猫の偏食対策!ドライフードとウエットフードの比率やカロリー計算の方法を獣医師が詳しく解説

猫の偏食対策!ドライフードとウエットフードの比率やカロリー計算の方法を獣医師が詳しく解説

猫がご飯を食べてくれない時、おそらくほとんどの飼い主さんがウェットフードやおやつなどのトッピングをした経験があると思います。

ウェットフードはドライフードよりもにおいがするため、喜んで食べてくれる猫が多いことでしょう。ウェットフードはおいしい半面、量が少なくコストパフォーマンスが悪いデメリットもあります。また、あまり多くあげすぎると肥満の原因になったり、偏食を助長してしまうこともあります。

今回は、フードについて解説します。

まず愛猫の体型を知りましょう

まず愛猫の体型を知りましょう

飼い猫のほとんどが肥満体型です。

フードのカロリーを計算するに当たって、まず愛猫の体型を知る必要があります。猫の体型の指標は、ボディコンディションスコア(BCS)という5段階評価で行われます。BCS3が標準、BCS1-2は痩せ、BCS4-5は肥満と評価されます。BCSは肋骨、腰のくびれ、お腹のたるみ具合から評価されます。

 引用:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」より

BCS1(痩せ)

痩せすぎでガリガリの状態であり、肋骨などの骨が浮き出ています。横から見て腹部の吊り上がりが顕著であり、脂肪もほとんどない状態です。

BCS2(やや痩せ)

痩せの状態ですが、BCS1よりも脂肪がついています。背骨や肋骨は簡単に触れられる状態です。背中から見て、腰のくびれはしっかりと見え、横から見て腹部の吊り上がりがわずかに見られます。

BCS3(理想的)

理想的な標準体型です。肋骨は触れるが、目で見えるほど浮き出ていません。背中から見て、腰のくびれがわずかに見えます。横から見て腹部の吊り上がりは確認できますが、BCS2よりもやや丸みを帯びている体型です。

BCS4(やや肥満)

やや肥満体型になります。肋骨の上に脂肪がわずかについていますが、肋骨自体は触ることができます。横から見て腹部の吊り上がりはやや丸くなり、適量の脂肪で垂れ下がるため、歩くと揺れます。

BCS5(肥満)

肥満体型で、肋骨や背骨は厚い脂肪におおわれて触れません。背中から見て腰のくびれはほとんどありません。お腹の脂肪も垂れ下がり、歩くとプルプルと揺れます。

猫に必要なカロリー計算の仕方とは

猫のカロリー計算の仕方

猫の1日エネルギー要求量(DER)を算出する方法はいくつかありますが、一般的によく使われるのが安静時エネルギー要求量(RER)に係数をかけて算出する方法です。

安静時エネルギー要求量(RER)

動物が安静にしている時に必要なエネルギー量です。RERは次の式で求められます。

RER(kcal)= 70 ×(体重(kg))0.75 ※0.75乗

この式をより簡単にしたものがあります。

RER(kcal)= 体重(kg)× 30 + 70

2つの式から出た値はやや異なりますが、大きな違いではありません。

1日当たりの栄養要求量(DER)

DERはRERに係数を掛けて算出します。係数は、その猫の状態によって変わります。

1日当たりのエネルギー要求量(DER)= 安静時エネルギー要求量(RER)× 係数


主なDERは次の通りです。

  • 成長期(1歳まで) RERx2.5
  • 避妊・去勢猫 RERx1.2~1.4
  • 活動的な成猫 RERx1.6
  • 減量が必要な成猫 RERx0.8
  • 高齢猫 RERx1.1~1.4
  • 安静状態、重篤な状態 RERx1.0

日本で販売されているフードには、パッケージの横に体重と給与量が記載されています。給与量はあくまで目安です。体重の増え方や活動量、便の状態などを見ながら、量を調節してください。

猫にとって最適なドライフードとウェットフードの比率とは

猫のドライフードとウェットフードの比率

フードを混ぜてあげる場合、比率に決まりはありません。ウェットフードを混ぜることでカロリーオーバーにならないように注意が必要です。ウェットフードとドライフードでは、100g中に含まれるカロリー数が異なります。与える割合とカロリー数を計算し、適正な量を与えるようにしましょう。

混ぜる比率は猫の体調や体格、病気、飼い主さんのライフサイクルで調整しても良いかもしれません。

ウェットフード多め

ウェットフードは水分量が多いため、尿石症や膀胱炎、腎臓病の猫の治療に用いられます。ドライフードだけでなくウェットフードを多めにすることで、体に必要な水分を満たすことができます。

また、肥満体型の猫の猫の場合、ウェットフードを多めにすることでご飯のかさが増え、満腹になりやすい傾向にあります。

ドライフード多め

ウェットフードはドライフードよりも価格が高いため、コストパフォーマンスはよくありません。また、長時間の外出が多い飼い主さんの場合、フードの痛みも気になります。そのような場合は、ドライフードを多めにし、ウェットフードは風味付け程度で良いでしょう。

困ったら動物病院に相談を

体型の評価や適正体重が分からなければ、是非動物病院に相談してください。動物病院では、体型を9段階で評価し、適正体重を算出しています。

また、療法食を販売しているメーカーであれば、ドライフードとウェットフードの給餌量の計算ツールがあるため、すぐに適正量を計算することができます。少なくとも年に1回は動物病院で体重測定をすることをお勧めいたします。

まとめ

まとめ

今回はフードについて説明しました。いくつか式をあげましたが、あくまで目安であることを頭の片隅に置いておきましょう。減量や食事療法が必要な場合、自分で計算した給与量ではなく、かならず獣医師から指導された量を与えるようにしましょう。体重測定だけでもよいので、定期的に動物病院を受診することをお勧めします。

ドライフードとウェットフードを上手に使い分けて、愛猫がおいしく食べられるように心がけましょう。


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