猫の健康管理で必ずやるべきこと5選を獣医師が詳しく解説

猫の健康管理で必ずやるべきこと5選を獣医師が詳しく解説

愛猫が長生きするために、どんなことに気をつけていますか?

筆者は動物病院を開院していますが、診察に来た段階ですでに手遅れの状態になっていることもしばしばあります。その状態ですと、飼い主さんもひどく後悔し自分を責めてしまいます。愛猫に長生きしてもらうためにも、普段から健康管理に気を付けていただきたいと思います。今回は猫の健康管理で必ずやるべきこと5選をお伝えしたいと思います。

猫の病気の予防を行う

予防を行う

混合ワクチンやノミ・ダニなどの外部寄生虫の駆除を、定期的に行っていますか?診察をしていると、飼い主さんから「外に行かないから予防はしなくても大丈夫です」と言われます。外に行かないから予防をしなくていいわけでは決してありません。病原体や外部寄生虫などは、知らない間に体や服などに付いて侵入します。行うべき予防について説明します。

混合ワクチン

猫の混合ワクチンは、3種、4種、5種の3つがあります。

3種ワクチンには猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症が含まれます。4種ワクチンは、3種ワクチンに猫白血病が加わったものです。5種ワクチンは、4種ワクチンに猫クラミジア感染症が加わったものです。これらの感染症は、感染した猫との接触などで感染しますが、病原体が付着したものからも感染する可能性があります。

ワクチンに含まれる病気は、重篤化すると命に関わるものが含まれます。特に外に行く猫や多頭飼育の場合は、4種ワクチン以上を打つことをお勧めします。

ワクチンは子猫の頃に2、3回打ちますが、その後は3年に1回の接種が推奨されています。

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外部寄生虫駆除

ノミやダニなどの外部寄生虫は、春先から秋にかけて増えます。草むらなどに潜み、猫や人が近づくと飛びつきます。外部寄生虫は、猫の血を吸って大きくなり卵を産みますが、暖かい室内で大量に増えることもあります。

外部寄生虫は血を吸うだけでなく、お腹の中に住みつく内部寄生虫を媒介します。また、皮膚炎の原因になるだけでなく、ライム病や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった命に関わる病気を病気を媒介します。これらの病気は、猫だけでなく人にも感染します。

外部寄生虫駆除薬は、月に1回、首の後ろに垂らす液剤です。ノミ・ダニだけでなく、シラミやミミダニ、お腹の虫下しができるタイプもあります。

定期的に健康診断(キャットドック)を受ける

健康診断を受ける

猫の病気の早期発見には健康診断が重要です。猫の死因の第1位は慢性腎臓病ですが、健康診断で早期発見も可能です。

猫の健康診断の内容は動物病院によっても異なりますが、身体検査、血液検査、レントゲン検査など様々な検査が行われます。

7歳までは年に1回、7歳以上は年に2回の健康診断が推奨されています。

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避妊去勢手術をする

避妊去勢手術

避妊去勢手術は、猫が望まない妊娠をしないためにも重要です。それだけではなく、この手術には他にもメリットがあります。

メス猫の乳腺腫瘍や子宮蓄膿症を防ぐことができます。特に猫の乳腺腫瘍の9割が悪性と言われ、しこりを発見したときにはすでに転移していることが多くあります。

発情すると独特の鳴き声をしたり、おしっこを壁などにかけるスプレー行為、脱走などが起こります。飼い主さんのストレスにもなりますが、発情期は猫にも大きなストレスがかかります。手術を受けた猫と受けてない猫では、受けた猫の方が寿命が長く、発情によるストレスが寿命を縮めている可能性があることが分かっています。

猫の体、食事、トイレのチェックする

体、食事、トイレのチェック

日ごろから猫の体をチェックしたり、フードやお水の量、排泄物の量や回数を確認しておくことはとても重要です。異常があったときにすぐ気づくことができます。

体を観察したり触ることで、皮膚の異常やしこり、痛みがある場所に気づきやすくなります。

ご飯の食べや水の飲み方を把握しておくと、多い少ないが分かります。お腹の異常や糖尿病などの内分泌疾患、腎臓病などの診断に役立ちます。

猫は膀胱炎や尿石症、慢性腎臓病などの泌尿器系疾患にかかりやすい生き物です。おしっこの量や回数を日ごろから観察することで、早い段階で病気に気づくことができます。猫の泌尿器系疾患は、放置することで命に関わります。しっかり確認してあげたいですね。

猫の歯磨きをする

歯磨き

猫は歯周病にかかりやすく、2歳までの猫の70%が歯周病にかかっているとも言われています。

歯周病の予防には歯磨きが重要です。歯ブラシを使って磨くのが一番ですが、磨けるようになるまで根気よくトレーニングしましょう。無理に磨くと噛みつかれることがあります。おやつなどを使って、少しずつ歯ブラシに慣らしましょう。どうしても歯磨きに慣れない場合は、フレーバー付きの歯磨きペーストや液体歯磨きなどを利用すると良いでしょう。かならず動物用の物を使用してください。その他にも、様々なデンタル製品があるので、愛猫に合った方法で歯磨きを行いましょう。

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まとめ

まとめ

猫の健康管理は、日頃から猫の様子を観察し、少しでも様子がおかしいと思ったら動物病院を受診することが重要になります。また、動物病院で推奨されている予防や健康診断は、定期的に行うことで病気の予防にもなり、早期発見にも繋がります。

「もっと早く気づいていれば」と後悔しないためにも、愛猫の健康管理に努めてくださいね。


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