヒゲは切っていいの?

ここまで解説した通り、猫ちゃんのヒゲにはとっても大切な役割があります。

生まれたばかりの子猫には体毛はあまり生えていませんが、ヒゲだけはしっかり生えています。それほどまでに、猫ちゃんのヒゲは生きていく上で欠かせないものなのです。

なので、猫ちゃんのヒゲはぜーーったいに切ってはいけません。

ヒゲを切られた猫ちゃんは、障害物にぶつかったり、平衡感覚を失ってジャンプができなくなったり、狩りができなくなったり、暗い場所で身動きができなくなったりしてしまいます。

猫ちゃん本来の動きが制限されてしまうのは、想像しただけでも辛いことですよね。自信をなくした猫ちゃんは部屋の隅でうずくまってしまったり、鬱状態になってしまうこともあります。

猫ちゃんのヒゲを切ったり、抜いたりするのは絶対にNGです!

猫のヒゲを切ってしまったら?

ブラッシング中にうっかりヒゲを切ってしまった、猫同士のケンカでヒゲが切れてしまった。そんなこともあるかと思います。

猫のヒゲの根元には神経や血管が通っていますが、切ってしまったからといって、痛みがあるわけではありません。とはいえ、大切なヒゲがなくなった猫ちゃんのショックは大きいと思います。

いずれまた生えてきますが、それまでは狭い場所や高い場所には気をつけてあげるようにしましょう。

猫のヒゲが抜けていたら?

猫ちゃんのヒゲは半年に1回くらいの頻度で生え変わります。床やベッドに落ちているのを発見しても、ほとんどの場合は心配ありません。

ただし、病気やストレスが原因でヒゲが抜けてしまうこともあるので注意が必要です。

例えば、「猫にきび(猫ざそう)」がひどくなるとヒゲや毛が抜けてしまいます。また、「猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)」が原因でヒゲが抜けてしまうこともあります。

猫ちゃんのヒゲが大量に抜けているのを発見したら、かかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

まとめ

まとめ

猫ちゃんのヒゲは高精度のセンサーで、身を守ったり、平衡感覚を保ったりと大切な役割があります。なので、猫ちゃんのヒゲは絶対に切ってはいけません

昔から「猫が顔を洗うと雨が降る」といわれています。これは猫ちゃんのヒゲは湿気に弱く、一生懸命キレイに整えている姿からきています。

ヒゲが湿気で垂れ下がっていると、ヒゲの性能も落ちてしまいます。猫ちゃんとしては死活問題です。それほどまでに、猫ちゃんのヒゲは生きていくうえで欠かせないものなのです。

そんな猫のヒゲですが、飼い主さんにとっても愛着を感じるものです。ぽぽねこ公式オンラインショップでは抜けた猫ちゃんのヒゲを保管できるケースを販売しています。ぜひ猫ちゃんとの生活を楽しむアイテムとして取り入れてみてください!

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著者プロフィール

ぽぽねこ編集部
ぽぽねこ編集部
ぽぽねこの読みものの企画・編集スタッフです。猫ちゃん大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、役立つ情報をお届けします。


コメント:1


  • よっちゃん

    子供の頃、ネズミが屋根裏を走っている昔、猫も仕事をしていました。ある日の早朝、屋根裏を覗いて見ました。居ましたミッチャン。四角い煙突の一角に伏せて潜んでいます。眼は閉じています、長時間体勢の様子。驚いたのはひげです、顔から真っ直ぐ前に、煙突の角下、ネズミが通るであろう所に伸びているのです。ずーとそのまま。ネズミがひげに触ったらガバッなんでしょうね。昔は猫も自給自足ですので、ひげも活躍したのよね😼


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