ロシアンブルーはロシア原産の猫で、ブルー(グレー)の毛色とエメラルドグリーンの目が特徴的です。ロシアンブルーは日本で根強い人気があり、常に人気猫種のトップ10に入っています。ロシアンブルーは大病をしにくいといわれていますが、生活習慣による疾患にかかりやすいとされています。
今回はロシアンブルーがかかりやすい病気とその特徴について解説します。
ロシアンブルーの特徴

ロシアンブルーの起源は諸説ありますが、ロシアで自然発生したというのが有力とされています。以前はアークエンジェルキャットや、他の名前で呼ばれていた時期もありました。
短毛でブルー(グレー)の毛とエメラルドグリーンの目が特徴です。寒冷地の猫のため、毛はダブルコートと呼ばれる、二重の毛で覆われています。体型は細身ですが、筋肉が発達しています。
ロシアンブルーは犬のように忠実な性格が特徴です。飼い主に対しては深い愛情を示しますが、他の人には警戒心を強く見せることもあります。あまり鳴き声を出すことがないため、「ボイスレスキャット」としても知られています。
ロシアンブルーは遺伝的な病気はあまり知られておらず、生活習慣による病気の方がかかりやすいとされています。
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ロシアンブルーがかかりやすい病気と予防法

ロシアンブルーは遺伝的な病気より、生活習慣に関連する病気にかかる方が多いと考えられています。
糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが欠乏することで、血液中の糖分(グルコース)が過剰になる病気です。インスリンは血液中のグルコースを体の細胞に運ぶ作用があり、細胞はグルコースをエネルギーとします。糖尿病になるとグルコースが細胞に届かなくなり、細胞はエネルギー不足になります。それにより、体全体が飢餓の状態になってしまいます。
糖尿病の原因は肥満が関連していると考えられています。ロシアンブルーは筋肉質なため、運動不足になると肥満になりやすくない、糖尿病が引き起こされてしまいます。
糖尿病の症状は、多飲多尿、多食、削痩、昏睡などがあり、血糖が高い状態が続くと命に関わることもあります。
糖尿病の治療は、インスリンを注射で補います。毎日決まった時間に決まった量を打つため、自宅での注射が必要になります。また、糖を制限した食事やダイエットも行われます。猫の糖尿病は、肥満が改善されてくると治る可能性があります。
糖尿病になってしまったら、インスリン量を調整するために、定期的な診察が必要になります。また、獣医師の指示によって投薬量を調整するので、勝手にインスリン量を変更してはいけません。
糖尿病にならないために、肥満にならないように注意が必要です。食事をあげすぎたり、運動不足にならないようにしてあげましょう。
尿石症
尿石症は、腎臓、尿道、膀胱、尿道に結石が作られ、それにより排尿障害が起こります。尿石症はどの猫種でもなる可能性があり、偏ったフードや肥満、飲水不足などによって起こります。
猫の尿石症は、ストルバイトとシュウ酸カルシウムが主な原因ですが、それ以外の成分の結石もあります。ストルバイトは専用の療法食によって、フードで治療することができます。シュウ酸カルシウムはフードによるコントロールは難しく、手術による摘出が主な治療法になります。尿石症になり尿路が詰まってしまうと、血尿、頻尿、排尿姿勢をとっても尿が出ない、排尿時に泣き叫ぶ、嘔吐などの症状が現れます。尿路が閉塞してから数時間のうちに腎機能が低下してしまい、急性腎臓病になると命に関わってしまいます。
肥満にさせないために、食事の量を調整することが大切です。また、飲水不足にならないために、水置き場を増やしたり、器などを変えるなど、猫が水を飲みやすくする工夫が必要です。
尿石症は症状が出たら、なるべく早くに対処する必要があります。夜間帯であれば、夜間診察可能な病院などを事前に探しておきましょう。
慢性腎臓病
慢性腎臓病は、シニア期の猫のほとんどがかかる、腎臓機能が低下する病気です。慢性腎臓病は治ることがなく、残された腎臓機能をどれだけ長く保つことができるかが、治療のポイントになります。
腎臓機能は初期にはほとんど症状がなく、ステージが進むと多飲多尿、薄いおしっこが出る、体重減少、食欲不振、口内炎などの症状が出ます。さらに進行し、末期の尿毒症期になると、嘔吐、食欲がなくなる、衰弱などの症状が現れ、この段階では余命数週間~数か月程度になります。
治療は内服薬やサプリメント、皮下点滴などを行います。ステージが進むと、貧血や嘔吐、口内炎など、様々な症状が現れるため、症状に合わせた対症療法も行われます。慢性腎臓病は根治できないため、延命を目的とした治療となります。
慢性腎臓病は、早期の段階で発見し治療を行うことで、より長く元気な時間を過ごすことができます。早期発見・早期治療を行うために、1歳ころから定期的な健康診断を受けましょう。
まとめ

ロシアンブルーは遺伝性の病気は少なく、大病しにくい猫種です。しかし、肥満などが関連した病気にかかる可能性があります。太りすぎないように食事のコントロールをしてあげましょう。また、病気の早期発見のために、年に1回以上の健康診断を受けることも重要です。
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