愛猫がお腹を見せて寝ている姿はとてもかわいいものです。モフモフふかふかのお腹に顔をうずめてみたい……なんて思ってしまうのは仕方がありませんね。
だけど、撫でさせてくれるのかな、と手をのばすとガブリと噛みつかれることも……。
猫ちゃんがお腹を見せるときは「撫でてOK」ではないのでしょうか? 猫ちゃんがお腹を見せる理由から、猫ちゃんの気持ちを考えてみましょう。
猫がお腹を見せるのは「降参」ではない?
「お腹」は多くの生き物にとって急所。皮膚のすぐ下に内臓があるため、とっさのときはお腹を守るような姿勢になります。
わんちゃんがお腹を見せるとき、「参った」「降参」の意味があります。群れのリーダーや強い者にお腹を見せることで服従の意思を示していた名残ですね。
だけど、猫ちゃんには群れで暮らす習性はありません。猫ちゃんがお腹を見せるのは、服従の意味ではないのです。
猫ちゃんのぽっこりお腹がかわいい
猫ちゃんのお腹がたぷたぷしているのは「ルーズスキン」といって、内臓まで攻撃が届かないようにする役割があります。
また、猫ちゃんならではの瞬発力を発揮できるよう、とってもやわらかく、後ろ足の可動域を広げる役割もあるんだそうです。
思わずもふもふしたくなってしまう猫ちゃんのぽっこりお腹、ちゃんと役割と理由があったんですね。
猫がお腹を見せる理由
猫ちゃんが「弱点」であるお腹を見せてくれるとき、どんな意味や理由があるのでしょうか? 猫ちゃんの隠された気持ちを解説します。
信頼している
猫ちゃんが弱点であるお腹を見せるということは、それだけ信頼しているということです。
猫ちゃんの近くにいるときに、ゴロンとお腹を見せてくれるのは「信頼している」「この人は大丈夫」という気持ちの現れです。そんな姿をみるとうれしくなってしまいますね。
リラックスして安心している
安全な場所、安心できる場所でリラックスしているときもお腹を見せて転がっていることがあります。日向ぼっこしながら、へそ天で寝ている猫ちゃんも多いのではないでしょうか。
外で暮らす野良猫ちゃんも、安全な場所にいるときや、仲間の猫といっしょにいるときなど、お腹を見せて日向ぼっこをする姿が見られます。
逆に相手を安心させたいときも、仰向けでお腹を見せることがあるようです。
甘えている
猫ちゃんは子猫時代はママにお腹を見せることで、おっぱいをもらったり、グルーミングをしてもらったりします。
飼い主さんにお腹を見せてくねくねしている、じっと見つめてくる、ゴロゴロのどを鳴らすのは「甘えたい」という気持ちのとき。猫ちゃんにとって飼い主さんはママのような存在なので、子猫時代を思い出しているのかもしれませんね。
遊びに誘っている
お腹を見せるのは「甘えたい」気持ちの現れですが、成長するに従って「構って」「遊んで」のアピールになるようです。
きょうだい猫や同居猫同士で、寝転んでプロレスをしているように見えるときは、遊びに誘っているのです。飼い主さんに対しても、通せんぼをして寝技を仕掛けてくる猫ちゃんも多いですね。
暑い
猫ちゃんがお腹を見せて寝ているのは「暑い」と感じているサインかもしれません。
夏場にフローリングで転がっていたり、だるそうにぐったりしているときはエアコンを使って室温を下げるようにしましょう。
猫ちゃんも熱中症になることがあるので、室温が26~28度を超える日にお腹を見せて寝ていたら要注意です。
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猫がお腹を見せるのに噛むのはなぜ?
猫ちゃんはお腹を触られるのが嫌いです。お腹を撫でようとすると噛んだり、猫パンチしたり、怒ってしまうことが多いです。
これは無防備なお腹を本能的に守ろうとしているから。猫ちゃんがお腹を見せていても、撫でてOKのサインではありません。
どんなに信頼している飼い主さんでも、お腹だけは嫌がる猫ちゃんも多いです。特にへそ天で寝ているときにお腹を触られると、びっくりして噛みついてしまうこともあります。
だけど、お腹を触ろうとして噛まれても、飼い主さんのことが嫌いというわけではありません。触られるのは嫌だけど、「見てほしい」「構ってほしい」「甘えたい」の気持ちの現れなので、猫ちゃんの気持ちを受けとめて、たくさん遊んであげるようにしましょう。
コツはお腹を見せていてもいきなり触らず、そっと頭や背中を撫でること。遊びに誘っているようなら、ねこじゃらしなどのおもちゃで遊ぶのも喜びます。
猫ちゃんが喜ぶ撫で方、もうやめてのサインなど、猫ちゃんの撫で方のコツをまとめた記事もぜひ参考にしてくださいね!
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まとめ
お腹を見せてくねくねしている猫ちゃん、思わずお腹に顔をうずめたくなってしまいます。だけど、猫ちゃんにとって「弱点」のお腹をいきなり触ると怒られてしまいます……。
お腹を見せていても「触ってOK」のサインではなく、猫ちゃんの飼い主さんに対する信頼の気持ちや甘えたい気持ち、構ってほしい気持ちの現れなのです。
なかにはお腹を撫でられるのが好きな子もいますが、嫌がるそぶりを見せたら、無理にお腹を触るのはやめておきましょう。
ただし、お腹に触られることに慣れておくと「健康チェック」にも役立ちます。お腹のハリやしこりなどの早期発見に繋がるので、毎日のスキンシップのなかで少しずつ慣れるようにしておくと安心です。
猫ちゃんの気持ちはちょっと複雑で、わかりにくいかもしれません。猫ちゃんが安心してお腹を見せられるように、良い関係づくりと環境づくりを心がけましょうね。
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